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2016.05.02

東京ステーションギャラリーで「川端康成コレクション 伝統とモダニズム」を見る

Img_1364東京ステーションギャラリーで「川端康成コレクション 伝統とモダニズム」(2016/4/23-6/19:1000円)を見た。東京ステーションギャラリーの前を通ったときに、右の写真がギャラリーの入口の横に大きく飾られているのを見て、つい気になってしまった。右の写真は林忠彦が撮影した「ロダン《女の手》を見る川端康成」。左手前にあるのがロダンの《女の手》で、それを食い入るように見つめている和服の男が川端康成だ。林忠彦は昭和の文士を撮影した写真で有名な写真家です。

康成とロダンのブロンズの写真は以前にも見たことはあったのだけど、川端康成が「縄文時代の土偶や古墳時代の埴輪にはじまり、浦上玉堂の《凍雲篩雪図》(国宝)や、池大雅と与謝蕪村が競作した《十便十宜図》(国宝)などをはじめとする近世絵画、黒田辰秋や加藤唐九郎などの工芸品」をコレクションしているとは知りませんでした。

浦上玉堂や、池大雅、与謝蕪村といった近代絵画のコレクションと聞くと、さもありなん、と思うのだけど、これと、冒頭のロダンのブロンズ《女の手》があまりつながらない――と思って、見てみる気になりました。

ちょっと驚かされたのは、コレクションのなかに草間彌生の初期の作品があること。図録によると1955年に銀座の求龍堂画廊で、ニューヨークに旅立つ前の草間彌生の作品を見て、即、購入したらしい。草間彌生は今や海外でも評価の高い美術家ではあるが、その当時は無名の若手の一人だった。川端康成は純粋に絵が気に入って購入したらしい。川端康成の美術に対するダイナミックレンジはかなり広く、このほかにシュールレアリストの古賀春江の作品もあるし、東山魁夷の作品もある。コレクションに脈絡がない、という見方もあるかもしれないが、どの作品も面白い作品だし、作品の入手方法も、そのアーティストと親しくなってもらったり、アーティストに交渉して、結局、断られるのだけど、後でノーベル賞受賞のお祝いとしてもらったりしている。その辺の入手の仕方も、作品なりアーティストなりが好きになり、入手したといった純粋な感じで、うらやましいです。

この展示では、コレクションのほかに、有名作家とやり取りした手紙とか、作品を書くために集めた資料が公開されています。興味深いのは、浅草の見世物小屋のチラシで「熊娘」とか「蛙小僧」なんて文字が躍っていること。川端康成の作品に「浅草紅団」があって、その資料らしい。「畸形児 大集合」といった、今では絶対不可能な、フリークス感あふれるチラシもあって、「浅草紅団」を読みたくなってます。

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