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2018.07.27

上野の森美術館で「ミラクル エッシャー展」を見る

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上野の森美術館で「ミラクル エッシャー展」(http://www.escher.jp/,2018/6/6-7/29:1600円)を見た。久しぶりのエッシャーです。エッシャーと言えば錯視を巧妙に利用しただまし絵が有名です。おそらく最初に見たのが講談社のブルーバックスの表紙のような気がする。

この展示の見所は、だまし絵の前に風景画や聖書からテーマをとったものがあって、徐々にだまし絵へと向かう当たりが見て取れるところでしょう。風景画の作成で遠近法を身につけ、それも何種類かの遠近法を混在させるようになり、平面を一定のパターンで埋め尽くす装飾パターンの研究を遠近法と組み合わせて、より複雑なだまし絵を作成しています。平面をパターンで埋め尽くすところから発展して、そこに立体のパターンを組み合わせるあたりはエッシャーならではの作品です。その辺の流れが、改めて分かったのはよかった。

ただし、上野の森美術館って、狭いので猛烈に混雑するし、エッシャーの作品は版画なので小さく、誰かが立ち止まって鑑賞されると、見えなくなる。とてもストレスのたまる展示会でした。

ちなみに、大阪のあべのハルカス美術館(2018/11/16-2019/1/14)のほか福岡と愛媛に巡回する予定です。


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2018.07.23

東京国立近代美術館で「ゴードン・マッタ=クラーク展」を見る

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竹橋の近代美術館で「ゴードン・マッタ=クラーク展」(1200円:2018/6/19-9/17)を見た。ゴードン・マッタ=クラークは1970年代にニューヨークで活躍したアーティスト。1943年生まれで、1978年に35歳で死んでいる。死因は膵臓ガンとのこと。年表を見ると1969年からアーティストとして活動を始め、ニューヨークに住み、建築物をベースにした作品や、ストリートカルチャー的な活動や、「フード」という食堂の運営など、見ているとかなり好き勝手にいろんなことに手を出して疾走していった、という感じ。まあ、全体を通して空間をどう扱うと面白いか? という視点で活動していた、という印象です。

展示は5つのテーマ、「ミュージアム マッタ=クラークを展示する」「住まい 流転する空間と経験」「ストリート エネルギーの循環と変容」「港 水と陸の際」「市場 自然と都市の間」に分かれていて、大きな模型や当時の資料、写真、ドローイングとビデオを展示してました。写真撮影はOKでしたので、気になった作品を撮ってきました。

まず「ミュージアム マッタ=クラークを展示する」にあった《サーカス》の1/8モデル。段ボールで作られている。1978年のシカゴ現代美術館でのプロジェクト。シカゴ現代美術館で空き家になる建物をマッタ=クラークに作品の素材として提供し、そこで建物の20フィート(約6メートル)の幅いっぱいの直径を持つ三つのボール(中空でそこそこ皮が厚い感じ)を建物の上から下へ対角線上に並べて、その線に合わせて床や壁をカットしていくというもの。写真や図面だけではよく分からないけど、大きな模型で再現されると、少しは体感できた気がする。ちなみに建物に対するこういったアプローチは、かつて、2000年頃の取手アートプロジェクトで見たことがあったけど、その後、あまり見たことがない。

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下の写真は「住まい 流転する空間と経験」にあった《スプリッティング:四つの角》。マッタ=クラークのプロジェクト《スプリッティング》の残り。スプリッティングでは2階建ての住宅を二つに切って、切り離したのも。「建物の側面、内壁、床、天井に伝って1インチ離れた2本の線を引き、電動ノコギリでその線を貫くと隙間の素材を取り除いた」とのこと。その住宅の四隅が、下の写真。

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「ストリート エネルギーの循環と変容」にはいろんな作品が並んでいたけど、印象的だったのは「フレッシュキル」というビデオ作品と、そのビデオを見るための階段。フレッシュキルは地名です。広大なごみ埋立地だそうです。そこに赤いトラックで走っていって、なぜかそのトラックがブルドーザーによってスクラップにされるという映像。とても唐突で暴力的です。

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「港 水と陸の際」で展示された「日の終わり」。ハドソン川沿いにある倉庫で、壁に猫の目のような形の穴を開けて、写真撮影したもの。合わせて、その制作風景をビデオに撮ってます。酒井抱一の屏風絵に出てくる月のような形をしていて、個人的には趣深いのですが…。

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最後に美実館建物の前に置かれた「ごみの壁」。マッタ=クラークのコンセプトを継承して、制作された東京バージョン。「1970 年にゴードン・マッタ=クラークによってオリジナルが作成され、その後、それぞれの土地で集められたごみを使って再制作が行われている作品《ごみの壁》。本展では、東京の街で集められたごみを使って、サイズ約 180×180×60cm ほどの作品を早稲田大学建築学科の学生と共同で制作しました」とのこと。

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