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2015.12.31

三菱一号館美術館で「プラド美術館展 ―スペイン宮廷 美への情熱」を見る

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 大手町の三菱一号館美術館で「プラド美術館展 ―スペイン宮廷 美への情熱」(2015/10/10-2016/1/31;1700円)を見た。最初に見たときは、なんか小さな絵が多いけど、それはこの美術館の欠点をカバーするためなのかしら、と思ってました。でもそれは、ただの勘違いでした。

 実際、ヨーロッパの美術館の収蔵展というと、大きめの油彩が中心で、目玉となるのはそのうちの大きな作品のどれかで、展示の最後の方に目玉作品がドヤ顔で展示されるというパターンが多いのだ。この美術館の欠点は、天井が美術館としては低いので、あまり大きな作品は置けない、というか美術館ではなく、オフィスとしてデザインされた建物を美術館っとして使っているので、一般の美術館のようには扱えないこと。例えば、前回の暁斎展も、小さな作品が多くて、これで暁斎をすべて語っていると思う人がいたら不幸だなと思いましたよ。暁斎の作品には全長17mの「新富座妖怪引幕」なんていう巨大なものがあるし、小さな作品から、巨大な作品まで描いてきたダイナミックなところが暁斎の面白さの一つだと思うんですがね…。

 話を元に戻すと、カタログを買って、最初の「あいさつ」に以下の文章があって、やっと分かりました。

「プラド美術館のコレクションが誇る高い質と歴史的アイデンティティが凝縮されています。小サイズという点で共通する100点以上の絵画で構成された本展覧会では、他に類のない形で15世紀から19世紀までの西洋美術の流れを概観していただくことができます」

 この文章については、小サイズの定義がよく分からない、というケチをつけておきたいと思います。実際、そこそこ大きな作品があったので、わりと混乱させてくれます。まあ、つまるところ、展覧会のタイトルがテーマを表していないということなんでしょうね。

 一方で、小さな作品の面白さも少しは分かってきました。小さいと、当たり前ですが、作品全体を見るときでも、絵から離れる必要も無く、あるいは全体を見ながら細部の描写を鑑賞できる。そういった作品を楽しむのは、できるだけ混んでいないときにいって、気に入った作品をじっくり見ることだろう。ともかく、作品を発注した側に立って、それこそ手に取るような近さで鑑賞する体験は意外と面白い。そのためなんだろうが、作品はケースに入っていない。かなり近くから見ることができる。

 作品の展示は時代を追って、中世後期のフラットな感じの宗教画に始まり、ルネサンス、バロックと進んでいく。ヒエロニムス・ボス、エル・グレコ、ディエゴ・ベラスケス、フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテスといった巨匠の作品が拝見できるのは、まあ、うれしいところ。

 カタログは2700円(右上の写真)。いくつかの作品についてはクローズアップした写真も掲載しています。正直、解説は読みこなすのが難しい。かなり専門的です。でもまあ、図版の印刷もよく、お値段的には妥当なところでしょう。


 


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コメント

こんにちは。
私も『プラド美術館展』を見てきましたので、興味を持って読ませていただきました。見に来ている方の多くが感じられていたようですが。確かに比較的小さな作品が多かったですが、
ボスやメムリンクの作品や、エル・グレコ、ルーベンス、ムリーリョ、ベラスケスなどの画家の個性が見事に表現された充実した作品が見られて私はよかったと思いました。

私は今回の『プラド美術館展』から特に印象に残った7つの作品を厳選し少し掘り下げ書いてみました。それと一緒に実際にスペインのプラド美術館に行ったとき、プラド美術館の膨大な絵画の中から特に感動した作品についても書いてみました。読んでいただけると嬉しいです。ご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。

投稿: dezire | 2016.02.03 13:10

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