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2019.05.20

横浜美術館で「Meet the Collection -アートと人と、美術館」を見る

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横浜美術館で「Meet the Collection -アートと人と、美術館」(1100円:2019/4/13-6/23)を見た。横浜美術館は今年、2019年に開館30周年で、それを記念する企画展です。展示される作品は「1万2千点を超えるバラエティ豊かな横浜美術館のコレクションの中から、「LIFE:生命のいとなみ」「WORLD:世界のかたち」の2部構成のもと、絵画、彫刻、版画、写真、映像、工芸など400点を超える作品」とのこと。横浜美術館は正面に対して右側を企画展、左側を常設展として使い分けていますが、今回は両方を使って展示してました。ちなみに「LIFE:生命のいとなみ」が常設展側、「WORLD:世界のかたち」 が企画展側に展示してあります。併せてコレクションを展示するだけでなく、束芋、淺井裕介、今津景、菅木志雄の4人のアーティストをゲストとして招聘して、その作品を展示しています。4人の作品と、そこに並ぶコレクションは関連していて、その辺も見所かと思います。

束芋の作品はアニメーションを使った映像インスタレーションで《あいたいせいじょせい》というタイトル。 スクリーンからリアルな椅子とテーブルが半分はみ出すように置かれている。そこにアニメーションが投影されるのですが、解説によると「人形浄瑠璃『曽根崎心中』(近松門左衛門著)の主人公お初、小説『惡人』(吉田修一著)に脇役として登場する金子美保の2人を比べてみる、という試みから生まれた作品です」としてます。束芋は小説『惡人』の挿絵を描いていて、その当たりからのつながりでしょう。ちなみに「《あいたいせいじょせい》では金子美保の部屋にお初をソファ、お初と恋仲であった徳兵衛をテーブルとして配置しました。体調を崩している金子美保は、姿は見えないけれどそこに居ます」という設定なんですが、見てみないとよく分からないですね。ちなみにこの作品は撮影不可です。

束芋の作品は「LIFE:生命のいとなみ」 の最初のパートで「こころをうつす」にあります。普段は日本画を展示する常設展側の奥の会場、展示室1です。ここはガラスケースがあって、屏風絵とか掛け軸が展示されてます。今回は束芋の作品に併せて、遊女とか舞妓が描かれている作品や浄瑠璃に関わる作品が展示されています。

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ちなみに、そのなかで気に入ったのは山村耕花(やまむらこうか:明治18年〈1885年〉- 昭和17年〈1942年〉)の作品で《ウンスン哥留多》(写真下)。

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淺井裕介の作品は、普段は常設展示している展示室2という円柱のような形の部屋にありました。《いのちの木》というタイトルで、今回の展示のために構成された作品です。円柱の壁に臙脂色のバックに金色で生命の木的なものを描いているのですが、そこに横浜美術館のコレクションを展示してます。展示されているのは植物や動物にかかわるものと子供を描いたもの。

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例えば、下の写真では真ん中がジョアン・ミロの《花と蝶》、右側は植物や動物を精密に描いた素描で、左側は上が浜田知明のエッチングで《幼きキリスト》、下が武井武雄の版画《生命の構図「一木集VI」より》となってます。

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今津景(いまずけい)の作品は、横浜美術館のコレクションの中核となる第二次世界戦前のシュルレアリスムと一緒に展示されている(写真下)。「WORLD:世界のかたち」 のパートで「イメージをつなぐ」のなかにあります。黒と茶色の縞になっているイサム・ノグチの《下方に引く力》やサルバドール・ダリの《バラの頭の女性》などの立体作品が白い台の上に並んでいます。その奥にあるのが今津景の作品です。

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作品のタイトルは《Repatriation》(写真下)。祖国に返す、という意味だそうです。「略奪、密輸などによって本来所属していた土地を離れ、国家間の返還問題にさらされた文化財が主なモチーフとなっている」とのこと。そういった返還問題になっている美術品の画像をネットで集め、画像処理したものをカンバスに描いているらしい。 

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4人目の菅木志雄の作品は展示会場にある《放囲空》《環空立》と美術館正面の屋外にある《散境端因》です。《放囲空》の素材は石材で《環空立》の素材は木材。下が《放囲空》。

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こちらが《環空立》 。

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で、こちらが屋外展示の《散境端因》。

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まあ全体としては、お腹いっぱいになる感じ。物量に圧倒されるけど、作品の組み合わせの妙みたいのがあって、かなり楽しめます。

 

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