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2015.11.24

江戸東京博物館で「浮世絵から写真へー視覚の文明開化ー」を見る

Ph01

江戸東京博物館で「浮世絵から写真へ―視覚の文明開化―」(2015/10/10-12/6:1350円)を見た。江戸時代前期の屏風絵に始まり、上に掲載した白鳳の肖像(高解像度版はこちら)で終わる、というモノです。テーマは浮世絵が徐々に写真にとって変わられていく過程で、今はもう無くなってしまった技術があったんですよ、ご紹介しましょう、ということのように見えた。浮世絵がいきなり無くなったわけでも、写真がいきなり普及したわけでもなく、そこには微妙なグラデーションがあって、その中にもう忘れ去られたり、消えてしまったりしている技術があって、見てみるとかなりユニークで目を引く、ということらしい。まあ、確かにそう感じました。本当に知らないことばかり、って感じです。

 特に「ガラス絵」と「写真油絵」は知らなかった。ガラス絵は「ガラスの裏から、通常塗り重ねるのとは逆の手順で彩色を施したもの」でできあがると、立体感があって、なかなか美しい。今回の展示ではガラス絵に人物写真を切り抜いて、着色したものを貼り付けた作品が紹介されていたけど、見た目はかなりシュールなモノです。ちょっとしたアウトサイダーアート的な趣がある。

 もう一つの「写真油絵」は「印画紙の表面だけを薄く残すように裏の紙を削り取り、裏から油絵具で着彩するという、繊細な技術によって制作されるものです」とのこと。この技法は特許までとっていたそうで、芸術というよりは工芸とか、そういう領域のモノらしい。「印画紙の表面だけを薄く残すように裏の紙を削り取り、裏から油絵具で着彩するという、繊細な技術によって制作されるもの」とのこと。つまりとてもリアルな肖像画で、それもカラーということで、カラー写真のない時代に相当のインパクトがあったんじゃないだろうか。

 それで、展示の最後に登場するのが、相撲の優勝額。「モノクロ写真に油絵の具で彩色したもの」です。2013年まではその手法で描かれてきたが、描き手が引退して、2014年からはインクジェットプリンターで制作している、とのこと。まあ、こうやって、どんどん変わっていく、ということで、最後は印画紙ではなくインクジェットというところが時代を感じさせます。

 面白いけど、相変わらず、江戸東京博物館の1階の展示なので、天井は低いし、展示ケースのガラスは反射するしで、貧乏くさい。展示品がユニークだからまあいいか、というところです。展示替えがあるのですが、まあ、また1350円払って見るほどでもないです。カタログがよく出来ているので、それをじっくり見ればいいかと思います。ちなみにカタログは市販の書籍で「浮世絵から写真へ - 視覚の文明開化」(青幻社)でお値段は2500円。


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