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2016.02.10

東京国立近代美術館で「恩地孝四郎展」を見る

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 竹橋の東京国立近代美術館で「恩地孝四郎展」(2016/1/13-2/28:1000円)を見た。恩地孝四郎は1891年に東京で生まれ、1955年に没した美術家。木版画を中心に抽象美術を極めた作家です。浮世絵などの木版画は分担作業で、原画を名のある美術家が作り、無名の彫り師と摺師がそれを仕上げる、というモノでしたが、恩地は自分で彫り、刷った。それも風景や風俗を作品にするのではなく、抽象的な「詩のような画」を作成したところが画期的でした。そして木版以外に、油彩、水彩・素描や写真も手懸けていて、なかなか多彩で器用な人です。

 その延長線上にあるのが本の装丁で、カタログ(写真上)の解説によると「1000冊をゆうに超えるブックデザインを手懸けた」としている。今回の展示は年代順に、3部に分けて、構成しているのですが、各時代でデザインした書籍を拝見できるのも面白いところ。ちなみに展示を3部に分ける事件となるのは、関東大震災と終戦。関東大震災前には、萩原朔太郎の「月に吠える」と室生犀星の「愛の詩集」をデザインし、関東大震災後は室生犀星の新聞小説の挿絵を描き、北原白秋の全集などの装丁を手懸け、戦後は国際版画展に出展して、海外で作品を発表するようになっている。

 恩地は常に抽象的な作品を作っていて、その方向性は常に変わらず、形と色の組み合わせが楽しい。そして晩年に向けて抽象度が高まっていくのも、面白い。晩年ほど、より純粋に抽象化を楽しんでいる印象がある。

 ちょうど昨年、東京ステーションギャラリーで「『月映(つくはえ)』田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎」展を見て、興味深かったのだけど、月映が関東大震災前の出来事で、その後の恩地孝四郎の展開をこの展示で見ることができたのはうれしいところ。

 ちなみに、2016年4月29日から 6月12日に和歌山県立近代美術館に巡回する予定です。


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