2017.11.22

国立西洋美術館で「北斎とジャポニズム」を見る

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上野の国立西洋美術館で「北斎とジャポニスム―HOKUSAIが西洋に与えた衝撃」(2017/10/21-2018/1/28:1600円)を見た。「西洋近代芸術の展開を“北斎とジャポニスム”という観点から編み直す、日本発・世界初の展覧会です。国内外の美術館や個人コレクターが所蔵するモネ、ドガ、セザンヌ、ゴーガンをふくめた西洋の名作約220点と、北斎の錦絵約40点、版本約70点の計約110点を比較しながら展示します」とのこと。

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そこそこよく知られていること、例えば上の看板のように、北斎漫画にある相撲取りとドガの踊り子のポーズは似ていて、北斎漫画を見たドガが取り入れたとか、陶器やガラス工芸の図案に北斎の植物画や昆虫、鳥などのモチーフが使われているとか、その辺をより多くの作品を使って見せてくれるのかしらと思っていたら、ほかにも風景、特に富嶽三十六景の神奈川沖浪裏の波や、富嶽三十六景そのものもの影響も展示されていて、なかなか面白かった。

風景の影響のところで、興味深いのが、主体となる山の前に林や竹林を置いて、山を隠すというか、隙間から山が見えるような描き方は、北斎作品が西欧にわたるまではなかった、というあたりです。モネの作品で、手前に林がある状態でその先の風景を描いたものがあるのだけど、モネが北斎の作品で竹林の向こうに富士山がある作品を持っていたことから、そこから着想を得た、としています。

まあ、なかには強引な感じのする部分もありましたが、割と説得力のある展示だったと思います。
 


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2017.11.19

Bunkamura ザ・ミュージアムで「オットー・ネーベル展」を見る

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渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで「オットー・ネーベル展」(2017/10/7-12/17:1500円)を見た。オットー・ネーベルはスイスで活躍したドイツ出身の画家。1892年に生まれ、1973年に亡くなっている。「1920年代半ばにはワイマールに滞在し、バウハウスでワリシー・カンディンスキーやパウル・クレーと出会い、長きにわたって友情を育みました」とのこと。日本初の回顧展だそうだ。回顧展というのは「作家の全生涯における作品や活動を総覧する展覧会」です。カンディンスキーやクレーが好きなので、見てみることにしました。

最初はクレーの亜流かな、とも思いましたが、そんのこともない。クレーとは違ったアプローチで、クレーと同じような対象を描いている作品があるので、一瞬、亜流かも、という気になったのかもしれない。単純な形を扱っているのに描線の書き込みが激しいというか細密なのだ。

そして色彩の探求がクレーより分析的に見える。特に「カラーアトラス」という考え方が面白い。カタログによると「1931年10月、ローマに到着したネーベルは南国の強い光の下で色彩の輝きに開眼し、訪れた各都市の色彩、光、響き、ニュアンスの詳細な記録にとりかかった」とある。訪問した土地で見た風景から色を抽出して、正方形で表し、より印象深いものは大きく描くというもので、スケッチブックの1枚に1都市、作成しているようだ。そして、その色彩のスケッチから絵画を構想し、描いていく。さて、ネーベルが東京とか京都を訪れたならば、どんなカラーアトラスを作成したんだろうか?

まあ、展示としては、クレーやカンディンスキー、シャガールの作品も、関連作品として拝見できるのがうれしい。

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2017.11.12

東京オペラシティ アートギャラリーで「単色のリズム 韓国の抽象」を見る

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初台の東京オペラシティ アートギャラリーで「単色のリズム 韓国の抽象」(2017/10/14-12/24:1200円)を見た。1970年代に生まれた韓国の抽象画「単色画(ダンセッファ)」の画家19人の作品を紹介しています。「リズミカルな筆の動き、反復する点や線、画面ににじむ絵具と東洋的な色彩感覚、韓紙や麻布などの素材が生む質感」をテーマにしたシンプルな抽象画の一群です。李禹煥の《線より》(写真下)で始まるのですが、李禹煥以外の作家はすべて知らなかったので、とても新鮮でした。

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なぜか、日曜は撮影OKとのことでしたので、写真撮影してきました。以下、特に気になった作品を載せておきます。

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郭仁植の《Work 86-KK》。1986年の作品。大きさは縦199×横300cmとなかなか大きい。繭玉のようなものに墨を塗ってはんこを押す、という作業を延々と繰り返したような作品。繭玉はかなりの数があって、大きさや形が微妙に違っているように見える。繭玉を押すときのリズムが伝わってくる感じ。

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権寧禹の《無題》。1982年の作品。大きさは157.0 x 122.0cm.。紙で作った輪を大量に紙に貼り付けたもの。光が当たると影ができて、そこが線や黒く塗った部分のように見える。絵画の場合、紙と墨とか絵具で表現するのだけど、紙だけで表現して、抽象表現を成立させている。

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丁昌燮の《楮(Tak) No.85-011》(右)と《楮(Tak) No.87015》(左)。No.85-011は1985年の作品。No.87015は1987年の作品で大きさは227.8×162.2cm。解説によると「韓紙を水につけて繊維を分解し、それをキャンバス上に広げて定着させる」という作品。

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崔明永の《平面條件 99115》。1999年の作品で大きさは182.0 x 227.0cm。ずっと眺めていると、人の顔がたくさんあるように見えてくる。なんとなくパウル・クレーの作品を思い出す。解説によると黒く塗ったキャンバスを白く塗るのだけど、黒の線は塗り残した部分らしい。

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2017.11.08

練馬区立美術館で「没後20年 麻田浩展―静謐なる楽園の廃墟―」を見る

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練馬区立美術館で「没後20年 麻田浩展―静謐なる楽園の廃墟―」(2017/9/28-11/19:800円)を見た。「本年は麻田が没して20年という記念の年にあたります。初期から晩年まで、約140点の油彩画、版画等を通し、麻田の画業を振り返る展覧会です」とのこと。麻田浩の作品は、あちこちの美術館で見たことがありますが、まとめて見るのは初めて。さらに20年前に自殺した、ということは知らなかった。

幻想的というかシュルレアリスムなんだけど落ち着いた淡い色調の独特な絵を描くアーティストという印象でした。まあ、その印象は合っていたけど、当初はアンフォルメルな不定形の抽象画を描いていたが、ヨーロッパへの長旅を経てシュルレアリスム的な表現、あるいはキリスト教的なモチーフを描くようになる、となかなか紆余曲折があって、面白かった。その後,12年間パリで活動するも、ウイルス性肝炎を患い日本に戻る。どうやら、晩年に向けて病と戦いながら作品を描いていたらしい。

作品的には、晩年に向かうほど宗教的なイメージが暗喩的になり、隠されたメッセージがあちこちにあるように思える。各モチーフは精密が描かれているのだけど、配置や組み合わせが幻想的で、配色がその幻想さを増幅しているように見える。

ちなみに展示会のカタログは青幻舎から「麻田 浩 静謐なる楽園の廃墟」として販売されてます。お値段は税込で3240円。今回、展示された全作品のほか、参考図版として「版画、デッサン類を除いて現在知られる麻田浩作品をできる限り網羅した」としている。この参考図版がわりと面白くて、麻田浩作品を年代順に一覧できるので、その変化が分かりやすい。

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2017.11.06

水戸芸術館でデイヴィッド・シュリグリー「ルーズ・ユア・マインド―ようこそダークなせかいへ」を見る

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水戸芸術館で、デイヴィッド・シュリグリー「ルーズ・ユア・マインド―ようこそダークなせかいへ」(2017/10/14- 2018/1/21:800円)を見た(写真上:高解像度版はこちら)。デイヴィッド・シュリグリーといえば「I'M DEAD」という剥製を使った一連の作品が印象的です。犬とか猫の剥製が「I'M DEAD」という立て看板を持って立ち上がっているものです。アート作品というより悪い冗談という気もするけど、自分が死んだらこういう剥製にしてもらえるのもいいなあ、と個人的に思ってます。無理だけど。まあ好きなアーティストだし、東京には巡回しないようだし、しょうがないので、はるばる常磐線に乗って水戸まで行ってきました。

なんと展示会は撮影可、とのこと。でも展示スペースのあちこちに「NO PHOTOGRAPHY」というのが貼ってあって(写真下)、ちょっと躊躇しながら撮影しました。

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会場の入口は「DEATH」をあしらったもの。この扉は作品なのかどうなのか、よく分かりませんが、少なくとも触って押して中に入れます。なぜDEATHなのかは不明。ここをくぐるとTシャツとドローイングの展示です。ドローイングは下手なんだけど味があるというか…。壁に貼られた大量のドローイングと壁と壁の間にワイヤーを張ってドローイングが印刷された大量のTシャツがぶら下がってます。

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そんな感じで、作品が並んでいきます。全部撮影したけど、特に気に入った作品を紹介いたしましょう。

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なんかうるさく動いているのが、いるなあと思ったら、2本のペンを持ったロボットでした。このロボットが白い紙の上をぐるぐる動きながら、何かを描いている。アーティストというタイトルの作品。壁にはどうやら完成した作品が貼ってあるようです。

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何も置いてない展示台があって、その先の壁一面にドローイングが貼ってあります。タイトルはおばけ。なんでもドイツの国立近代美術館で展示されたもの、とのこと。ドイツの国立近代美術館内の鍵のかかる部屋に彫刻を置いて、子供から大人まで、いろんな人がスケッチする。その結果が壁に貼ってある。しかし、彫刻はない。破棄されているそうだ。そして、もちろん彫刻の写真もない。謎の彫刻については老若男女が描いたデッサンから想像するしかない、という作品。

このほか、アニメーションとか、ロンドンのトラファルガー広場にいくと拝見できるらしい、巨大なブロンズ像「Really Good」のバルーン版とかがあります。なんとなくにやりと笑える作品群です。モンティパイソンを思い出させる感じ。それが英国の伝統なのかも。

カタログを買って帰ろうかと思ったのですが、12月に発売、とのことでした。残念です。


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