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2014.02.18

「クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美」を見る

 東京国立博物館で「クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美」(2/23まで、1000円)を見る。平成館の半分を使った展示で、展示替えなしという構成。つまり、作品数は少なめということです。まあ、展示替えがないので何回も見にいく必要がないのはいいことかもしれない。

 でも、なかなか面白い作品が来ておりました。例えば、カタログの表4というか裏表紙というか、ともかく採用された、「伊年」印の雷神図屏風。俵屋宗達系の作品。かなり凶悪な顔をしています。六曲一隻となかなか大きいのもよろしい。おそらくは右側にいたであろう、風神さんを想像しながら、いつか見つかったりするといいなあと思いながら拝見しました。

 まあ、ほかにもいろいろ来ていたけど、一番気になったのは、渡辺華山の「大空武左衛門像」。大空武左衛門は熊本藩お抱えの力士で文政十年、1827年に江戸にやってきた。身長227cmと相当に大きいのだけど、華山はこの大きな力士の等身大の絵を描いている。実際、展示された絵も大きい。華山は日本画で、西洋画のテクニックを用いて写実を完成させている。東博の所蔵品で、国宝でもある「鷹見泉石像」がそのいい例だ。「大空武左衛門像」はカメラ・オブスキュラで模写したものをベースにしているらしく、それもかなり面白い。今回の展示では、実物大のレプリカを展示会場に置いて、その大きさを実感できるようにしている。

 あとは、六曲一双の「薄図屏風」。薄しかない屏風です。鈴木其一の作品で「芒野図屏風」という、二曲一隻の作品があるけど、こちらも薄だけで、それも枯れ薄なんだけど、室町時代の作品とされる「薄図屏風」との相関を考えてしまった。其一はこの作品を見たのだろうか、と考えると面白い。案外、まだ葉も緑の薄の「薄図屏風」から枯れ薄の「芒野図屏風」へと変わる間にいくつもの薄図がありそうで、集めて見せていただきたいと、切に思うわけです。解説によると、薄原の先に富士山や夕日やらがある武蔵野図という系譜にいたるとのことで、其一は先祖返りさせたのかもしれない、とふと思うのでした。


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