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2017.12.18

竹橋の国立近代美術館で「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」を見る

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竹橋の国立近代美術館で「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」(2017/12/1-2018/3/21:1400円)を見た。熊谷守一はよく分からない画家です。以前はオレンジ色の枠線を使って、色数は少ないけど、印象的な組み合わせで作品を描くひと、というイメージでした。あるいは文化勲章を辞退した仙人のような方。

しかし昨年、2016年に国立新美術館で開催された「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」(2016年1月20日~4月4日)で拝見した熊谷守一の「陽が死んだ日」で、その印象は破綻した。同じ作家の作品とは思えなかったのだ。「陽が死んだ日」は数えで4歳の次男、陽の死顔を描いた1928年の作品。タッチは荒々しく、色彩はあふれかえっていて、死に対する激情がたたきつけられている。この作品と晩年のオレンジ色の枠線を使った作品群を単純に結ぶことができない。まあ、その謎が解けるかもしれない、とこの美術展を見に行きました。

守一は1880年(明治13年)に生まれた。1900年に東京美術学校(現東京藝大)に入学。同級生には青木繁がいる、とのこと。1902年に父、1910年に母が亡くなり、故郷の岐阜県に戻っているが、5年後、1915年(大正4年)に再度上京している。この時期の絵は暗い。「暗闇で対象がどのように見えるか」というテーマで描いているそうだ。

赤い輪郭線が現れるのは、1940年前後で、主に風景画に現れてくる。1950年には人物画にも現るようになる。カタログの解説によると、マティスやピカソ、ナビ派の影響がある、とのこと。実際、1940年当たりから、輪郭線の中は同じ色で塗られるようになる。色を整理して、より効果的な色使いを目指しているように見える。1950年代以降は、手法は固定していくのだけど、描く対象は、より身近なものになる、といったところです。

謎も解けたので、すっきりした展覧会でした。

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2017.12.10

埼玉県立近代美術館で「ディエゴ・リベラの時代」を見る

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埼玉県立近代美術館で「ディエゴ・リベラの時代」(2017/10/21-12/10:1200円)を見た。ディエゴ・リベラは1886年生まれのメキシコの画家。1957年に亡くなっている。メキシコで民族色の強い壁画を描いた美術家、というイメージです。奥さんがフリーダ・カーロで、ドロドロの愛憎劇を繰り広げていたりする。まあ、メキシコ絵画の世界の英雄なんでしょう。でもディエゴ・リベラといえば壁画なので、壁画を持ってくるわけにもいかんでしょうから、どういった展覧会なのだろうか、と疑問を抱えながら北浦和まで行ってみました。

「メキシコ国立芸術院(INBA)との共同企画によるこの展覧会では、初期から晩年にいたるリベラの画業を油彩画、素描、版画など約30点の作品でたどります。また、リベラの師でありメキシコ近代絵画を拓いたべラスコ、同時代のメキシコの様々な美術動向、リベラと関わりのあったレオナール・フジタや北川民次ら日本人画家も紹介し、メキシコの近代美術が掲げた夢を振り返ります」とのことです。壁画は当然来てなかったけど、映像資料で紹介されておりました。

全体としては、リベラの初期の絵や、リベラに関わった人達の作品で、リベラという美術家の全貌を見せるだけでなく、その時代のメキシコ美術の雰囲気が伝わってくる展示でした。

面白かったのは、リベラの初期の作品。パリに渡って、ピカソなどとの交流から、キュビズムの作品を残しています。これがなかなか板についていて、完成度が高い。しかし、後の壁画にどのように関わってくるのか、一端抽象的な作風を完成させてから、壁画の具象表現に戻っていくところが、面白いところです。抽象と具象を行き来するのは、割といろんな美術家にある傾向のようにも思えるのですが…。

もう一つ、興味深いのが、リベラと藤田嗣治との関係です。リベラがパリに滞在したころ、1914年に藤田と交流があった、とのことで、その後、リベラがメキシコに戻って壁画を描くようになってから、1932年に藤田がメキシコに訪問しています。このときはリベラがニューヨークに壁画を描きにいっていたため、会うことはなかったのですが、それなりの影響は受けていたんじゃないかと思います。まあ、勝手な憶測ですが、藤田が《秋田の行事》という壁画を描いたのは1937年だそうで、リベラの巨大な壁画を見て、その影響が多少はあるんじゃないかと思うわけです。

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2017.12.05

草間彌生美術館で「草間彌生美術館開館記念展 創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき」を見る

草間彌生美術館で「草間彌生美術館開館記念展 創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき」(2017/10/1-2018/2/25:1000円)を見た。名前の通り「前衛芸術家」草間彌生の美術館です。美術館のパンフレットには「草間作品および関係資料の展示を通じて草間芸術の発展に寄与することを目的に2017年に開館」とある。

入場は日時指定の予約制です。予約なしに行っても入館できません。予約はWeb経由です。あっという間に埋まるので要注意。ちなみに、私が2017年12月に行ったときは2017年10月1日に予約してます。開館は木・金・土・日曜で、月・火・水はお休み。入場時間は1日4回あって1回90分で入れ替えとなります。1回の入場者数は当初50人でしたが、70人に増えています。50人で見た感じですと、かなり余裕があります。30分程度でほぼ全部見終わると思います。70人でも90分をフルに使って見るのであれば、全く問題ないと思われます。

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場所は建物は上の写真のようにわりと細長いビル。地上5階地下1階です。白い建物で、1階の入口はガラス張りで、白い水玉模様が描かれています(写真下)。1階は受付で、2階と3階がメインのギャラリー。4階はさらに部屋があって、その中で2分間入れ替えで見る展示がある。5階は半分が関連資料のある資料室で半分が天井のない屋外ギャラリーとなっている。各階の移動は階段とエレベーター。階段は上り専用。写真撮影は4階と5階はOKでした。

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ちなみに、入口前のコンクリート打ちっぱなしな感じのところで入場を待ちます。中に入って待つことはできなようです。まあ、天気が良ければ気にならないけど、冬場は寒いね。

今回の展示は、色鮮やかなアクリル絵具で描いた《わが永遠の魂》というシリーズ、制作年が2009~2017年の作品16点と、シリーズ《愛はとこしえ》という2007年制作のモノクロのドローイング27点、そして鏡の部屋に、黄色の地に黒い水玉があるカボチャを並べたインスタレーション、カボチャの立体作品というラインナップです。

割と良かったのが、4階にあるカボチャのインスタレーションです。扉のある暗い部屋の中に入って2分間、拝見するもので、一端完全に暗くなり、徐々に明るくなっていきます。この徐々に明るくなる感じがよろしい。

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Web経由で予約しないといけないのですが、1000円だし、うまく見れば、ほぼ独占的に鑑賞できたりするので、なかなかいいシステムだと思います。半年ごとに展示を変えるそうなので、また行ってみたいと思っております。

蛇足ですが、ミュージアムショップというか1階の売り場では、巨大なカボチャのがま口が売られていて、ちょっと気になりました。4万5000円です。

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これも蛇足ですが、草間美術館の道路の向かい辺りに和算の天才、関孝和のお墓があったり、裏手の方に新宿区立漱石山房記念館があったりして、興味深いところです。

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