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2017.04.02

東京ステーションギャラリーで「パロディ、二重の声 ――日本の一九七〇年代前後左右」を見る

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東京ステーションギャラリーで「パロディ、二重の声 ――日本の一九七〇年代前後左右」(2017/2/18-4/16:900円)を見た。「1960年代中頃から日本のアーティストが頻繁に実践し、70年代に入るとテレビや雑誌などを通じて社会的に流行した「パロディ」。ありとあらゆる文化がパロディに染まったこの現象は、モダンとポストモダンの隙間に開花した徒花(あだばな)であったのか? 日本語として定着し、それでいてなお不明瞭なこのパロディという技術または形式を、当時の視覚文化を通じて振り返ります」という趣旨の展覧会。上の巨大なポスターはギャラリーの入口にある、まあ、象徴的な作品と言うことでしょう。横尾忠則の「POPでTOPを!」。亀倉雄策による東京オリンピックのポスターをパロディしたもの。

まあ、改めて1970年代はパロディの時代だったのだな、と思い出させる展示でした。

でも、展示スペースに入ると、まず目に入るのはレオ・ヤマガタ(山縣旭)による大量にある「モナ・リザ」的な作品。「歴史上100人の巨匠が描くモナ・リザ」というシリーズ。こういう作品があるを初めて知ったのだけど、ほとんどが2016年の作品で、どうして1970年代と関係あるのか不明でしたが、作品は面白い。

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図録によると、作者のレオ・ヤマガタは1978年にPARCOとビックリハウスが主催した第2回JPC展(日本パロディ展)でパルコ賞を受賞した、ということで、特別出展した、としている。一応、1970年代に作家活動していたから、ということらしい。

東京ステーションギャラリーは3階と2階に展示スペースがあり、順路は3階までエレベーターで上がって、2階に階段でおりるようになっている。今回の展示では、ざっくりと3階が1960年代の現代美術系で、2階が1070年代の漫画や雑誌といった構成になっていた。1960年代に美術系のマイナーかつ過激なところから始まった“パロディ”作品が、1970年代には、大衆化が進み「ビックリハウス」などの雑誌が登場するにまでなった、といった感じ。

というわけで3階には赤瀬川源平、篠原有司男、吉村益信、横尾忠則などの作品が並んでいる。横尾忠則作品は撮影不可でしたが、ほかは撮影可でした。下の写真は陶芸家の八木一夫の作品「ニュートンの耳」と、後ろにあるのが鈴木慶則の「非在のタブロー 梱包されたオダリスク」。

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こちらは吉村益信の「豚:PigLib」。よくわかりませんが、1994年の作品。図録の解説によると「フランスのグラフィックデザイナー、レイモン・サヴィニャックによるハム缶詰ポスター(1930)のパロディ」らしい。作品タイトルはウーマン・リブのもじりらしい。

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ちなみにレイモン・サヴィニャックによるハム缶詰ポスターは下の作品。

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一方、2階ではビックリハウスの表紙が並んでいたり、河北秀也による営団地下鉄のマナーポスターなどが並んでいました。


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展示の最後では、伊丹十三が制作したテレビ番組「伊丹十三のアートレポート」から「質屋にて」を上映してました。これは初めてみましたが、1976年の作品ということで、伊丹十三43才の作品。薄く色のついたサングラスをかけた伊丹十三さんはかなり胡散臭い感じです。中身は、質屋にアンディ・ウォーホルの「マリリン・モンロー」をもっていって30万円借りたいと交渉する、というもの。質屋の爺さんとのやり取りがなかなかで、複製と芸術という現代美術における大きなテーマを扱っている。ちゃんと落ちもあるので、楽しめます。

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図録は購入しました。2000円です。『ビックリハウス』初代編集長・萩原朔美インタビューとか「パロディ裁判」判例集とかが掲載されていて、充実してます。

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