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2018.08.29

平塚市美術館で「金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋」を見る

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平塚市美術館で「金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋」(900円:2018/7/7-9/2)を見た。深掘さんの作品を最初に見たのは、2007年の冬、東京コンテンポラリーアートフェアの会場でした。タイトルは金魚酒。升のなかに金魚がいるなと思って、じっと見ていても動かない、なんだろうと思っていると、どうやら升の中に、何らかの手法で立体的な金魚を描いたものらしいという事実に、たどりついて驚く、というものです。それから10年以上経って、個展が開かれるというので、暑いなか平塚まで行ってみました。

しかし、本当に金魚ばかり描いていたようで、升だけでなく、机の引き出しとか弁当箱とか、ありとあらゆるところで、金魚が泳いでました。ちなみにこれらの金魚は、「エポキシ樹脂という素材にアクリル絵の具で幾層にも分けて、金魚のパーツを描きこみ、それを重ねることで立体感のある金魚を描き出す」というもので、パーツを描いては樹脂を流し込んで固まるのを待つ、ということを繰り返してできあがる作品です。面白いのは、各パーツは平面に描かれていて、それを重なることで立体的に見える、というところです。ちなみに立体の金魚意外に平面の金魚も描いていて、それはそれで趣のある絵でした。

今回は、ほぼ作成時期の順に展示されてますが、最後の展示が「平成しんちう屋」という巨大なインスタレーションになってまして、そこは撮影OKでした。ちなみに「しんちう屋」とは「江戸時代初頭、不忍池に実際にあったという日本で最初の金魚店の名前」とのことです。下の写真のように「しんちうや」ののれんがある屋台のようなセットを中心に金魚が入った木箱が並んでました(高解像度版はこちら)。

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木箱は平面の絵が中心ですが、金魚をすくう網の入ったのは立体的です(高解像度版はこちら)。

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こちらは、かなり大きめの立体作品(高解像度版はこちら)。

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よく分からないのですが木彫りの熊なんだけど顔が金魚、というモノもありました(高解像度版はこちら)。あとこの記事の冒頭にあるビニール袋にはいった金魚も多数並んでました(高解像度版はこちら)。

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この展覧会は、刈谷市美術館にも2018/9/15-11/4に巡回する、とのことです。


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2018.08.27

原美術館で「小瀬村真美:幻画~像(イメージ)の表皮」を見る

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原美術館で「小瀬村真美:幻画~像(イメージ)の表皮」(1100円:2018/6/16-9/2)を見た。写真ではあるのだけど、西洋絵画の静物画のようだと思ったら、「17世紀西洋の写実的な静物画を参照した作品」とのこと。それも、写真だと思っていたら、徐々に変化することに気がついて、高解像度のディスプレイに映された動画であることが分かるという作品でした。「それらは一見したところ静謐な写実絵画のようでありながら、実は作家が組んだセットをデジタルカメラでインターバル撮影し、その数千もの写真を繋げたアニメーション」なのでした。例えば《Sweet Scent》という2003年の作品では下の2つの写真のように、静物が徐々に枯れたり腐っていったりします。

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この作品はカタログにある解説やプレスリリースによると「スペインの画家はフランシスコ デ スルバラン(1598-1664)の『オレンジ、レモン、水の入ったコップのある静物』(1633 年)をもとにした作品」だそうで、静物画を基にセットを組んで、4カ月かけてインターバル撮影している。

ちなみに、今回の展示では、原美術館としては珍しく写真撮影が許可されていたので、気になったモノは撮影してみました。

下の写真は《Cloth extracted from Drape》。テーブルの上に食器とか果物とかの静物が置かれていて、その上に布をかぶせた《Drape》という一連の作品があるんですが、そこで使われた布、ということらしいです。浮遊している幽霊のような感じ。本来、布の下にモノがあったのに、それはないけど、抜け殻のように布の形だけが残っている。

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そして下の写真が《Drape off》。12分のモノクロ4Kビデオです。静物画のようにテーブルに食器とか果実とかが置かれているところに、上からモノが落ちてきて、テーブルの上にあるモノが下に落ちる、という映像ですが、4秒の出来事を12分に引き延ばしてます。解説によると「撮影は超高速度撮影を4KのHDビデオカメラで行い、それを写真に変換したあとで、構図を全くの左右対称になるよう整え、絵画的な質感を与えた後、つなぎ合わせて一本のビデオにし、さらに画像間にモーフィングを何度もかけながら元々の4秒間のアクションを12分に引き延ばした」とのこと。

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2018.08.19

21_21 DESIGN SIGHTで「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」を見る

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21_21 DESIGN SIGHTで「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」(1100円:2018/6/29- 10/14)を見た。「ミュージシャンの小山田圭吾(Cornelius)が展覧会のために書き下ろした新曲『AUDIO ARCHITECTURE』を、気鋭の作家たちがそれぞれの視点から解釈し、映像作品を制作します」とのこと。9組が参加してます。このうち1組は稲垣哲朗による小山田圭吾らがスタジオで演奏している映像で会場に入って最初に見ることになります(写真上)。

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残りの8組がその映像作品を上の写真のように壁と床に投影してます(作品は梅田宏明「線維状にある」)。かなり横長な画面です。床の上でごろごろしてもOKです。この画面の向かいに階段があり、そこで座って鑑賞することもできます。ちなみに床面に必ず映像が投写されるわけでもなく作品によるようです。下の写真は床に投影されていない例です(作品は大西景太の「Cocktail Party in the AUDIO ARCHITECTURE」)。

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画面の裏側は8組の作品を個別に見せるブースがあって、ブースによっては、種明かし的な展示もありました。

個人的に気に入ったのはユーフラテス(石川将也)+ 阿部 舜による「Layers Act」(写真下)。

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黒の背景に白い線や点がリズミカルに現れる映像ですが、その手法は「シンプルな模様の描かれた二枚の透明フィルム(レイヤー)を重ねて動かすことでつくられる、多彩な視覚効果で構成された映像作品。モーターを使ってフィルムを一定速度で動かしたり、楽曲に合わせて手で動かしたりしながら撮影し、生理的な気持ち良さを追求して編集した」とのこと。作品ではその種明かしも、下の写真のように現れる。

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2018.08.12

栃木県立美術館で「ウェザーリポート 風景からアースワーク、そしてネオ・コスモグラフィア」を見る

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栃木県立美術館で「ウェザーリポート 風景からアースワーク、そしてネオ・コスモグラフィア」(2018/6/30- 8/26:800円)を見た。この暑いなか、宇都宮に行ったのは、チラシで見た、クラウス・ダオフェンの《HANAZAKARI 花ざかり》が気になったから。そして、美術展の協賛に清掃機器メーカーのKärcher(ケルヒャー)が入っていたからなんです。ちなみに《HANAZAKARI 花ざかり》は上の写真にある美術展の看板の左側にある写真です。

なんとなく、タイトルから気象とアートの関係を解説する展示を想像していたけど、そうではありませんでした。これまでの風景画は気象現象を視覚化してきたけど、その見せ方は水平方向に固定されていて、既に自由度を失っている。そこに垂直方向の視点を持ち込むことで、新しい表現が生まれてくる、ということを示しているようです。「望遠鏡などの光学装置とヘリコプターや飛行機、宇宙探査機などの飛翔機械の目覚ましい発達によって、かつて風景画が提起した水平的眼差しとは異なる垂直的眼差しが美術に視覚革命ともいうべき事態をもたらしました」とのこと。というわけで、垂直方向の視点を備えた作品、抽象的に宇宙を扱うモノから、具体的に見上げたり、見下ろしたりする作品が集められておりました。まあ、それだけではないのですが…。

クラウス・ダオフェンの《HANAZAKARI 花ざかり》は実際に見下ろすことで、その作品のダイナミックさが際立つ作品です。図録の解説によると、2008年に、栃木県足利市の松田川ダムにゴヨウツツジ(五葉躑躅)を描いた作品で、描いたと言うよりは、削った作品だそうだ。ダムの壁面にこびりついた汚れを、ケルヒャーの高圧洗浄機で除くことで、描かれている。かなり精密に作られていて、ダムの正面から見ても、空から見ても、それらしく見えるようになっている。ちなみに、これも図録の解説によると、アーティストが日本中のダムを調査して、ダムを正面から安全に鑑賞できる条件から松田川ダムを選んだ、とのこと。さらに、ちなみに、このダムは3-4年で元の状態に戻って絵を見ることはできないらしい。

このほか、松江泰治の空撮写真、日高理恵子の《樹を見上げて》、野村仁などの作品が展示されておりました。


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2018.08.08

銀座のポーラ ミュージアム アネックスで野口哲哉 「~中世より愛をこめて~ From Medieval with Love」を見る

銀座一丁目のポーラ ミュージアム アネックスで野口哲哉 「~中世より愛をこめて~ From Medieval with Love」(無料:2018/7/13-9/2)を見た。野口哲哉さんの作品を初めて見たのは2014年に練馬区立美術館で開催された「野口哲哉展―野口哲哉の武者分類図鑑―」でした。鎧兜を身につけた武士の人形と武士達を描いた絵を展示してました。人形も鎧兜も精密だけど、とても人間くさい表情をしてました。今回もその延長線にある作品ですが、全体として人形の種類が増えて、小さい作品から大きい作品まであり、絵もちょっと変わったタッチの作品を展示してました。撮影OKでしたので、気になった作品を写真で紹介いたしましょう。

人形が大きくなったなあ、とまず思わせたのが、会場の入口に置かれた《Clumsy heart》(写真下)。鎧兜の武者がハートを描いている、という作品。高さは74cmある。

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この人形の表情は見にくいのだけど、精一杯、背伸びして描いている感じがよろしい。まあ、表情だと下の《Sleep Away》が気に入っております。今回は眠っている表情の作品が多い。

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下のように、元気な方々もいる。

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今回の展示で、興味深かったのは、古い油絵風の絵画。例えば下の《17C ~音楽の寓意~ フェルメールに基づく》はタイトル通りフェルメール風でこれまでにない感じ。この絵の説明に「フェルメールと円空は同い年だ」と書かれていて、その言葉が猛烈に記憶に残ってしまった。

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今回の展示に合わせて、作品集として「野口哲哉作品集 ~中世より愛をこめて~ 」(求龍堂:3000円)が発売されました。まあ、当然購入しましたが、このほか、ポスター3枚とフィギュア2体も購入しました。ポスターは壁に3枚、貼っております。

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