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2019.08.12

東京都美術館で「伊庭靖子展 まなざしのあわい」を見る

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東京都美術館で「伊庭靖子展 まなざしのあわい」(800円:2019/7/20-10/9)を見た。伊庭靖子は1967年生まれの画家。京都市出身で嵯峨美術短期大学版画科専攻科修了。「自ら撮影した写真をもとに絵画を描いている」(図録の解説「まなざしのあわい―「見る」ことを問う」より、大橋菜都子著)とのことで、レンズを通した画像をキャンバスに移していく描き方で、フォトリアルな絵を描くのだけど、単純なフォトリアルでもなく、光の描き方に独特な味わいがある。

展示会ではクッションとか枕を描いたシリーズのあと、食器とか花瓶を描いたシリーズ、シルクスクリーンによるモノクロの風景画、最後に映像インスタレーションが展示されている。結構、多彩です。少なくとも、油彩の枕の絵と花瓶の絵は一連の流れのなかにあるけど、後半のシルクスクリーンや映像インスタレーションについては、同じ作家のモノとはあまり思えない。

作品的に分かりやすいのは枕の絵かもしれない。ぱっと見は巨大な写真で、見慣れるとフォトリアルな絵画とわかるのだけど、ただのフォトリアルな絵画でもなく、布に光が当たっている感じが写真以上にリアルに表現されている。食器とか花瓶を描いたシリーズは、何となくジョルジュ・モランディを思い出させてくれて、スーパーリアルなモランディという気もしたが、そう単純でもない。というのは、上の写真のような作品がそこそこ点数があるからだ。図録に掲載された作者へのインタビューでは「アクリルボックスのシリーズ」と呼んでいる。どうやらアクリル板を使って映り込みや反射などの光を絵画のなかに反映しているようだ。

ちなみに、図録には、伊庭へのインタビュー、東京都美術館の学芸員、大橋菜都子による解説「まなざしのあわい―「見る」ことを問う」と美術評論家の清水穣による解説「不可視性に触れる―伊庭靖子の絵画」が掲載されている。大橋の解説ではモネを引き合いにだし、清水の解説ではゲルハルト・リヒターを引き合いにだしている。モネとリヒターの比較でみると、ちょっと味わい深いような気がする。

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