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2016.10.02

東京藝術大学大学美術館で「驚きの明治工藝」展を見る

Ph01

東京藝術大学大学美術館で「驚きの明治工藝」展(2016/9/7-10/30:1300円)を見た。明治時代の工芸品を集めた展示なんですが、あまり見たことのない作品が多いな、と思ったら、台湾の宋培安氏が26年かけて構築したコレクションとのこと。カタログによると宋培安氏は「漢方の薬剤師で、健康食品の販売や生命科学の講座を開設しています」とのこと。

展示は自在置物から始まります。3mはある自在龍が入口にぶら下がってお出迎えしてくれます。自在置物は最近、わりと見ることが多くなりましたが、この大きさは初めてです。高瀬好山という方が京都の左京区岡崎にかまえた工房にいた宗義の作品です。甲冑の工房が、需要がなくなったことから、金工などの分野に転身したものだと思われます。龍のほかに、蛇、伊勢海老、蟹、鷹など、多種多様な作品がありました。ちなみに下の写真は鯱ですが、妙に可愛い。

この展覧会、ありがたいことに撮影OKでしたので、気になった作品を載せておきます。

Ph02

最もよく分からなかったのが、金沢を拠点としていた山田宗美の作品。下は「兎」です。鉄のかたまりなんだそうで、溶接は用いず、「一つの鉄塊から鍛金でつくる」らしい。炭素量の少ない“超柔鉄”を使っているらしいが、未だに再現できない、とのこと。

Ph089

木彫もいろいろありました。下は宮本理三郎の「柄杓蛙」。精密です。


Ph03

大島如雲の狸の置物。展示では、裏側も見えるように、鏡が置いてありました。こちらも妙に愛嬌がある。

Ph08

こちらは「天鵞絨友禅」。ビロードです。白いビロードに図案を染めたものらしい。

Ph07

いずれも、失われてしまった技術で、新たに作品が登場するものはないようで、ちょっと悲しい。なかには、自在置物のように継承されているものもあるようですが、いずれも明治・大正で消滅して、現代の日本人が知らないもので、作家のなかには、よく分からない方もいるようです。埋もれてしまったわけですね。

カタログは市販の書籍で「驚きの明治工藝 」(美術出版社、2037円+税)です。

展覧会は今後、以下を巡回する予定だそうです。
細見美術館(京都) 2016/11/12-12/25
川越市立美術館 2017/4/22-6/11


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