« 平塚市美術館で「リアル(写実)のゆくえ-高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの」を見る | トップページ | 国立新美術館で「ジャコメッティ展」を見る »

2017.07.02

国立西洋美術館で「アルチンボルト展」を見る

Arcimboldo1jpg

国立西洋美術館で「アルチンボルト展」(1600円:2017/6/20-9/24)を見た。きっと混むようになるだろうと思って、初日に行ってみたのですが、それが仇になりました。なんとメインの作品のうちで「《大気》と《火》は6月23日より公開しました」と国立西洋のWebサイトに掲載されているように、初日にいくと《大気》と《火》は写真で見ることになりました。6月23日以降は問題ないようですが、こういうこともあるのね、という感じ。ちなみに一部ニュースでは「《大気》と《火》は6月24日から公開」とあるので、まあ、このニュースを見てから行けばよかった。

アルチンボルトと言えば寄せ絵。植物とか動物とかを組み合わせて、人物の顔を描くというモノ。春夏秋冬の4点で構成される「四季」と、「空気」「火」「土(大地)」「水」からなる「四大元素」を拝見できる。ちなみに遅刻した「大気」と「火」は個人所有で、ほかの6点は美術館などの組織が所有している。遅刻した理由はその辺なんでしょうね。

「四季」は春夏秋冬、季節の植物で構成されている。一方の「四大元素」は「大気」が鳥類、「火」が火打ち石などの火に関する道具類と炎、「大地」が動物、「水」が魚貝類や両生類などで構成されている。図録によると「1596年、オーストリアのハプスブルク家の宮廷画家であったアルチンボルドは、当時の君主神聖ローマ帝国マクシミリアン2世への新年の贈り物として、『四季』と『四大元素』の連作を捧げた」とのこと。つまり「四季」と「四大元素」はまとめて見ることに意味のあるもの、ということらしい。例えば、「春」は「大気」と対になるとのこと。今回の展示の面白いところは、それぞれの絵を展示するだけでなく、各作品の写真を対になるもので並べて、展示していること。その対になる作品は顔が向い合うようになっている。そこで、各作品の顔が向いている向きがバラバラな理由が明らかになる。

これだけでも、十分に面白いのですが、その背景となるモノは何か、ということについても解説してます。当時の宮廷が博物学的な収集に力を入れていて、植物学者、天文学者、医者などの科学者が多数、宮廷に招集されていたらしい。そういった知識の集大成として、アルチンボルトの寄せ絵は成立しているらしいのだ。

まあ、肝心の作品を写真パネルでしか拝見できなかったのは、なんとも不愉快ですが、全体としては面白い展示でした。面白いと言えば、会場の直前の場所にある「アルチンボルドメーカー」もなかなかです。ディスプレイの前に立つと、その人の外観(髪型tとかメガネの有無など)に合わせて、アルチンボルド的な絵を作成して表示するというものです(写真下)。

Arcimboldo2

これがなかなか曲者で、うまく撮影できない方が多く、なかなか行列が進まない。まあ、人に依るんでしょうが、カメラに不慣れな人がはまって時間がかかってました。この辺、リテラシーが問われるところでしょう。

カタログは2800円です。クローズアップも多く、解説もしっかりしてます。購入の価値はあると思います。残念なのはマグネット。マグネットはそこそこ収集しているのでだいたいの美術展で購入するのですが、今回はあまりにデザインが悪くて購入しませんでした。

|

« 平塚市美術館で「リアル(写実)のゆくえ-高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの」を見る | トップページ | 国立新美術館で「ジャコメッティ展」を見る »

art」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11441/65477500

この記事へのトラックバック一覧です: 国立西洋美術館で「アルチンボルト展」を見る:

« 平塚市美術館で「リアル(写実)のゆくえ-高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの」を見る | トップページ | 国立新美術館で「ジャコメッティ展」を見る »