練馬区立美術館で「しりあがり寿の現代美術 回・転・展」を見る
練馬区立美術館で「しりあがり寿の現代美術 回・転・展」(800円:2016/7/3-9/4)を見た。しりあがり寿さんは美大出身の漫画家。代表作は「エレキな春」か「真夜中の弥次さん喜多さん」、「弥次喜多 in DEEP」あたりなんだろう。だから原画展とか、そういう方向かと思ったら、ちょっと違いました。タイトルにあるように現代美術でした。そしてテーマは回転。例えばやかんはそのままならアートじゃないけど、回転させると、アートになる、ということらしい。
2014年に箱根の彫刻の森美術館で開催された「ミーツ・アート 森の玉手箱」という展示で、しりあがりさんの回転するだるまを見たんだけど、そのタイトルは「回転体は行進するダルマの夢を視る」というものでした(そのときの記事はこちら)。どうもその延長線にあるらしい。
カタログのある椹木野衣さんの解説では、回転させることで、アートとするのは、クリストや赤瀬川源平さんの梱包芸術の延長線上にあり、マルセル・デュシャンの《ロトレリーフ》に近いとされていて、かなり納得してしまった。まあ、そういう視点で見ると面白い。
練馬区立美術館は展示スペースが1階と2階に分かれている。下の写真は1階の入口。
1階は、原画と巨大な墨絵。
2階はまず、アニメ、「ゆるめ~しょん」。ゆるいアニメです。
そこを抜けると回転の世界に。やかんも回るけど、勝海舟も西郷隆盛も回る。当然だるまも回る。
日常にあるモノ、すべてが回るのは、量的にちょっと壮観。
このあと、謎の映画「回転道場」が上映されてます。なんと緒川たまきが出演してます。白髪、白髭、白眉毛のしりあがりさんが主役の老師、回転道を究めんとする老師といったところ。弟子達が回転するものを恐る恐る出すと、こんなもん回転ではない、って感じでひっくり返して、道場を飛び出る。
そこに緒川たまきが登場して、老師と話しながら庭を歩き、そこで回転する若芽を発見。みたいなのが、ループしながら上映されてます。
カタログは下の表紙の「しりあがり寿の現代美術 回・転・界」(求龍堂:2300円+税)。描き下ろしのマンガが34ページも入っていて、ファンとしてはお得です。
ちなみに、この展覧会は、練馬美術館のあと、刈谷市美術館(2016/9/17-11/6)と伊丹市立美術館(2017/1/14-3/5)に巡回するそうです。
| 固定リンク
« 2016/8/1-8/5の気になったニュース:カシオの180度全天周デジカメなど | トップページ | 銀座のポーラ ミュージアム アネックスで「ウルトラ植物博覧会2016 西畠清順と愉快な植物たち」を見る »
「art」カテゴリの記事
- 上野の森美術館で「VOCA展2018 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」を見る(2018.04.08)
- 国立新美術館で「シェル美術賞展2017」を見る(2018.02.12)
- 名古屋市美術館で「真島直子 地ごく楽」を見る(2018.03.22)
- 東京オペラシティで「谷川俊太郎展」を見る(2018.03.15)
- 大阪市立美術館で「再発見!大阪の至宝」を見る(2013.12.01)
コメント