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2016.09.25

東京都写真美術館で「杉本博司 ロスト・ヒューマン」を見る

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恵比寿の東京都写真美術館で「杉本博司 ロスト・ヒューマン」(2016/9/3-11/13:1000円)を見た。写真美術館は2年ほど、リニューアルのため閉館していたけど、9月3日から再オープンとなりました。そのリニューアルを飾るが「杉本博司 ロスト・ヒューマン」。そして、写真美術館は今年で開館20周年となる。「杉本博司 ロスト・ヒューマン」にはその記念ということもあるそうです。

2年かけてリニューアルしただけのことはあって、建物内もそこそこ変わった。エレベーターが1機から2機に増えたし、2階から3階への階段が1つになった。以前、2階のカウンターと3階への階段があったあたりには、ミュージアムショップが配置され、以前、ミュージアムショップのあった1階はカフェのスペースが広くなったように見える。そして略称はSYABI(写美)からTOP MUSEUMに変わった。これは、あまりぴんとこない。英語名称のTokyo Photographic Art Museumから抜き出したらしいけど、なんだかよく分からないものになってます。個人的には定着しないな。

さてリニューアルを飾る「ロスト・ヒューマン」ですが、「今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない」「廃墟劇場」「仏の海」の3部構成です。まあ、めでたい開館20周年記念が終末を扱う、というのはなかなかおつなモノだと思います。

「今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない」は「今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない」で始まる世界の終わりについてのモノローグ形式のシナリオが33個、用意され、それに合わせた、杉本さんの蒐集したモノや作品が展示される、というもの。会場は古びたトタン板で区切られていて、全体に廃墟感が漂ってます。

各モノローグは、そのモノローグをつぶやく人物の職業や立場を明示して、始まる。例えば「理想主義者」「比較宗教学者」「養蜂家」といった具合。「比較宗教学者」は「今日、世界は死んだ。もしかすると昨日かもしれない。地球に近づく大隕石の軌道が計算され、3年後に99パーセントの確率で地球に衝突することが報告された。人々は世界の終末を確信し、宗教が大復活を遂げた。しかし一神教と多神教が対立し…」といった感じで、進む。比較宗教学者のパートには「最後の晩餐」を蝋人形で構成したものを杉本さんが撮影した作品が置かれている。そして、この作品は、終末を象徴するにふさわしく、ボロボロになっている。2012年10月にニューヨークをおそったハリケーン・サンディーのおかげで、杉本作品を保存していた倉庫が水没して、作品のかなりの部分が溶解してしまったらしい。結果オーライという感じですが、古色の付いた作品となり、終末らしい味わいとなった。

さらに凝ったことに、各モノローグは紙に肉筆で書かれて展示されている。実際に誰が書いたかというリストは入場時に渡される。最初はなんのリストなのか、分からなかったけど、見ていくうちに、そういうことか、と気がつくことになる。ちなみに「理想主義者」は浅田彰氏で「比較宗教学者」は須田悦弘氏といった感じです。なかなかのキャスティングだと思います。

「廃墟劇場」は劇場シリーズの新作。劇場シリーズは8×10のカメラのシャッターを開放にして、映画1本分露光させた作品です。「廃墟劇場」では廃墟となった映画館を探しだし、そこで、杉本氏自選の映画を上映して、撮影するというもの。ホワイトアウトしたスクリーンの周りは、確かに廃墟で、8件も見つけてきたことに感心してしまう。ちなみに各作品ごとに何を上映したかが明示されていて、それぞれの映画のサマリーが展示されているのですが、そのサマリーが面白かった。

「仏の海」は三十三間堂の千手観音を撮影したもの。図録の解説によると、「今日 世界は死んだ…」のシナリオが33個あるのは、この三十三間堂に由来する、とのこと。33通りの終末を33の千手観音で救った、ということになるらしい。


まあ、1000円でこれだけ拝見できるなら、安いモノでしょう。図録は2500円で、かがり綴じ製本で、見やすいです。表紙の裏表はは以下のようになってます。表が廃墟劇場で、裏はタイトルが刻印されてます。

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ちなみに、初日にいったのでサイン本を購入しました。

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2016.09.19

神奈川県立近代美術館 葉山で「クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム―」を見る

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神奈川県立近代美術館 葉山で「クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム―」(2016/7/23-10/10:1300円)を見た。20年くらい前にクエイ兄弟の「ストリート・オブ・クロコダイル」という映像作品を見たことがあって、その独特な世界観が印象的でした。ユーモアを減らして、不気味さを増やしたモンティパイソンというか、カフカ的な映像というか…。小さな人形とそれに合わせて作り込んだ背景、部屋のようなものを使って、コマ撮りで作成した短編映画です。

今回はその映像作品と映像を作成するときに使用した人形やその背景となるモノ(セットとでも言うんでしょう)を箱のなかに収めて一緒に展示してます。この箱、デコールと呼ばれてましたが、これがなかなかな美術品で、映像を鑑賞した後に見ると、このセットで撮影したんだ、っていう面白さがあります。そして小さくて、とても精密に作られているのが印象的です。この見せ方、いいですね。

セットは撮影できないけど、《鹿/デコール(中央部)「粉末化した鹿の精液」の匂いを嗅いでください》という、冗談にしか見えない作品は撮影OKでした。この作品は公開制作されたそうで、そのときの映像はYouTubeで公開されてます

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映像はYouTubeでもいくつか見ることができます。一方、デコールのデータはネットにはあまりないので、カタログを購入しました。カタログは市販されてますので、本屋で購入できjます。「クエイ兄弟 —ファントム・ミュージアム—」( 求龍堂、3000円+税)。クエイ兄弟の作品データベースのようになっていて、網羅的に掲載してます。そういう意味では、なかなか役立つ本です。


神奈川県立近代美術館 葉山に来たのは2回目。今回は京急で新逗子まで来て、そこからバスで移動しました。乗客は、ほぼ海水浴客で、美術館最寄りのバス停でおりたのは私だけでした。かなり空いていて、じっくり拝見できました。ちなみに美術館の向かい側は、山でそこそこ高い。

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美術館の中庭のパブリックスペースには、鎌倉館(2016年3月閉館)にあったイサム・ノグチ《こけし》が置かれていました。

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2016.09.11

2016/9/5-9/9の気になったニュース:オンキヨーとAppleのワイヤレスヘッドホン

オンキヨー&パイオニアイノベーションズ、インナーイヤーヘッドホン「E900M」など発売
http://www.jp.onkyo.com/news/newproducts/headphones/w800bt_e900m/w800bt_e900m.pdf

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「オンキヨー&パイオニアイノベーションズは、ハイレゾ音源対応・ハイブリッド方式インナーイヤーヘッドホン「E900M」と革新的な完全フルワイヤレス構造である Bluetooth®インナーイヤーヘッドホン「W800BT」を発売します」とのこと。気になるのはW800BT。ケーブルが本当にない。心配なのは片一方が紛失することかな。「最大 3 時間の音楽再生・電話通話が可能で、専用の付属充電ケースを使用することで、イヤホン本体に 5 回フルチャージが可能です」とのこと。2段階か。お値段はヨドバシで3万2180円。2016年10月発売とのこと。

アップル、AirPodsによってワイヤレスヘッドフォンを再発明
http://www.apple.com/jp/pr/library/2016/09/07Apple-Reinvents-the-Wireless-Headphone-with-AirPods.html

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アップルのAirPods(エアポッズ)もケーブルなしで、コンセプトはほぼ同じ。ケースで充電する。「AirPodsは1度充電すれば最大5時間、音楽を楽しむことができます。カスタム設計の充電ケースを通じて、AirPodsをさらに追加で充電することもでき、合計で24時間以上再生可能」とのこと。お値段は1万6800円。

キングジム、クリアーファイル「フォーマット」を発売
http://www.kingjim.co.jp/news/release/detail/_id_21101

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「クリアーファイル「フォーマット」は、ビジネスシーンにマッチする落ち着いた色のクリアーファイルです。シンプルなデザインの表紙は、透明タイプと不透明タイプの2タイプを用意。透明タイプは中の書類が透けすぎない深い色合いです」とのこと。「ポケットは蛍光灯などの光の反射を抑えて収納した書類が読みやすい「超低反射ポケット」を採用しています。また、ファイリングしたまま書類をスマートフォンで撮影すると、書類の端を自動で認識してきれいにデジタル化できる専用アプリ「ショットドックス」に対応しています。」


凸版印刷、東京国立博物館とヘッドマウントディスプレーを用いたパーソナル体験を融合
http://www.toppan.co.jp/news/2016/09/newsrelease160905.html

「東京国立博物館と凸版印刷は、300インチ大スクリーンでの高精細4K-VRライブ上演による多人数鑑賞体験と、ヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)によるパーソナル鑑賞体験を融合した、文化財の新しい鑑賞手法を開発しました」とのこと。東京国立博物館の東洋館の地下には凸版の運営している「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」があるんだけど、そこでVRを使うらしい。重要文化財「色絵月梅図茶壺」を解説するもので、タイトルは『仁清が作った茶壺』。見に行きます。


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2016.09.07

東京都美術館で 開館90周年記念展 「木々との対話──再生をめぐる5つの風景」を見る

東京都美術館で 開館90周年記念展 「木々との対話──再生をめぐる5つの風景」(2016/7/26~10/2:800円)を見た。分かりにくいけど、木彫や木を素材に使った作品をテーマにしたもの。「5つの風景」としているのは、5人の作家の作品を展示しているからなんでしょう。5人とは國安孝昌、須田悦弘、田窪恭治、土屋仁応、舟越桂。5人の作風がまったく違うので、かなり楽しめます。須田悦弘、田窪恭治、舟越桂の作品は何度か見たことがあって、どれも好きなんですが、國安孝昌と土屋仁応の作品もなかなかよかったです。これで800円なら、安いという感じ。ちなみに9月22日まで開催しているポンピドゥー・センター展の半券があると300円引きです。さらに、ちなみに舟越桂の作品以外は撮影OKでした。

場所は東京都美術館のギャラリーA/B/Cと一部、無料で入れるスペースにも展示されていました。このギャラリーA/B/CのうちAとBは地下3階にあり、Aは地下1階(ロビー階と呼んでいる)まで吹き抜けになっている巨大なスペースでBはその横にあるけど吹き抜けにはなっていない。そしてCは地下2階にあり、部分的に吹き抜けになっている。

Aには國安の巨大な作品が置いてある。タイトルは《CHI VA PIANO VA LONTANO 2016》。長さ2mの杉の丸太を使って、ぐるぐると積み上げた空間です。迫力あります。

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もう一つ、Aには白い壁で囲われた場所があって、その奥には須田悦弘の《バラ》が置かれています。細長く囲われた場所の一番奥に作品を配置する、というのは須田作品でよく使う展示方法です。展示空間に入っていくところから、作品が始まっているわけで、作品に徐々に近づいて見るというのが面白い。

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須田の作品は、1階のアートラウンジと美術情報室にもある。下の写真はアートラウンジにある《朝顔》。美術情報室の作品は露草ですが、残念ながら撮影はできません。

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ギャラリーCには田窪恭治と土屋仁応の作品が配置されてます。木材、金属を含む廃材を使った作品です。下は《イノコズチ》。

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このほか田窪作品として、美術館の裏手敷地にある大イチョウを使ったインスタレーション《感覚細胞―2016・イチョウ》というのもあって、興味深い。この大イチョウは東京大空襲で被災して焼け残った木で、木の内部に焼け跡が残っているらしい。この作品では、大イチョウの周りをにぶいオレンジ色をしたタイル状の鋳鉄で囲うように配置したもの。

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鋳鉄のタイルは《CORQ》と呼ばれています。これも田窪作品のようです。これを1万枚、下の写真のように設置している。

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土屋仁応の作品は、鹿とか龍とか、動物と幻獣を木彫で表したもの。可愛い。

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最後に舟越桂。6点の彫像と10点のデッサンが展示されてます。《海にとどく手》という2016年作成の作品もあります。

各作品の面白さも楽しめますが、木を使った作品で、ここまで幅があるのかと、驚かされます。そちらの驚きが新鮮でした。

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2016.09.05

2016/8/29-9/2の気になったニュース:ソフトバンク、「Pokemon GO」の米社と契約締結など

ソフトバンク、スマホ向けゲームアプリ「Pokemon GO」の米社とパートナーシップ契約を締結
http://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2016/20160901_03/

Poke

「ソフトバンクは、スマートフォン向けゲームアプリケーション『Pokémon GO(ポケモン ゴー)』において、Niantic,およびポケモンとパートナーシップ契約を締結しました。これにより、全国約3,700店舗のソフトバンクショップとワイモバイルショップが、『Pokémon GO』のゲーム内で「ポケストップ」または「ジム」として2016年9月以降に登場します」とのこと。ただし、まだ、どの店舗がいつ対応するかは不明です。「お客さま向け特設サイトで今後、各種ご案内をしていきます」としてますが、9月4日時点では情報なしです。

ソフトバンク、「携帯・スマホ等を活用した遭難者の位置特定に関する調査検討の請負」事業を受託
http://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2016/20160901_04/

「遭難者位置特定に関しては、携帯電話やスマートフォンに搭載されているGPSが有効であり、携帯電話の通信が確保できていればその位置情報を取得することができます。しかし、遭難場所がサービスエリア外の場合や携帯電話が雪の中に深く埋もれた状況などでは通信を確保できません。そこで、迅速に遭難者の携帯電話との通信を確保し、位置特定をする手段として、当社が開発した係留気球無線中継システムなどの「臨時無線中継システム」の利用が有効だと考えられます」とのこと。

「2017年3月までにスキー場や警察・消防などの捜索救助機関と連携して、携帯電話などが雪の中に埋もれた状況において、積雪などがGPSの受信や携帯電話などの通信に及ぼす影響などについて、技術的検証を交えた調査を行います。この調査結果をもとに、サービスエリア外や携帯電話が雪の中に深く埋もれた状況における有効な捜索ソリューションの一つとして係留気球無線中継システムを活用した遭難者の位置特定方法を提案する予定です」。

セコム、3次元立体地図による「セコム3Dセキュリティプランニング」を販売開始
http://www.secom.co.jp/corporate/release/2016/nr_20160831.html

「セコムは、高精度な3次元立体地図によるセキュリティプランニングシステム「セコム3Dセキュリティプランニング」を開発し、9月から本格的に販売を開始します。これに先立ち、三重県警察本部が、2016年5月26日~27日に開催された伊勢志摩サミットにおいて、警備計画立案に同システムを活用し、その有効性が実証されました」とのこと。「このシステムは、基盤技術の研究を行うセコムIS研究所が取り組むBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)技術と、セコムグループの航空測量最大手のパスコの空間情報技術を活用し、融合して開発したものです」。2020年向けらしいです。

Secom

ニフティ、電力サービス「@niftyでんき」を提供開始
http://www.nifty.co.jp/cs/newsrelease/detail/160826004569/1.htm

「ニフティは、本日8月30日(火)、@nifty接続会員向けの電力サービス「@niftyでんき powered by eREX Spark Marketing」(以下「@niftyでんき」)の提供を開始し、電話窓口とサービスページにて申し込みを受け付けます。
さらに、提供開始に合わせ、9月末までにお申し込みが完了し、かつ、10月末までに供給開始日が決まった方の中から抽選で100名様に、「@niftyでんき」オリジナルのスマートフォン用モバイルバッテリーが当たるキャンペーンを実施します」とのこと。ネットと電気とスマホで年間11592円お得らしい。


凸版印刷、家具一体型サイネージ開発
~「コミュニケーションテーブル」、三菱地所ホーム「瀬田ホームギャラリー」で採用~

http://www.toppan.co.jp/news/2016/08/newsrelease160829.html

Toppan

「凸版印刷は、双方向のデジタルサイネージ技術を高級家具調テーブルに組み込んだ一体型サイネージ「コミュニケーションテーブル」の本格的販売を、2016年9月より開始します」とのこと。「静電式フラットガラスのタッチパネルディスプレイを水平配置した、双方向のテーブル型サイネージです。タッチ方式は赤外線方式と静電方式の2種があり、静電方式では画面操作中に資料を広げたり、お茶を出したりすることも可能です」。お茶を出したりする、という意味が分かりにくい。まあいいか。30万円から、とのこと。

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