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2019.05.01

リニューアルした東京都現代美術館で「百年の編み手たち」を見る

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2019年3月に3年ぶりにリニューアル・オープンした東京都現代美術館で「百年の編み手たち -流動する日本の近現代美術-」(1300円:2019/3/29-6/16)と「MOTコレクション ただいま / はじめまして」(500円:2019/3/29-6/16)を見た。「百年の編み手たち」は1910年代から現在までの、ほぼ100年間の日本美術を概観する展示です。カタログでは「『編集』をキーワードに、日本の近現代美術のひとつの側面を再考する」としています。その心は、おそらく、美術の先端では日本画と洋画の古典技法、テーマに最新の技法やそのときの最新思想をからめて作品を制作していて、その制作過程を「編集」として捉えているように思えます。

というわけで、この展覧会の始まりは1910年代、それも「本展では、第一次世界大戦の開戦により欧州からの印刷物を通した情報が減少した1914年を、新しいものの学習の段階から、編集へと展開したはじまりの年と位置づけ、現代までの美術家たちの活動を作品と資料によって再考していきます」としてます。そういう文脈から、この展覧会の1章「はじまりとしての1914年」では岸田劉生の自画像やエッチングなどが展示されるのですが、カタログの解説を読まないと、意味がよくわからなかった。

解説によると岸田劉生は1912年のポスト印象主義的な自画像を描き、1914年には北方ルネサンス的な、つまりデューラー的な写実表現を使った自画像、そして東洋的な表現を取り入れた1920年の自画像を展示している。これらの作品や劉生の芸術論などから「新旧の多様な表現を選択し制作に取り入れた」として、劉生を自覚的に編集した最初の作家として紹介している。岸田劉生の作品をそういった方法で見たことはないので、面白いのだけど、カタログを読まないと、あるいは説明のパネルを長々と読まないと分からない。まあ、劉生がその後、麗子像をさながら禅画の寒山拾得のように描いたりするあたりつながっていくわけです。

というわけで、よくわからない部分も数多くありましたが、後からカタログを読んで、なるほどね、となる展示です。まあ、これはこれでいいかと思います。すべての作品について、こういった解説を分かりやすくやっていったらきりがない。

ちなみに、今回の展示で面白かったのは中原實の作品でした。中原實は1893年(明治26年)生まれ、歯科医でかつ画家という方です。1990年に亡くなってますが、亡くなったときは日本歯科大学名誉学長、日本歯科医師会名誉会長で二科会名誉理事という肩書を持っていたそうです。異色の経歴の方で、米国に留学して、1918年にフランスに渡りフランス陸軍歯科医となって、第一次世界大戦に関わっている。大戦終了後、パリで絵画を学んでいる、とのこと。そこでダダや超現実主義に触れてきたらしい。 撮影可の作品がいくつかあったので、下に貼っておきます。下は1924年の作品で《ヴィナスの誕生》、次も1924年の作で《海水浴》、1947 年の作品で《杉の子》 。

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3つの作品が、同じ作者の作品というところが、面白い。

ちなみに今回は3階の展示スペースの一部と地下の吹き抜けが撮影可となってました。まあ、わりとどうでもいい感じですが、地下の吹き抜けの写真も貼っておきます。


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