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2016.12.16

埼玉県立近代美術館で「日本におけるキュビスム−ピカソ・インパクト」を見る

Cubism1


北浦和の埼玉県立近代美術館で「日本におけるキュビスム−ピカソ・インパクト」(2016/11/23-2017/1/29:1100円)を見た。キュビスムは20世紀初頭にパブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって創出された美術運動だが、1910年代から日本に伝わって、日本の画家たちが実験的に取り組んだ。でも、取り組んだけど、定着はしなかった。ところが1950年代に、再度、復活する。引き金になったのは、ピカソの展覧会。これが、展覧会のタイトルにもある「ピカソ・インパクト」という展覧会です。曰く「この展覧会はキュビスムが二度にわたって、別々の文脈で日本の作家たちに受容されたという仮説に基づいて組み立てられています。世界的にみてもきわめて異例なこのような状況を、ピカソとブラックの作品、そしてそれらに触発された日本の作家たちの作品、約160点によってふりかえります」とのこと。

というわけで、第1部が大正期のキュビスム、途中にピカソとブラックの作品があって、そのあとに続く第2部が1950年代、ピカソの展覧会に誘発された作品群となる。

第1部も第2部も、この人がキュビスム? という驚きを味わうことができます。第1部で展示してあった東郷青児、萬鉄五郎のキュビスム作品は見たことがあるのだけど、シュルレアリズムの作家だろう思っていた古賀春江や詩人の尾形亀之助がキュビスム作品を描いていたのは驚きました。第2部では松本俊介の作品が意外でした。

いろんな作家がキュビスムを実践した作品を描いているのだけど、ずっとキュビスムを描ききる作家は、坂田一男ぐらいらしい。フォービズムは受け入れられたのに対しキュビスムは日本では受け入れにくかった、ということらしい。図録に掲載された美術評論家の天野一夫氏による解説では「フォーヴィスムが激しいブラッシュワークと原色の駆使という、表出的な文人画的感性と結びついて拡がったのに比べて、キュビスムとは、幾何学的な造形原理を基調とするあくまでも分析的は造形的スタンスであるとするならば、この国での本質的な受容は困難なものだろう」としている。描く対象を幾何学的に分割し、再構成するのは、結構、難しいし、描かれた作品を見ても、何が描かれているかを理解するのは面倒なところもある。一方で、描く側としては、一度は試してみたいのだろう。そこで、こういった、つまみ食い的な作品が、でもかなり味わいのある作品が存在するのだろう。

なかなか面白い展示でした。この展示、鳥取県立博物館を皮切りに埼玉県立近代美術館、高知県立美術館(2017 /2/12-3/26)を巡回するとのことです。

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