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2017.07.30

島根県立美術館で夕陽を堪能する

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松江城の周辺を見た後で、街中を散歩しながら、島根県立美術館へ移動。島根県立美術館は宍道湖の湖畔にあり、美しい夕陽が堪能できる(写真上:高解像度版はこちら)。

夕陽を売り物にしているだけのことはあって、3月から9月は入場は日没までで、閉館は日没後30分となっている。夏至のころなら19時27分が日没時間とのこと。建物は2階建てで1階が企画展示、2階がコレクションの常設展示となっている。設計は菊竹清訓。

訪れたときは「江戸の遊び絵づくし」(2017/5/19-7/3:1000円)という企画展を開催しておりました。

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たくさんの人とか猫を組み合わせて、大きな人とか猫を表現した「寄せ絵」、頭は5つだけど体は10ある「五頭十体図」、上下をひっくり返すと別の絵に見える「上下図」など、それぞれは見たことがあるような気がするのですが。これだけまとめて拝見すると、なかなか圧倒的です。そして「寄せ絵」の作者はアルチンボルドの作品を見たんだろうか?とか気になることはいくつかありますが…。ちなみに、最も気にいったのは「五頭十体図」。下の写真はカタログの裏表紙を撮ったものです。

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作者は歌川貞景。生没不詳ですが、国貞の門人で、この作品は天保年間(1830年 - 1844年)のものらしい。カタログによると、この手の作品では初期のもの、とのこと。この企画展、巡回しないのがもったいない、という気がしました。

美術館の2階は常設で、コレクションを展示してます。2階に上がるとどーんとオーギュスト・ロダンの《ヴィクトル・ユゴーのモニュメント》というブロンズ像が展示されていました(写真下:高解像度版はこちら)。このブロンズ像を囲むように部屋が5つあって、それぞれテーマ別に展示してます。1室は日本画、洋画など平面肉筆系、2室が版画、といった感じ。写真の展示もあって、杉本博司さんの海景シリーズなどが展示されてました。海景シリーズに隠岐で撮影したものがあったのが印象的。

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美術館の中も面白いが、その前庭とでもいうのか、美術館前の湖畔にパブリックアート的に立体系の大きな作品が並んでいて、こちらも見逃せない。兎が跳びはねて、最後に止まって宍道湖を眺めている様子を12体のブロンズで表した籔内佐斗司(やぶうち さとし)の《宍道湖うさぎ》とか、巨大な2体のオブジェが何やら会話をしているような渡辺豊重の《会話》とか、なかなか大小取り混ぜて、素材もいろいろで飽きないモノです。

まず、籔内佐斗司の《宍道湖うさぎ》。うさぎが駆けていって(写真下:高解像度版はこちら)、宍道湖半で止まって眺めている(写真下:高解像度版はこちら)、というもの。ブロンズです。解説によると「ポーズは3種類。後ろ足で蹴っているポーズと前足で着地しているポーズの2種類のかたちを交互に配置させて動きをだしています」とのこと。

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渡辺豊重の《会話》(写真下:高解像度版はこちら)はFRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)と鉄骨で造形して、ウレタン塗装したもの。高さ約2m80cmと大きいです。2体の立体物が会話しているような感じらしいのだけど…。作者の渡辺豊重さんは抽象画の人かと思ったのですが、こういった立体も手がけるのね、と芸域の広さに感心してしまった。ちなみに2015年に栃木県立美術館で渡辺さんの個展を拝見しておりました。そのときの記事はこちら

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2017.07.18

松江でお城の「堀川めぐり」を堪能する

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小泉八雲の勉強をしたあと、「堀川めぐり」で船に乗って、お城の周りを巡ってみた。上の写真(高解像度版はこちら)の屋根付きの船がその船で、定員13名、長さ8m、幅2mと小型です。船と言うよりはモーターボートって感じですね。橋の下をくぐっていくのですが、17ある橋のうち4カ所は橋桁が低いため、屋根を下げて抜けていきます。その間、乗っている人も身をかがめます。船頭さんが運転するのですが、いろいろと話をしてくれます。

お値段は大人1人1230円(割引券を見つけることができたら1020円)で、松江城の堀をめぐる50分の船旅というか船による散歩が楽しめます。ちょうど良い暇つぶし、という感じ。乗船場所は3カ所ありますが、松江城の北側にある「ふれあい広場乗船場(黒田町)」から乗りました。ほぼ15分間隔で午前9時から午後5時まで運航してます(夏は午後6時まで)。

出発してすぐは松江城に沿って進んでいきます。両側から樹木がせり出して、なかなかワイルドな感じ(写真下:高解像度版はこちら)。

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この先、官庁街の横を抜けていくのですが、一番暗い橋桁があり、短いトンネルに入っていくような感じです。橋の名前はうやべ橋(写真下:高解像度版はこちら)とのこと。

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で、実際に橋桁の下に入ったときは、下の写真のように屋根が降りてきます(高解像度版はこちら)。

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次に繁華街へ。東京橋の下をくぐるのですが、橋の名前は「ひがしきょうばし」です(写真下:高解像度版はこちら)。川の名前は京橋川。


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左に折れて、米子川に入ります。この辺は両側が個人宅です(写真下:高解像度版はこちら)。水辺に住む感じが、ちょっといいですね。

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そして、左折して天守閣が見える当たりにきました(写真下:高解像度版はこちら)。


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季節によって、例えば冬はこたつ船とか、企画もあるようなので、また別の季節に来てみたいモノです。


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2017.07.14

「小泉八雲記念館」と「小泉八雲旧居」をのぞいてみる

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松江城の北側に出て、小泉八雲記念館へ(入場料:400円、写真上:高解像度版はこちら)。リニューアルして1年とのことで、よくある“記念館”の古くささややぼったさがなく、展示も分かりやすくて良かったです。お値段相応といったところ。小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの数奇な人生を理解できます。断片的な知識しかなかったので、改めていい勉強になりました。作品も読み直してみようという気になってます。

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記念館の隣にあるのが「小泉八雲旧居」(写真上:高解像度版はこちら)。入場料は300円です。靴を脱いで入ります。

小泉八雲は14年間を日本で過ごしたそうで、そのうち松江にいたのは1年3カ月。さらに、そのうち5カ月ほど滞在したのがこの“旧居”。八雲が住んでいた当時のまま保存されている、とのこと。

元は武家屋敷で、建物を囲むように庭がある(写真下:高解像度版はこちら)。

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裏手には池もある(写真下:高解像度版はこちら)。確かにこういった家に住んでみたいと、思わせるものがある。

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2017.07.10

国宝「松江城」を堪能する

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足立美術館を拝見した後、松江に移動して駅前のホテルに宿泊。翌日は松江市内を見て回る。まずは国宝になった松江城。天気がよかったので駅のあたりから歩いて松江城へ。大橋川を渡り、大手前通りを歩いて、40分程度で到着した。階段を登って天守閣へ。入場料は560円ですが、売店で3館共通入場券なるものがあって、天守閣と小泉八雲記念館、小泉八雲旧居の3カ所を1000円で入場できる、とのこと。ちなみに割引無しで3つ全てに入場するには1260円かかるので、260円お得です。ほかにも特典があるので、まあまあお得です。

入場券を購入して、天守閣へ(写真上:高解像度版はこちら)。最上階の4階まで行けます。途中に甲冑とか、ジオラマとかがあって、そこそこ飽きさせません。階段は桐でできている、とのこと。ともかく急で、はしごの一歩手前という感じ。まあたいがいの天守閣って、そういうモノですね。

4階にあがると松江が一望できます(写真下:高解像度版はこちら)。宍道湖とか、宍道湖半にある島根県立美術館が見えてます。

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このほか、興味深かったのは、お城の敷地内に、興雲閣という木造2階建ての洋館があること(写真下:高解像度版はこちら)。説明によると「明治天皇の行在所に使用する目的で建てられた」とのこと。明治天皇の巡幸は実現しなかったそうですが、迎賓館的な役割を果たしてきた建物とのことです。

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2017.07.09

島根県の足立美術館で日本庭園を堪能する

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2017年6月の半ば、本来なら梅雨真っ盛りで、雨の中の旅行になるかと思ったら、カンカン照りの空梅雨。好天に恵まれるなか、2泊3日で島根県松江市に行ってみた。松江、米子、境港、安来といったところを回って、個性派美術館を堪能した。メインとなるのは島根県安来市にある足立美術館、鳥取県伯耆町の植田正治写真美術館、そして松江の島根県立美術館、境港の水木しげる記念館水木しげるロード、国宝となった松江城と見所満載です。

初日は米子空港に到着して、バスでJR米子駅へ。駅前の居酒屋でランチをいただき、JRで安来へ。このときは特急八雲に乗って移動。最初の目的地は庭園と日本画のコレクションで有名な足立美術館。美術館へは安来駅からシャトルバスが走っていて、20分で到着する。巨大な駐車場があるのは、団体の観光客がくるためで、できれば、さほど美術にも庭園にも興味がなさそうな団体にまみれるのは避けたいところ。入場料は2300円。

残念なのは庭のなかにはいれないこと。基本的に建物のなかから拝見する仕組みです。建物の窓はしっかり掃除されているので、問題はないのですが、庭のなかを歩いてみたいですね。庭は苔庭、枯山水、池庭など日本庭園のパターンを諸々見せてくれます。一番上の写真は「白砂青松庭」というところで、横山大観の作品「白砂青松」をイメージしたもの、とのこと(高解像度版はこちら)。

改めて考えると、庭園をどのように見せるかを、緻密に計算して美術館全体が設計されている、ということに気がつきます。苔庭、枯山水、白砂青松、池庭がどのようにつながっているのか、うまく想像できないのですが、建物のなかを順路に従っていくと、それぞれが独立した庭として、目に飛び込んでくる。


例えば、下の苔庭(高解像度版はこちら)とその下にある枯山水(高解像度版はこちら)は一番上の「白砂青松庭」とつながっているのだけど、微妙に変化している。

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さすがに下の写真の池庭は建物を挟んでいるので、そかの庭との連続性はなけkど、統一感はある(高解像度版はこちら)。

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このほか、人工の滝「亀鶴の滝」が遠くに見えたり(写真下:高解像度版はこちら

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床の間の壁をくりぬいて、その先にある庭を掛け軸のように見せるシカケとか(写真下:高解像度版はこちら

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なかなか凝ってます。ただし、掛け軸には入場者の頭が並んでいて、奇妙なものでした。庭は天気の悪いときにきてみたいですね。雪景色も雨模様も、それはそれで見応えがありそうです。

美術品のコレクションは日本画中心ですが陶器も充実。横山大観の作品が多いけど、時代的には明治以降の作品がほとんどです。大観以外には橋本関雪、竹内栖鳳、菱田春草といったあたりの作品がコレクションされてます。陶器では河井寛次郎、北大路魯山人。新館では現代作家の作品もありました。

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2017.07.05

国立新美術館で「ジャコメッティ展」を見る

乃木坂の国立新美術館で「ジャコメッティ展」(1600円:2017/6/14-9/4)を見た。ジャコメッティはスイス生まれで、パリで主に活動した彫刻家で画家。1901年生まれで、1966年に亡くなっている。というわけで、没後51年というなんとも中途半端なところだけど、これだけまとめて、ジャコメッティ作品を拝見できるとは、ありがたいことです。

ジャコメッティというと、人も犬も猫も細長く、「存在を限界まで削ぎ落としつつ存在を限界まで主張する」(図録の解説「空間の理論?」オリヴィエ・キャブラン著より引用)作品で、唯一無二な感じの彫刻と、ひたすら線を重ねて描く人物の顔、特に目が印象に残っている。この作風の後継者はいないようです。あまりにも独特なで、模倣者さえ生まれなかったようだ。まあ、現代美術ってそういうものだろうし、その意味で、ジャコメッティは確実に現代美術家なんじゃないかと思うわけです。

一方で、最初からこの作風ではないわけで、どのような経緯でこの作風に至ったのかが分かるようになってます。特に初期の作品には、キュビスム作品やアフリカ的な形態の作品もあって、そこにはジャコメッティ的な表現を感じられない。そこから、抽象的なオブジェを離れて、小さな人体作品を作成するようになり、その大きさが徐々に大きくなっていくところが面白かった。

まあ、大きさという意味では、「チェース・マンハッタン銀行のプロジェクト」として展示された3点はかなり大きい。1960年に作られた作品で、ほぼ晩年の作品といっていいだろう。ニューヨークにあるチェース・マンハッタン銀行の広場のために依頼された作品だが、なかなか納得のいく作品にならなかったらしく、結局、断念している。断念はしたが、断念する直前まで、作品を作っていて、ブロンズで鋳造したものが残っている、ということらしい。ちなみに、このゾーンでは撮影可、とのことでした。下が3点をまとめて撮影したところ。

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「大きな頭部」。サイズは95×30×30cm。

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コーナーの真ん中奥にあるのが「大きな女性立像II」.。サイズは276×31×58cm。
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そして「歩く男I」。サイズは183×26×95.5cm。
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カタログもよかったので、購入しました。2800円です。「犬」がカバーになってます。

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2017.07.02

国立西洋美術館で「アルチンボルト展」を見る

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国立西洋美術館で「アルチンボルト展」(1600円:2017/6/20-9/24)を見た。きっと混むようになるだろうと思って、初日に行ってみたのですが、それが仇になりました。なんとメインの作品のうちで「《大気》と《火》は6月23日より公開しました」と国立西洋のWebサイトに掲載されているように、初日にいくと《大気》と《火》は写真で見ることになりました。6月23日以降は問題ないようですが、こういうこともあるのね、という感じ。ちなみに一部ニュースでは「《大気》と《火》は6月24日から公開」とあるので、まあ、このニュースを見てから行けばよかった。

アルチンボルトと言えば寄せ絵。植物とか動物とかを組み合わせて、人物の顔を描くというモノ。春夏秋冬の4点で構成される「四季」と、「空気」「火」「土(大地)」「水」からなる「四大元素」を拝見できる。ちなみに遅刻した「大気」と「火」は個人所有で、ほかの6点は美術館などの組織が所有している。遅刻した理由はその辺なんでしょうね。

「四季」は春夏秋冬、季節の植物で構成されている。一方の「四大元素」は「大気」が鳥類、「火」が火打ち石などの火に関する道具類と炎、「大地」が動物、「水」が魚貝類や両生類などで構成されている。図録によると「1596年、オーストリアのハプスブルク家の宮廷画家であったアルチンボルドは、当時の君主神聖ローマ帝国マクシミリアン2世への新年の贈り物として、『四季』と『四大元素』の連作を捧げた」とのこと。つまり「四季」と「四大元素」はまとめて見ることに意味のあるもの、ということらしい。例えば、「春」は「大気」と対になるとのこと。今回の展示の面白いところは、それぞれの絵を展示するだけでなく、各作品の写真を対になるもので並べて、展示していること。その対になる作品は顔が向い合うようになっている。そこで、各作品の顔が向いている向きがバラバラな理由が明らかになる。

これだけでも、十分に面白いのですが、その背景となるモノは何か、ということについても解説してます。当時の宮廷が博物学的な収集に力を入れていて、植物学者、天文学者、医者などの科学者が多数、宮廷に招集されていたらしい。そういった知識の集大成として、アルチンボルトの寄せ絵は成立しているらしいのだ。

まあ、肝心の作品を写真パネルでしか拝見できなかったのは、なんとも不愉快ですが、全体としては面白い展示でした。面白いと言えば、会場の直前の場所にある「アルチンボルドメーカー」もなかなかです。ディスプレイの前に立つと、その人の外観(髪型tとかメガネの有無など)に合わせて、アルチンボルド的な絵を作成して表示するというものです(写真下)。

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これがなかなか曲者で、うまく撮影できない方が多く、なかなか行列が進まない。まあ、人に依るんでしょうが、カメラに不慣れな人がはまって時間がかかってました。この辺、リテラシーが問われるところでしょう。

カタログは2800円です。クローズアップも多く、解説もしっかりしてます。購入の価値はあると思います。残念なのはマグネット。マグネットはそこそこ収集しているのでだいたいの美術展で購入するのですが、今回はあまりにデザインが悪くて購入しませんでした。

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