リニューアルされた豊田市美術館で「山口啓介|カナリア」を見る
豊田市美術館で「山口啓介|カナリア」(2015/12/19-2016/4/3:800円)を見た。2016年3月13日に開催された「名古屋ウィメンズマラソン2016」に家族が出走するので、応援のため名古屋に一緒に行きました。開催の前日、3月12日に名古屋に到着して、受付を済ましたあと、昼飯を食べて、豊田市へ。毎度、名古屋に来ると購入している名古屋市営地下鉄と市バスの土日専用一日乗車券、ドニチエコきっぷ600円也を持って移動しました。
マラソン受付の最寄り駅はナゴヤドーム前矢田で、そこから名古屋市営名城線に乗って、八事駅で鶴舞線に乗り換え豊田市に向かいます。豊田市駅は名鉄豊田線なので、鶴舞線から豊田線に乗り入れているわけです。そんなに本数は多くありませんので、注意しましょう。
豊田市美術館は、谷口吉生による設計で、とても美しい美術館。その上、広々としてゆったりと作品を鑑賞できる。市立や区立の美術館では、日本で見る限り、最大規模じゃないかと思います。コレクションについては「国内外の近代および現代美術を展望する」ことを主眼としてます。
外観は下のようになります。まあ、どの方角から近づくかでかなり違って見えます。七州城の遺構を見ながら入って、1階の入口に向かう場合は、下の写真のようになります。円形の噴水があって、その先に1階の入口があります(高解像度版はこちら)。
上の写真の左側へ上がっていくと人口の池があり、池越しに建物を見ることもできる(高解像度版はこちら)。
豊田市美術館に来たのは4回目。最近だと2012年と2013年に来ている。どちらも、この時期です。2014年と2015年も名古屋に来ていたのだが、2014年はあまり気になる展示がなかったし、2015年はリニューアルの関係で豊田市美術館が閉館していて、来ておりませんでした。というわけで3年ぶりです。
リニューアルでどう変わったのか、ざっと見た感じでは分かりませんが、エレベータの増設や車いす用のスロープの新設などのバリアフリー化がメインのようです。授乳室も新設したらしいので、赤ちゃんのいる方々も安心ですね。でも保育室はない模様。
さて、展示の方ですが、まず開館20周年記念コレクション展「時と意識-日付絵画とコレクション」を拝見。日付絵画とあるのは河原温の代表作の一つ《Todyシリーズ》のことで、「当日のうちにその日の日付を描く」というもの。豊田市美術館には1カ月分あるとのことで、そのきわめてスタティックな日付絵画と、そのほかのコレクションを隣り合わせにして見せる、という企画です。高松次郎の《赤ん坊の影 No.122》、藤田嗣治の《自画像》、ジャコメッティの《ディエゴの胸像》なんかが展示されていた。この展示のリストがなかったことは、とても残念です。さらに写真撮影不可というのも意外でした。以前はコレクション展についても撮影可だったのですが、ここでは許可されませんでした。豊田市美術館のサイトには「◎写真撮影 建造物や常設展示に限り撮影できます。ただし、館内ではフラッシュや三脚の使用はご遠慮ください。」とある。2012年と2013年に訪問したときはコレクション展も撮影できましたが、どうやらリニューアルにあたって、この辺の解釈が変わったらしい。考え直していただきたいところです。
企画展の「山口啓介|カナリア」ですが、想像以上のものでした。この展覧会のために描かれた大きな新作が8点並び、そのあとに、過去から現在までの代表作が並ぶ、という構成です。企画展示に入る前というか、無料のゾーンには「植物の宇宙-空間」というタイトルの作品が壁を覆うように、配置されてます。この作品はドライフラワーを樹脂とともにカセットケースに封入した「カセットプラント」を大量に作成して、壁面に並べた作品です。近くに寄って見ると下のようになります(高解像度版はこちら)。
上のようなカセットプラントを並べると、下のような展示になります(高解像度版は上がこちら、下がこちら)。
ちなみに上が常設スペースにあって、下の写真は展示スペースにあったもの。この大量にあるカセットプラントは「豊田市美術館の休館中に、1年以上にわたり実施したワークショップの成果」とのことで、「50カ所におよぶ会場で延べ3000人以上の参加者が作った40000個」のカセットプラントを使っているそうです。なかなか壮観。
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