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2018.10.01

千葉市美術館で「1968年 激動の時代の芸術」を見る

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千葉市美術館で「1968年 激動の時代の芸術」(1200円:2018/9/19- 11/11 )を見た。今から50年前、1968年(昭和43年)というのは政治的にも、文化的にも転換点となるような年だったらしい。「日本でも、全共闘運動やベトナム反戦運動などで社会が騒然とするなか、カウンターカルチャーやアングラのような過激でエキセントリックな動向が隆盛を極めました」とのこと。万博の準備期間中でもあり、アンチ万博派がいたりと、いろんな思惑が渦を巻いていたらしい。

ここでは現代美術を中心に「激動の1968年」「1968年の現代美術」「領域を超える芸術」「新世代の台頭」という4部構成で展示してます。「激動の1968年」ではこの時期の事件、学生運動、成田の三里塚闘争の写真作品などによる解説と、それに関わる作品が展示されてます。赤瀬川源平の「櫻画報」の原画とか、木村恒久のフォト・コラージュ、そして橋本治による駒場祭のポスター。「とめてくれるな おっかさん 背中のいちょうが 泣いている 男東大どこへ行く」で有名なヤツです。改めて見ると、パワーのある作品が、ごった煮にされている。まあ、この時期は朝日ジャーナルが元気で、少年マガジンは横尾忠則さんが表紙を担当していたわけで、本当に入り乱れている感じです。

「1968年の現代美術」では赤瀬川源平さんの「千円札裁判」と「万博とアンチ万博」。「領域を超える芸術」では演劇と舞踏、マンガ、イラストレーション。つまり寺山修司と唐十郎の演劇ポスター、土方巽の舞踏を撮影した細江英公の写真。ちなみに唐十郎の状況劇場のポスターは横尾忠則が中心で、寺山修司の天井桟敷のポスターは宇野亜喜良が中心という感じだった。マンガではつげ義春の「ねじ式」が登場。タイガー立石の作品も展示されてます。もう一つ、サイケデリック・ムーブメントもこの時期だそうで、田名網敬一の作品や、その当時のディスコ「MUGEN」での映像投影を再現してます(写真下)。

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「新世代の台頭」では「もの派」と「プロヴォーグ」。もの派は石、紙、木材、鉄板、ガラス板などの素材をそのまま組み合わせて作品とした一派で、そのきっかけとなったのが1968年に発表された関根伸夫の《位相―大地》という作品。カタログによると「1968年10月~11月に開催された『神戸須磨離宮公園現代彫刻展』で朝日新聞社賞を受賞した、直径2.2m、高さ2.7mの円筒形の土の塊からなる作品である。関根は、展覧会場となった神戸須磨離宮公園の一角に、巨大な穴を掘り、掘った土を積み上げることにより、それを作品として発表した。展覧会終了後に土は穴に埋め戻され、作品は現存していない」とのこと。ここでは、その作成中の映像を流していた。もう一つの「プロヴォーグ」は先鋭的な写真雑誌で評論家の多木浩二と写真家の中平卓馬が発案し、高梨豊や森山大道などの作品を取り上げている。

まあ、なんというかお腹いっぱい、という感じです。一方で、今までバラバラに見てきた、赤瀬川原平作品やタイガー立石、横尾忠則、つげ義春といった方々の作品が1968年という時代でいったんまとめることができる、というのがかなり新鮮でした。

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