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2013.05.03

練馬区立美術館で「牧野邦夫ー写実の精髄ー展」を見る

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 練馬区立美術館で「牧野邦夫ー写実の精髄ー展」(500円、6/2まで)を拝見した。練馬区立美術館は西武池袋線中村橋駅から徒歩で3分の場所。図書館とかがあるコンパクトで静かな場所だ。乗り換えが必要だけど、地下鉄だと有楽町線や都営大江戸線とかも使えるから意外と便利なんだけど、まあ、天気がよかったので、自転車でざっと1時間半ほど、春日通り、不忍通り、目白通りと抜けて、ぶらぶらしながら行ってみた。山手線の内側の目白通りって交通量が多いわりに路が狭いので、そのあたりは鬱陶しいけど、そこを抜ければ、まあいい感じ。

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 練馬区立美術館の建物は1階が図書館で、美術館は2階と3階だ。図書館と美術館の入口は別々で、美術館の入口は、道路には面していない。階段を上がっていくと、上の写真の建物が見えてくる。入口は写真の右奥で、入ってすぐに小さな受付があり、そこで入場料を払う。

 牧野邦夫の絵は、ほとんど見たことがない。見たことがあるのは、表参道にある大坊珈琲店にある絵ぐらいじゃないだろうか。ほとんどが個人蔵で、公のコレクションとしては茅ヶ崎市美術館がいくつか所蔵している程度だ。たまたま、テレビ東京の美の巨人たちで牧野邦夫の「未完成の塔」という作品を扱っていたから、練馬までくる気になったけど、そういうことでもないと、優先順位は低かったはず。珍しくテレ東のおかげだけど、見に来てよかった。

 牧野邦夫は、美術展の解説によると「レンブラントへの憧れを生涯持ち続け…伊藤若冲や葛飾北斎、河鍋暁斎といった画人たちの系譜に連なるような、描くことへの強い執着が感じられます。北方ルネサンス的なリアリズムと日本の土俗性との葛藤という点では、岸田劉生の後継とも見られるでしょう」とのこと。確かに自画像が多いけど、レンブラントのように最晩年の自分までリアルに描くようなことは、していないように見える。実際、自画像の中の牧野邦夫はあまり年をとらない。

 展覧会のタイトルの通り写実をベースに置いている作家なのだろうけど、そこからいろんなモノがはみ出ている、幻想から寓話から、いろんなアイデアがあふれかえっている感じだ。確かに岸田劉生的な部分もあるんだろうけど、この粘り気のある絵は、浦島図を描いた山本芳翠のほうが近い気がするし、諸星大二郎的な寓意も見てとれる。諸星大二郎がこの絵を見てどう思うかを聞いてみたいところだ。

 練馬区立美術館は部屋が3つに分かれていて、1階に1つ、2階に2つある。今回はほぼ年代順に並んでいる。最後の部屋はほぼ晩年の作品で、裸体画が多く、それもかなり濃厚。晩年ほどエロスとタナトスな感じだ。

練馬区立美術館の美術展としては珍しくカタログがある。「牧野邦夫画集―写実の精髄」というタイトルで版元は求龍堂。書籍兼公式図録とのこと。
まあ、市販の本なので、会場で買う必要はないのだけど、つい買ってしまった。お値段3300円。よく考えると、消費税が含まれていないので本屋で買うより、165円安い。少しお得である。この画集もよくできていて、収録数も多いし、展覧会では展示できなかった作品もカラーで拝見できる。かなりお買い得感がある。まあ、美術館に行けない人は見ておきましょう。

 

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