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2014.08.17

三菱一号館美術館で「ヴァロットン ―冷たい炎の画家」を見る

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 三菱一号館美術館で「ヴァロットン ―冷たい炎の画家」(1600円、9/23まで)を見る。三菱一号館美術館は三菱地所が所有する美術館(写真上:高解像度はこちら)。いろいろあるんだろうけど、建物は「ジョサイア・コンドル(1852~1920)によって1894(明治27)年に建てられたオフィスビルを、原設計に基づき復元したもの」とのこと。実際、オフィスビルにしては天井がまあまあ高いし、美術館にもぎりぎり使える感じ。でも、この天井の高さと展示スペースの広さでは、あまり大きな作品は飾れないのではないかな。

 建物の中にはエスカレーターはないけど、エレベーターはある。エレベーターで3階まで上がって、3階と2階の展示をみて1階のミュージアムショップを抜けて帰ることになる。3階からは基本、階段で降りる。ちなみに、三菱一号館美術館は駅から雨にぬれずに歩いていける。東京駅方面から、地下道を経由して、丸の内パークビル経由でエレベーターで行くと、外に出ることなく到着。同じく、千代田線二重橋前駅からも丸の内パークビル経由で行けます。その辺は、三菱地所らしく抜かりがない。

 さてヴァロットン展ですが、ヴァロットンの名前にはなんとなく覚えがある程度で、作品をこれだけまとめて見るのは初めて。どうやら「ボール」という作品だけは見覚えがあって2010年に開催された「オルセー美術館展2010」で展示されていたのを見たようだ。そのときは、妙に明るい作品として印象に残った。そして、ほかの作品も見てみたいと思ったようだ。まあ、その願いがかなったわけで、ありがたいことだ。

 ヴァロットンはスイス出身のナビ派の画家で、版画もこなした。三菱一号館美術館にはヴァロットンの版画コレクションがあり、スイスと日本の国交樹立150周年ということもあって、展覧会が開かれたらしい。

 「ボール」という作品は、広場で女の子がボールを追いかけているシーンを俯瞰している部分と遠く芝生の広がったあたりに女性が2人たたずんでいる部分が奇妙に合体した作品だ。要は2つの視点を1枚の絵に収めたものだけど、この作品だけだと、今回、拝見した絶妙な人間ドラマを描く作家とはあまり想像できなかった。まあヌードからは「お尻フェチ」、男女がでてくる作品からは女性不信がありありと見てとれて、なかなか面白い。

 版画も達者なもので、「アンティミテ」(親密さ)という10点の連作ではモノクロで黒を大きく扱った画面構成のセンスがいい。特に「版木破棄証明のための刷り」という版木の断片を10個組み合わせた作品はいいデザインだ(下)。

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 ちなみに、上の画面は「ヴァロットン展 音声ガイドアプリ」の起動画面。アプリは600円で、この展覧会の期間中限定で配信される。iPhone/iPad対応です。会場で聞くなら、iPhoneとかiPod touchに入れて、鑑賞するならiPad mini/iPadに入れて見るといいですね。

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 画像は拡大して拝見できますので、なかなかよろしい。

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 入場料が1600円というのは、どうなんだろう?少々高いと思いますが許容範囲かな。ちなみに「三菱一号館美術館サポーター制度」というのがあって、入会すると年会費1万円で何回でも入場できます。特典としては、本人+同伴者が無料、展覧会ごとに鑑賞券を2枚、サポーター限定貸し切り鑑賞会といったところ。ヴァロットン展については3回見にいって(うち1回は奥様同伴)、鑑賞券を母に差し上げて親孝行したので、十分に元が取れそうな感じです。

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