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2011.10.30

原発を読む−−政策、技術、展望の3冊 その1

原発事故後、関連本を5〜6冊読んだ。まあ、いかに自分が原発から目をそらして生きてきたか、という感じだ。推進派の論理がいかに破綻しているか、そして原発推進がどうして危険なのかが、よく分かった。

いろいろ読んだけど、基本、3冊読めばよかったな、という気がする。まず、政策的な分析。推進派は原発が経済効率が高く、CO2削減の切り札としてとしているが、本当なのか。そして、技術的な分析。本当に平和利用は可能なのか。最後に展望。政策的な分析と技術的な分析をふまえて、ではどうすればいいか。核廃棄物のことを考えると、現在の技術では完全な脱原発は不可能だ。何らかの方向性を示してくれる展望が必要だ。

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まともな政策的分析を読みたければ「原発と日本の未来――原子力は温暖化対策の切り札か (岩波ブックレット)
」(吉岡 斉著、発行:岩波書店 価格:500円)がよさそうだ。3.11以降、最初に読んだ原発関連本がこれ。この本の発行日は2011年2月8日。3.11の直前に出版されたものだ。脱原発の立場から、原発推進派の矛盾点を淡々と明らかにしていく。原発事故の前に書かれたもだからこそ、淡々とデータを積み上げて明らかにされていく矛盾点は説得力が強い。

まず2001年のアメリカ、ブッシュ政権の原発への積極的政府支援から始まった「原子力ルネッサンス論」の矛盾を明らかにする。特に「原子力ルネッサンス論」が単なる政治的スローガンで、原発が全く復活していないことが数字で示される。結論としては、先進国では停滞&減少傾向だが、インド、中国など、電力需要が増加する途上国で一部導入されることで、原発の数は増減ゼロ、としている。つまり復興はしてないことが明らかになる。

この本で、一番驚かされたのが、「原子力発電が地球温暖化対策として有効か」と小見出しのついた数ページだ。原発は化石燃料を使わないためCO2を排出しない。よって、CO2削減の切り札となる、とうのは単純に正しいように思われるのだが、そうはいかないらしい。筆者によるとデータ上は原発拡大とCO2排出量削減は逆相関関係が認められるという。まあ、いろんな背景があるんだろうけど、原発を金をかけて作ったが設備利用率が低く、いざってときはCO2を大量に排出するけど、安価な火力に頼るしかない、というのが本当のところらしい。


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