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2016.04.04

国立西洋美術館で「カラヴァッジョ展」を見る

Ph01

 上野の国立西洋美術館で「カラヴァッジョ展」(2016/3/1-6/12:1600円)を見た。かなり面白かった。実はあまり期待していなかったのですが、いい方向に裏切られた感じ。というのは、カラヴァッジョの真作が11点展示されていること、そして7つの分野、「風俗画:占い、酒場、音楽」「風俗画:五感」「静物」「肖像」「光」「斬首」「聖母と聖人の新たな図像」でカラヴァッジョの作品とカラヴァッジョのフォロワーである「カラヴァジェスキ」の作品が並んでいること。各分野にカラヴァッジョの作品が必ずあって、そのバリエーションとしてフォロワー達の作品があるという構成でした。

 有名な画家の名前を冠した展覧会はその画家の作品は数点しかなく、あとは同時代のあまり聞いたことのない作家のありふれた作品があるだけというのが、ときどきある。特にヨーロッパの画家の場合に起きる。例えば3月末まで森アーツセンターギャラリーでやっていた「フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」は、そのいい例で、「フェルメールとレンブラント」とあっても、真作はそれぞれ1点しかなく(レンブラントは帰属作品も1点ある)、会場の最後の方にうやうやしく展示されている。まあ、あまり面白くないわりに、フェルメールとレンブラントというビッグネームにつられて、そこそこ集客ができてしまう、という展覧会です。「フェルメールとレンブラント」は見てきたけど、まあ、とりあえずフェルメールが見れてよかったね、的なものでした。一方「カラヴァッジョ展」では51点中11点がカラヴァッジョの真作で解説もしっかりしていて面白かった。というわけで「有名画家の作品数点で無理やり構成されている展覧会」ではありませんでした。

 カラヴァッジョ、正確にはミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョは、1571年に生まれ、1610年に死んだバロック初期を代表する画家だ。38歳で没したカラヴァッジョには、現存する真筆は60点強といわれている。宗教改革の時代に芸術に力を入れたローマ・カトリックの庇護のなか、ローマで活躍するも、1606年に殺人事件を起こし、ローマから逃げ出し、以後、逃亡の果て1610年に熱病で死んでしまう。かなり短気で喧嘩っ早い人物だったらしく、裁判の記録などの公文書にその足跡が残っていて、今回の展示にも、その古文書が公開されている。かなり熱心に研究されているらしく、この時代の画家としては、その生涯がかなりの部分が明らかになっているようだ。

 面白いのは、ローマから逃げ出したあとの逃亡生活の最中にも、依頼を受けて、絵を描いていること。今回、世界初公開となる《法悦のマグダラのマリア》は、逃亡中の1606年に描かれた作品で、2014年に発見され、真作と鑑定されたもの。唇を半開きにして忘我の境地にある女性が、暗い背景の中に白く浮かび上がってくる。カラヴァッジョ作品の特徴となる光と闇を使ったドラマティックな手法や徹底した写実、作品のフォーカスしている部分を明確にする単純化などの手法が見て取れる。

 この展覧会のもう一つの特徴はカラヴァッジョのフォロワーである「カラヴァジェスキ」にフォーカスを当てていること。ベラスケスやレンブラントにまで、影響を与えたとされてますが、どのように手法が伝えられていったかを探る展示にもなっています。気になったのはジョルジュ・ド・ラ・トゥールの存在です。ラ・トゥールの作品も2点、展示してます。

カタログは2800円。323ページとなかなかの厚さ。展示した作品の説明は充実してますし、重要な作品については、部分をクローズアップして見せてくれます。分野ごとの解説も詳しく、なかなか読み終わりません。まあ、これは買って損のないものだと思います。マグネットも凝っていて、一つの作品について、全体と部分を組み合わせて構成してます。ちょっと高かったけど、購入の価値ありと思われます。例えば、《果物籠を持つ少年》のマグネットはほぼ全体と唇のアップと果物のアップの3枚で構成されてます。

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まあ、顔ハメ看板もあるし、なかなかいい展覧会でした。

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