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2015.09.12

松濤美術館で「スサノヲの到来-いのち、いかり、いのり」を見る

 Susanowo1

 松濤美術館で「スサノヲの到来-いのち、いかり、いのり」(2015/9/21まで、500円)を見た。2015年1月にDIC川村記念美術館でやっていたのを、見に行けずにいたのですが、やっと拝見できました。しかし、足利市立美術館(2014年10月開催)から始まって、DIC川村記念美術館、北海道県立函館美術館山寺芭蕉記念館と巡回して、ようやく渋谷区立松濤美術館にたどり着いた、というのは、漂白の神、スサノヲを扱った展覧会としてはなかなかのものではないかと思うわけです。まあ、見終わって、いろいろと知識を得てから思ったのですがね。

 スサノヲは多面的な神である、そして時代の要求に合わせてその顔が使われていく、というのがこの展覧会のテーマのようです。スサノヲは破壊神、農耕神、芸術神、漂白神といろいろなシステムを内在している。「日本神話に登場するスサノヲは、大地を揺るがし草木を枯らす荒ぶる魂と、和歌の始祖としての繊細な美意識を備えた存在です。この両面を持つスサノヲの姿を、古美術品・歴史資料でたどり、さらには、「破壊と再生」というスサノヲの象徴性に触発されて制作された現代の作品も展示し、時代を超えたスサノヲの影響を見ていきます」とのこと。

 自分のスサノヲに対する知識が、あまりに断片的だったことに気がつく。せいぜい古事記に書かれていた神話の一部を、知っているだけでした。というわけで、日本書紀に登場する漂白神としてのスサノヲが、マレビトの原点で、そこから派生するのが、西行や芭蕉である、というのは新鮮でした。ちなみに、芭蕉の書が展示されていたけど、そのタッチはなかなか繊細で、美しいのが、ちょっとよかった。

 ともかく、奥行きの深い美術展でした。タイトルの「スサノヲの到来」も、今、スサノヲが「危機とともに隣り合わせに出現する」ことを明示している。図録に掲載された江尻潔氏による解説「スサノヲの到来」によると、3.11に始まる日本国内のゴタゴタは、まさに危機であり、その危機に対して「もう一度振り出しに戻って考え直さねばならない。この振り出しへと引き戻すはたらきは紛れもなくスサノヲである」という。つまり、この展示は、過去を振り返えり、スサノヲの意味を理解するだけでは終わらず、今の状況をスサノヲというシステムによって分析し、再構築することを要求されている、と考えることもできる。

 ちなみに、松濤美術館の建物は、とても撮影しにくい。狭い道に面して、下のような感じで建っている(高解像度版はこちら)。

Shoutou


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