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2013.02.13

川村記念美術館で「BLACKS」を見る

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千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館で「BLACKS ルイーズ・ニーヴェルスン|アド・ラインハート|杉本博司」(4/14まで、1300円)を見た。

3人は黒を作品の要素とした点で結びつく美術家だ、という考えでキュレーションされたもの。ルイーズ・ニーヴェルスンは黒く塗装したモノを組み合わせた彫刻作品で、作品によっては巨大な黒い書棚に見えたりする。アド・ラインハートは黒い抽象画で、これも作品によっては黒一色に見えたりするが、しばらく見ているとそうでもないことが何となく分かってくる、という不思議な作品。一見、一番、わかりやすいのが杉本博司の作品だ。モノクロの写真ですから。今回は劇場シリーズをたっぷり拝見できた。

川村記念美術館は佐倉の山の中にある。旧大日本インキ化学工業、現DICの研究所の敷地内にある美術館で同社の創業者や歴代の社長や会社としてのコレクションを展示している。コレクションは多岐にわたっていて、レンブラントの自画像があるかと思えば、印象派や日本の近代、近世の絵画もある。長谷川等伯の重文「烏鷺図屏風」なんてのがあったりする。まあ、それくらいならいいけど、現代美術のコレクションもなかなかで、ジョセフ・コーネルの箱、フランク・ステラの大作なんてのもある。特筆すべきはマーク・ロスコの「シーグラム壁画」とバーネット・ニューマンの「アンナの光」という巨大な抽象画で、どちらも専用の部屋を用意して、展示されている。

これらのコレクションを見てから,「BLACKS」の展示スペースへと移動する。特に,マーク・ロスコやバーネット・ニューマンの赤い作品や,フランク・ステラのあらゆる色を使った彩度が高い作品を見た後に,基本,無彩色の「BLACKS」を拝見するというのは,なかなか目の快楽である。

部屋に入ると,杉本博司の劇場シリーズが壁に掛けられ,白い革張りのいすが部屋の中央にいくつか置かれている。劇場シリーズでは,その作品すべてで,作品の中央あたりに真っ白いスクリーンがあって,暗がりの中に劇場の舞台周辺が映っている。8×10で撮影されたモノクロ作品で,常に決まった方法で撮影されている。それは舞台のスクリーンで映画を1本,映写するのだが,映画を始めるときにシャッターを開いて,終わったときにシャッターを閉じるという,いわゆる長時間露光だ。そのため,スクリーンは白く映り,その周りの映画の光が反射した部分だけが,フィルムに映りこむ。

この部屋を抜けても,まだ杉本作品がある細長い部屋があり,そこを見終わると,ルイーズ・ニーヴェルスンの黒い彫刻の部屋に移る。照明が落としてあって,全体的に暗いところに,黒い大きなモノがある感じ。黒く塗装されているので、素材がよく分からない部分もあるが全て木彫とのこと。箱を積み重ねたような作りで、本棚のような感じがするが、すべて黒い。この存在感はなかなか。

最後がアド・ラインハートは黒い抽象画。まあ、赤い抽象画があるんだから黒い抽象画あってもいいんですが、どうもそういうレベルではない。最初に版画集があって、色見本のような感じがしたけど、よく見ると、微妙に色が違っていて、十字に分かれていたりする。この色の差がぱっと見て分かるものではないのだ。さらに部屋に入っていくと、高さが1.5mぐらいの油彩画があって、いくつかは、ぱっと見たところ全部、黒く見える。たまたま学芸員の方がいらして、説明を聞いて、しゃがんだりして角度を変えながら見ていくと、ある瞬間から十字架風の区切りが見えてくるようになる、ってのをお聞きして、実際にやってみたら、その通りでした。黒という色も奥が深いのね、と思わせる瞬間だ。

ちなみに、カタログは2000円。小さいけど、色の感じもでていて、よろしいかと思います。

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