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2017.01.25

国立新美術館で「シェル美術賞展2016」を見る

国立新美術館で「シェル美術賞展2016」(2016/12/7-12/19:400円)を見た。2014年の受賞作品から見ている。3年連続ということになる(2015年の受賞作品についてはこちら)。去年もそうだけど、「 DOMANI・明日展」の半券を見せると無料で入場できるので、毎年、見ているんでしょう。

DOMANI・明日展は若手とはいっても、ある程度、実績を積んだ方々の作品が展示されているのに対し、シェル美術賞は40才以下の、ほぼ無名に近い若手なので、実際、初めてみる作品ばかりで新鮮です。そのうえ、現代絵画の傾向みたいなものが見えてくるような気がするのも面白い。そして、作品は撮影可というのもいいですね。印象に残った作品は写真に撮っておけるので、こういう文章を書くときに便利です。

印象に残ったのはなぜか、版画でした。まずチョン ダウンの「フォーエバーマイフォーク」。エッチングです。この続きが見たくなる。

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もう一つは、所 彰宏の「見えないことで見えること」。青いのが妙に気になって、なんだろうかと思ったら、説明にサイアノタイプとありました。日光写真です。日光写真の場合、感光した部分が青くなる。この作品の場合はガラスとかアクリル板とかに絵を描いて、そこから日光写真にしたのだろうか?

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2017.01.22

国立新美術館で「19th DOMANI・明日展」を見る

国立新美術館で「19th DOMANI・明日展」(2016/12/10-2017/2/5;1000円)を見た。主催は文化庁。文化庁が海外に派遣した若手美術家の作品を展示している。以下プレスリリースから引用すると

文化庁は、将来の日本の芸術界を支える人材の育成のため、若手芸術家等が海外の大学や芸術関係機関等で行う研修を支援する「新進芸術家海外研修制度(旧・芸術家在外研修)」を 1967 年度から実施しており、まもなく半世紀を迎えようとしています。また、そうした研修の成果発表の機会として 1998 年から「ドマーニ・明日展」を開始し、今年度で第 19 回目を迎えます。

としている。

若手の美術家の作品をある程度まとめて拝見できるので、5年連続で、見に来てます。作品のタイプも、インスタレーション的なモノから、ビデオ、版画、油絵、日本画、写真、彫刻などなど、多岐にわたるので見ていてあきない。あと、この展示の特徴はほぼ撮影がOKなところ。というわけで、写真をまじえながら、メモっておきます。

今回jのテーマについては、「「reconsidering Japan」をゆるやかなテーマに、「2020」を目前にあらためて日本を考える機会とします」とのこと。全体を見た印象ですが、ゆるやか過ぎてテーマの意味がよく分からない、というか、無理にテーマを付けなくてもいいんじゃないの、という感じもする。

でまあ、印象に残った作品&作家ですが、まず秋吉風人。透明なアクリル板に透明感のある油絵具を塗った作品。色の付いた三角定規を重ねたような作品で色の濃淡とかが美しい。

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平川祐樹の作品はビデオインスタレーション。暗い部屋の中で天井を見上げると、木立の先に夜空が見える映像が投影されていて、その下を見ると木の根の切り口が写った映像が映し出されている。しんとした静かな感じ。

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松井えり菜の作品は何度か見たことがあるけど、変な自画像の人という印象でした。まあ、そのまま、なんだけど立体も作成していて、そこでも自分をデフォルメしているのは、ちょっと感動した。

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保科晶子の作品は陶器なんだけど、子供の服を粘土で作成している。焼き物なのに、布な感じがする。触ってみたい。

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金子富之の作品は東南アジアの宗教をテーマにしている。ヒンドゥー教だそうだ。荒々しい神々という感じ。、

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池内晶子の作品は絹糸を使っている。絹糸で作られた大きなオブジェ。赤い絹糸を結んでつるしたものが、こういう風に見えるのか、という一種の感動がある。

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2017.01.15

神奈川県民ホールギャラリーで「5Rooms - 感覚を開く5つの個展」を見る

神奈川県民ホールギャラリーで「5Rooms - 感覚を開く5つの個展」(2016/12/19-2017/1/21;700円)を見た。神奈川県民ホールギャラリーの5つの部屋を使い、1部屋1作家で計5人の作品を見せるという展示です。参加する作家は陶芸の出和 絵理、漆を使った作品を手がける染谷 聡、写真家の齋藤 陽道、シルクスクリーンの技法を駆使した抽象作品を手がける小野 耕石、廃材を素材にしたインスタレーションを仕掛ける丸山 純子。私が見たことがあるのは、写真家の齋藤陽道ぐらいでしたが、齋藤陽道の作品が拝見できるならいいか、という感じで神奈川県民ホールギャラリーに行ってみました。場所はみなとみらい線の日本大通り駅と元町中華街駅の中間より少し日本大通り駅寄り、といったところ。ちなみ神奈川県民ホールギャラリーを訪れるのは、昨年、鴻池朋子展「根源的暴力」を見に行って以来だから1年ぶりです。

最初の部屋が、陶芸の出和 絵理 の作品で下の写真のようなシンプルな展示。

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ぱっと見たところ、紙かなと思ったのですが、白い磁器とのこと。近寄ってみたのが下の写真。

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上からの白色の照明がかっこいいです。

次が、染谷 聡の漆を使った作品。その辺に落ちている小枝とか木片、石などを漆でつなげ合わせて装飾した作品。

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3番目の部屋が小野 耕石の作品。暗い部屋の中で作品にスポットライトをあてた演出です。

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作品はシルクスクリーンで100回ほどインクを刷り重ねたもの。100回刷り重ねると数mmのインクの柱を形成する。上から見ると下のようになる。抽象画に見えますが、シルクスクリーンです。

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拡大すると分かるけど、ドットの集合体なのです。

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ちなみに、立体物にこの色の柱を並べた作品もありました。動物の頭蓋骨を装飾してます。

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4番目が齋藤 陽道の作品。3面ある画面に写真を投影してます。途中から次のスライドと重ね合わせて投影するので、かなり不思議な映像が現れます。

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最後が丸山 純子の作品ですが、部屋は一番広く、天井が高い。

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廃油石けんや廃木材などを用いたインスタレーション、とのこと。難破船という感じです。

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2017.01.11

2016/12/26-2017/1/6の気になったニュース:麦芽100%で糖質50%オフの生ビールなど

アサヒビール、日本初!麦芽100%で糖質50%オフの生ビールにクオリティアップ!『アサヒ ザ・ドリーム』

http://www.asahibeer.co.jp/news/2017/0106_1.html

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「アサヒビールは、クオリティアップした『アサヒ ザ・ドリーム』を、2017年2月7日(火)より全国で新発売します」とのこと。「“糖質50%オフ”と“アルコール5%”の基本設計はそのままに、原材料を麦芽とホップのみとすることで、お客様が期待する本格的な生ビールとしての味わいをさらに高めました。麦芽100%の生ビールで糖質50%オフを実現するのは日本初となります」。とりあえず飲んでみたい。


ローランド、手のひらサイズのスマホ用オーディオ・ミキサー「GO:MIXER」を発売
https://www.roland.com/jp/news/0727/

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「ローランドは、スマートフォンで楽器演奏ビデオを撮影する際、演奏音と動画を高音質で手軽に同時収録できる小型オーディオ・ミキサー『GO:MIXER(ゴーミキサー)』を、2017年3月に発売します」とのこと。「マイクやギター、キーボード、音楽プレーヤーなど5つまで同時に接続し音量調節するだけで、高音質で簡単に録音することができます。ボーカルの自撮り録画などに便利なセンター・キャンセル機能も備えており、音楽プレーヤーで曲を再生しながらボーカルパートを消音してカラオケ感覚で歌の動画を収録できます」。値段は不明。


リコー、24時間連続稼動が可能な全天球ライブストリーミングカメラを開発
http://jp.ricoh.com/release/2017/0105_1.html?_ga=1.47556516.282855699.1461207537

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CESで公開したらしい。「リコーは、24時間連続で360°の全天球ライブストリーミングが可能となるカメラ「RICOH R Development Kit」を開発し、2017年春に出荷開始を予定しております」とのこと。「2K解像度で30fps(フレーム/秒)の全天球ライブストリーミングを可能」。

日本信号、近鉄で「昇降式ホームドア」を試験設置
http://www.signal.co.jp/spdf/222.pdf

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「日本信号が開発した「昇降式ホームドア」は、水平に複数配置したワイヤーロープを上下させる方式にすることで、広い乗車口を確保したものです」とのこと。巨大なカーテンのようなものらしい。「これまで問題となっていたドア数の異なる車両が乗り入れている駅でも設置できる」だけでなく、「扉配置や扉の数に配慮した開発を行うとともに、総重量を従来型ホームドアの半分以下(当社比)に抑えることで、設置コストの低減を実現しています」。ホームの大きな改造が必要ない、というのはいいことでしょう。

ウェザーニューズ、2016年の北極海の海氷に関する振り返りを発表
https://jp.weathernews.com/news/15127/

「冬季の海氷域面積は過去最小、夏季は過去2番目の小ささ」とのこと。地球温暖化は進んでいる。

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2017.01.09

東京国立近代美術館で「瑛九1935-1937 闇の中で『レアル』をさがす」を見る

竹橋の近代美術館で「瑛九1935-1937 闇の中で『レアル』をさがす」(2016/11/22-2017/2/12、430円)を見た。瑛九というと、モノクロのコラージュと晩年に描いた点描作品が印象に残っている美術家です。ここではモノクロのコラージュ作品が登場する時期、それが1935~1937年、にスポットを当て、「苦闘するデビュー前後の瑛九の実像を紹介」する展示です。ちなみに企画展の山田正亮展を見た後に、拝見しました。常設展示のなかにある特別展という感じで、料金は企画展を見た場合は無料になります。

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上の画像は、瑛九展のカタログの表紙です。ここにあるモノクロのコラージュが、瑛九の代表作品なんですが、今回の展示では、この作品の前に発表して自ら「フォト・デッサン」と名付けた、フォトグラム作品も展示されていて、そちらもなかなか面白い。マン・レイとかモホイ=ナジによるフォトグラム作品と、技法的には同じモノだけど、かなり複雑な作品になっている。

個人的に謎のママなのが、モノクロのコラージュと晩年に描いた点描作品の間になにがあったのか、というところですが、デビュー当時の3年間にスポットを当てているので、その答えはありませんでした。まあ、この3年の活動で、戦前の前衛美術に足跡を残し、1937年、26歳で、いったん活動停止したあと、次に登場するのは40歳になった戦後で、点描作品を描くのは死の3年前、1957年あたりからのようだ。この辺の謎も説いてほしいものです。

ちなみにカタログは1300円とお買い得でした。

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2017.01.04

東京国立近代美術館で「endless 山田正亮の絵画」を見る

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竹橋の東京国立近代美術館で「endless 山田正亮の絵画」(2016/12/6 - 2017/2/12:1000円)を見た。山田正亮(やまだ・まさあき)という画家について何も知らずに見に行った。展覧会のパンフレットに「画家が、いた」とあり「画家」には「かいぶつ」とルビが振られていたのが気になったからだと思う。

山田正亮は1929年に生まれ、2010年に亡くなった画家。美大出身でもなく、グループには属さず、いわゆる孤高の作家である。5000点に及ぶ大量の作品を描いているが、ほとんどが上の写真にあるような、矩形やストライプなど、直線的な図形をモチーフにした抽象画だ。ちなみに上の写真はアトリエの雰囲気を再現したモノで、ここは撮影可でした。

今回の展示では、静物画を描いた初期の作品から始まり、そこから抽象化と再構成が進んで、ストライプや矩形を描く中期の作品、晩年に描いた単色で塗り込められたように見える作品の3部構成になっている。初期の静物画は、モランディのように壺やコップなどを延々と描いているのだが、それが徐々に画面に並ぶ個数が増え、輪郭が単純化され、パターン化され、ついに抽象画になる、その変化の過程が見えてくるのが面白い。

中期以降の抽象画が見てつまらない絵なら、「デッサンの放棄」とか「塗り絵」とか批判されて、おそらくは世に残らないだろうが、山田の絵は違うように見える。図録に掲載された中林和雄氏による解説「山田正亮と絵画」では「デッサンの放棄」と「塗り絵」によってルールが明確になり、内容が充実していく、としている。「色彩の組み合わせの選択」だけでなく、「キャンバスの目の粗密の選択、画面サイズや形状の選択、下地の作り方…」などなど、細かな組み合わせで絵の印象が変わり、それぞれの作品が個性を持つように見える、としている。確かに飽きない。

というわけで、静物画の壺とかコップとかの形が溶けて、ストライプや矩形の抽象画になったあとも、十分に楽しめるのでした。ちなみに、今回の展示にあわせて、X線撮影などで、作品の分析も実施されている。図録には分析結果を修復家の斉藤敦氏が解説していて、キャンバスや木枠の作りから、下地に塗った絵具までが分かっている。この辺も合わせて見てみると面白い。

京都国立近代美術館に巡回するそうで、会期は2017/3/1-4/9とのこと。

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