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2019.06.17

豊田市美術館で「世界を開くのは誰だ?」を見る

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豊田市美術館で「世界を開くのは誰だ?」(300円:2019/6/1-6/30)を見た。豊田市美術館は改修工事のため2018年7月から休館していたのですが、改修が終わり、2019年6月1日から再開しました。そして再開記念で6月1日と6月2日は無料と聞いて、6月2日の日曜に名古屋経由で豊田市に行ってきた。

豊田市美術館は2014年9月から1年かけて改修したはずなんですが、再度、改修したらしい。理由は中日新聞の記事によると「工費の高騰により一部工事しかできなかった。このため残る部分の改修のため昨夏から再び工事に入っていた。今回は約十億八千万円を投じて、耐震対策を講じ、照明器具を発光ダイオード(LED)に切り替えた。防水対策も施して三十一日に一連の改修が完了する」とのことです。大変ですね。

展示は豊田市美術館のコレクションから150点を選りすぐって、「世界を開く」をキーワードに4つのテーマに分けて紹介する、というもの。4つのテーマは「身体」「日常」「歴史・記憶・社会」「まだ見ぬ世界」です。ざっと各テーマの意味と気になった作品についてメモしておきます。ちなみに展示作品は全て撮影OKでした。

第1章の「身体」を開く、では「19世紀末から現代までの人の体=『身体』をテーマにした作品を紹介します」とのこと。身体を表現すると一言で言っても、実際の表現は多種多様です。19世紀末の作品はムンクとアンソール、ロッソで、現代は塩田千春と加藤泉、坂本夏子、村瀬恭子、森千裕といったところ。ちなみに最初に目に入るのは塩田千春の《不在との対話》と加藤泉の《無題》(写真下)。

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エゴン・シーレの《カール・グリュンヴァルトの肖像》とかルネ・マグリットの《無謀な企て》とかもある。

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それから、アルベルト・ジャコメッティの《ディエゴの胸像》もある。
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第2章は「日常」を開く。「私たちの身の回りの世界を形づくるさまざまな要素を見つめ直し、新しい見方や考え方を提示した作り手たちの表現を紹介します」とのこと。という文脈で会田誠の《あぜ道》(写真下)を見ると、冗談も新しい見方という気がしてきた。ただし、この冗談、技法的には相当に真剣なんだろうけどね。

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まあ、よりストイックな方向にいくと日高理恵子の《樹を見上げて I》のようになる。

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こういう表現もあるんだとうのは、秋吉風人の《A Certain Aspect》のMountain 1と2。絵具の塊で山を創っている。純粋に色が面白い。

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こちらも、気になった。アルマン(ARMAN)の《Click-Click Flub》。古いカメラを何かで木枠に固定した作品。

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第3章は「歴史・記憶・社会」を開く。この章では、美術だけどダークサイド的な作品を取り上げてます。「ここでは、当館がまとまりのあるコレクションを有するアルテ・ポーヴェラ(貧しい美術)と呼ばれる国際的な芸術動向や、現代日本の作家たちの作品を取り上げます」とのこと。ちなみにアルテ・ポーヴェラはイタリア語です。例えば下の写真の作品、マリオ・メルツの《廃棄される新聞、自然、蝸牛の体のうちに、空間の力として継起する螺旋がある》。

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こちらもアルテ・ポーヴェラ。ミケランジェロ・ピストレットの《ぼろぎれのヴィーナス》。

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村上隆の《R.P.(ランドセル・プロジェクト)》。ワシントン条約で取引が禁止されているタテゴトアザラシ、カイマンワニ、カバ、ダチョウなどの稀少動物の皮で作られたランドセルを展示する、という皮肉な作品。

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こちらは榎忠の《秘密基地 You're on call at the "HUSH-HUSH"》。

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山口啓介の《象の檻(青)》。たぶん沖縄の楚辺通信所のこと。これを見ていた年配の方が、これがどうして象の檻なのかと、つぶやいていたのが印象深い。

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第4章は「まだ見ぬ世界」を開く。抽象画の世界です。どういう抽象画かというと例えば、ルーチョ・フォンターナの《空間概念》。

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あるいは、この釘だらけの作品。ギュンター・ユッカーの《変動する白の場》。

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横から見ると下のようになる。

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日本の作家も負けてないですね。黒い絵です。村上友晴の《無題》。
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なんとなく、マットな黒なんですが、近づくと
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こんな感じです。

コレクションの幅の広さに圧倒されましたね。


 

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