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2006.01.29

小林信彦「うらなり」を読む

Bungakkai文學界2月号(文藝春秋社、900円)に小林信彦の新作が載っていると聞いて本屋に走る。4件目でようやく購入。さすがに小林ファンが動いたようで、大きい書店にはほとんどない。文芸誌を買うのは少なくとも1年ぶり。つい橋本治と伊藤比呂美の新連載が始まった群像(講談社)まで買ってしまった。まあいいか。小林の新作は「うらなり」。一挙180ページ。漱石の「坊ちゃん」を「うらなり」側から見たらどうなるか、というのがテーマ。ちなみに「うらなり」はマドンナの婚約者で、校長と教頭「赤シャツ」の策略で延岡にとばされる英語教師。英語教師だからというわけでもないけど、なんとなく「うらなり」の視点は小林の視点のような気がする。もちろん「うらなり」から見た「坊ちゃん」は江戸っ子である小林の自己批判的な部分もあるのかもしれない。物語は明治・大正・昭和と生きのびた「うらなり」古賀と「山嵐」堀田が東京で出会って、昔を振り返り、後日譚を語る、というもの。面白かった。ついでに関川夏央&谷口ジローの「『坊ちゃん』の時代」を読んで、「マドンナ」と「清」の対比とか、当時の漱石の困窮ぶりなどに思いを巡らして就寝。ところで調べたら「坊ちゃん」が世に出てから丁度100年でした。まあ「うらなり」が世に出たのは100年記念というのもあるんだろうな。

追記
早くも単行本になりました。タイトルは「うらなり」(文藝春秋、1200円)。「うらなり」だけでは本になるまいと思っていたら、「創作ノート」付きでなんとか1冊になってます。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

 漱石の作品、今の年齢で読み返すと面白いかもしれませんね。読み返してみるかな・・・・(もちろん、「ベルカ、吠えないのか?」の後で^_^;)

投稿: toropapa | 2006.01.29 12:58

あ、やっぱり群像にも目が行きましたか。
私も、文學界が見つからず、思わずこれでもいいかと買いかけてしまいました。
今日は中野界隈の書店を徘徊して探してみようと思います。

投稿: nora | 2006.01.29 14:41

>今の年齢で読み返すと面白いかもしれませんね。
かなり面白いはず。我輩にしても坊ちゃんにしても漱石が38-9歳で書いた作品だもの。漱石の年齢を超えてしまって読むのと、そうじゃないのは違うだろうな、あるいは違ってほしいなと思うわけです。

投稿: nemo | 2006.01.29 16:35

>あ、やっぱり群像にも目が行きましたか。
行きました。その日は、夜にOAZOの巨大な丸善にゆき、ふられ、上野駅ビルにいって、ふられ、満たさない心を癒すために、橋本治の新連載を読みました。伊藤比呂美も好きなのでつい。
結局、日本橋丸善(現在建替え中につき別店舗)で最後の1冊を入手しました。
ちなみに文學界はなかなかの売れ行きで、この調子なら実売率は紀伊国屋で70%台に達するでしょう。

投稿: nemo | 2006.01.29 16:47

こんにちは。
小林ファンには嬉しい新作です。昨日、読み終えました。
>「うらなり」の視点は小林の視点のような気がする。
おっしゃるとおりかもしれませんね。

うちのブログでも拙い記事をかいたので、TBさせてもらいます。

投稿: 自由なランナー | 2006.02.06 08:17

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» 小林信彦の新作「うらなり」と「坊ちゃん」 [単身赴任 杜の都STYLE]
ずっと読み続けている作家は何人かいますが、小林信彦さんもその一人です。文學界の2 [続きを読む]

受信: 2006.02.06 08:14

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