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2019.11.21

目黒区立美術館で「線の迷宮〈ラビリンス〉Ⅲ 齋藤芽生とフローラの神殿」を見る

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目黒区立美術館で「線の迷宮〈ラビリンス〉Ⅲ 齋藤芽生とフローラの神殿」(800円:2019/10/12-12/1)を見た。齋藤芽生(さいとうめお)は1973年生まれの画家。現在は東京藝大の油画科の准教授です。IIIとあるように「線の迷宮」とした企画展は3回目で、最初が2002年の細密版画、次が2007年の鉛筆画だったそうだ。どちらもモノクロな感じですが、今回はかなりカラフルです。ちなみに「齋藤芽生とフローラの神殿」とあるのは、画家の齋藤芽生の作品と19世紀植物図鑑の名作《フローラの神殿》の2つのシリーズを展示しているということなんですが、行って実際に見るまでよく分かりませんでした。

《フローラの神殿》は多色刷りの銅版画で、植物図鑑ではあるのだけど、普通の植物図鑑のように植物単体が描かれているのではなく、植物が育っている自然環境と共に描くというのがユニークなところです。まあ一種の風景画というか、自然環境で描いた植物のポートレイトという感じ。

一方、齋藤芽生の絵は細密でおどろおどろしいというかダイナミックな色使いです。展示は花、窓、旅をテーマに3つのパートに分かれていて、最初の花のところに齋藤作品と《フローラの神殿》 が展示されている。花のパートにあるのが下の写真の作品。タイトルは《徒花園》。

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この中で、右端にある作品をクローズアップすると下のようになります。タイトルは《毛玉鶏頭》。

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ほかの作品も、なかなかおどろおどろしく、いい感じです。なんとなく、タイトルの付け方とか、作品に付随する長めのテキストとか、あるいは連作の立て付けとか、赤瀬川原平さんの作品を思い出すのですが、うまく説明できない。

 

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2019.11.18

千葉市美術館で「目  非常にはっきりとわからない」を見る

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千葉市美術館で「目  非常にはっきりとわからない」(1200円:2019/11/2-12/28)を見た。「」はグループの名前で、現在の中心メンバーはアーティスト荒神明香、ディレクター南川憲二、インストーラー増井宏文の3人らしい。「手法やジャンルにはこだわらず、展示空間や観客を含めた状況、導線を重視」とのこと。今回の展示は「本展では、展示物に加え、鑑賞者の動きや気づきを含む千葉市美術館の施設全体の状況をインスタレーション作品として展開し、突き放された現実としての美術館に人々を誘います」とのこと。

つまり、どういう感じかというと、なかは準備中な感じで、作品らしきものは梱包されたままだったり、展示されている作品を見ていると、いかにも工事業者風の方々が作品にカバーを掛けたりしている。ちなみに下の写真は1階の「さや堂」ですが、これからなんかある、という感じですが、既に会期中です。

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こちらは8階かな。展示スペースではなく、展示会場の前のスペースですが、いろいろと工事中な感じです。

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面白いのは8階と7階で展示しているのだけど、その一部には同じ作品が展示されていた。なんかデジャブ感があって、だまし絵のような、仕掛けがあって面白かった。ちなみに、正規の入場料を支払った場合は、会期中何回でもはいることができる、とのこと。つまり、どんどん変わっていく可能性がある展示、ということらしい。また行くか、と思ってます。

えーと、展示会図録は予約中でした。税込2800円で12月末に発売予定とのこと。

追記
もう一回、行って見ました。最初に行ったときはできあがってなかった部分もできあがっていたように見えます。で、8階と7階は同じモノが並んでました。でも微妙に違う気がします。これって間違い探しかもしれない、と思う今日この頃です。まあ図録で答え合わせができるのかもしれないです。

追記 その2
図録はまだ届きませんが、目次情報は公開されてました。Twitterによると2月発送だそうです。

追記 その3
図録が届きました。1月16日です。Twitterの千葉市美術館のアカウントによると「12/13(金)までにご購入いただいた方へは、昨日1/15(水)にレターパックにて発送させていただきました。」とのこと。

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よく分からないのだけど、複数の大きさの違う冊子を1冊に無理矢理綴じた感じです。

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上の写真はかがり綴じの部分。段差があります。

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というわけで、1ページ目のめくるとこうなります。さて読んでみるか。

 

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2019.11.14

富山市ガラス美術館で「リノ・タリアピエトラ ライフ・イン・グラス」を見る

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富山市ガラス美術館で「リノ・タリアピエトラ ライフ・イン・グラス」(1000円:2019/10/12-2020/2/9)を見た。上の写真は会場風景です。富山市には年に1回いくことがあって、今年もたまたま行けたので拝見。この美術館が入っている「TOYAMA キラリ」という建物は隈研吾が設計したもので、外観は石材とかガラスとかでソリッドな感じなんだけど、内側は木の板を使っていわゆる温もりのある空間に仕上がっている。

えーと、下が外観です。たぶん3年前に撮影しました。

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こちらが内側。

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上の写真は2階から撮影したものです。1階は総合案内がある程度でわりとなにもないのですが、2階はカフェとかミュージアムショップがある。6階まであって建物の半分が美術館で、残りは市立図書館という構成です。

でまあ、この美術館の3階と2階でやっていた企画展が「リノ・タリアピエトラ ライフ・イン・グラス」です。リノ・タリアピエトラは現代ガス芸術の巨匠だそうで、1934年生まれのイタリアの方です。この美術館は3階の受付から入って3階の展示会場を見て、階段降りて2階の展示会場を見るようになっている。なぜか、今回は3階の会場は写真撮影がOKでしたので、気になった作品の写真を掲載しておきます。

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タイトルは不明。確か最初に展示されていた作品。

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こちらは《バットマン》というタイトルの作品。

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こちらは《トルティーコ》というタイトルの作品。

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《アヴェンチュラ》という作品。ライティングがうまい。とまあ、なかなか複雑な造形です。

ちなみに富山市は市の施策としてガラス産業、それも工芸とかアート作品としてのガラスに取り組んでいて、富山ガラス造形研究所というガラス造形教育の専門機関とか、富山ガラス工房という生産拠点も備えている、とのこと。下の写真は富山ガラス工房で作られたらしい「O-CHOCO」というシリーズ。酒器です。TOYAMA キラリの2階にあるミュージアムショップにありました。ちょっと買いたくなりました。

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2019.11.10

神奈川県民ホールギャラリーで「やなぎみわ展 神話機械」を見る

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神奈川県民ホールギャラリーで「やなぎみわ展 神話機械」(1000円:2019/10/20-12/1)を見た。やなぎみわの過去の作品、《エレベーター・ガール》(1996年)、《マイ・グランドマザーズ》(2001年)、《フェアリー・テール》(2004年)の展示と、新作の《神話機械》と《女神と男神が桃の木の下で別れる》、そして演劇関連の資料展示で構成されてます。やなぎみわの作品は最終的な出力は写真になるのですが、写真になるまでの作り込みが尋常ではない。物語があってその物語の絶頂の瞬間を写真にする、という感じだ。初期の《エレベーター・ガール》は計算しきった映像だけど、《マイ・グランドマザーズ》とか《フェアリー・テール》はもう少し、偶然性が紛れ込んでいるような気がする。まあ偶然性が紛れ込んだように見た方が写真としては面白い。

そして新作の《神話機械》と《女神と男神が桃の木の下で別れる》ですが、《神話機械》は4台のマシンを使った演劇仕立ての作品で、《女神と男神が桃の木の下で別れる》は作り込みのほとんどないストレートな写真作品です。

《女神と男神が桃の木の下で別れる》は「たわわに実をつけた枝ぶりの豊かな桃の老木を、夜の桃園で撮影したもの」(カタログから)で、おそらくは桃の木を木の下からライトアップして、桃の赤い実と緑色の葉が暗闇に浮かび上がるように撮影している。上の看板の写真のような感じです。この写真を真っ暗な部屋でプリントされた写真にライトをあてて展示していた。ちなみにプリントサイズは160×285cmとそこそこ大きい。ここで桃を取り上げているのは、古事記にあるイザナミとイザナギの物語で、イザナミを探しに黄泉の国に降りたイザナギがいろいろあって戻るときに黄泉の国と現世の端境にある黄泉比良坂で、追いかけてくるイザナミの追っ手に、桃の実をなげてなんとか逃げ切った、というのがあるから、とのこと。

もう一つの《神話機械》は4台のマシンが演じる演劇で、決まった時間に始まる。パンフレットには「平日…11:00/15:00、土・日・祝…11:00/14:00/16:00」とある。見に行ったときは土曜の15時に到着して、16時の回を拝見しました。観客は何人かいたように見えたけど、実は会場のスタッフで、お客は私だけでした。ちなみに始まる前の状態は下の写真のようになります。

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4体のマシンですが、上の写真の一番手前にあるのがメインマシンの「タレイア」、おそらくは木造の投擲マシン「ムネーメー」、背後の壁に足の影が映っている「のたうちマシン」と呼ばれている「メルボメネー」、その左にあってこれも影が映っている振動マシン「テルプシコラー」。いずれもギリシャ神話に登場する文芸を司る女神の名前だそうです。

タレイアが舞台を動き回って台詞を流し、そして光る。その間にかどうか曖昧ですが、振動マシンのテルプシコラーが音を立てて光を発しながら揺れたり、のたうちマシンのメルボメネーがごそごそと動いたりします。で、投擲マシンのムネーメーが、髑髏を壁に向かって投げつけるのですが、なんか不思議な世界です。

まずタレイアが舞台を動き回り始めます。それも発光してる色を変えながら。
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その後、髑髏を壁に向かって投げつけます。

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タレイアは舞台を一周します。

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こちらが、壁に投げつける髑髏。

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2019.11.01

黒部市美術館で「風間サチコ展 コンクリート組曲」を見る

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黒部市美術館で「風間サチコ展 コンクリート組曲」(500円:2019/10/12-12/22)を見た。風間サチコは1972年生まれの美術作家。巨大な木版画、それも黒一色の作品を制作している。おそらく1点しか刷らない。だから木版画なのに版画の余白に5/15とか書かれた、エディションナンバーがない。黒部市美術館による解説では「風間は、黒一色の濃淡で表現された木版画を主に制作しています。近現代の社会的な事象への関心を起点として、その根源や本質を、いくつもの過去の事例を参照することで露にしていきます。批判的な精神を持ちながらも、コミカルな表現や独自の物語世界を構築することで、感傷的なところからは距離をとる姿勢が貫かれています」としてます。なんとなくテーマや線のタッチから赤瀬川源平さんの櫻画報とかを思い出していた。

今回は会場内は撮影OKでしたので、以下写真を掲載しておきます。

今回のテーマはコンクリートを用いた土木技術としての黒部ダムなんでしょう。それを表したのが《クロベゴルド》という6点の木版画による作品。とりあえずそのうちの3点が下の写真。大きさは130×91.5cm。
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下の写真は《ディスリンピック 2680》。埼玉県東松山市の原爆の図丸木美術館で2018年に展示した作品。こちらは242.4×640.5cmの巨大な作品。

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ちなみに黒部市美術館は、1階建ての小ぶりな美術館でした。天気はあまりよくなかったので、とっとと冨山市に戻ってしまったけど眺めはよさそう。美術館の入口は下のようになります。まあ、最大の弱点は駅から歩いて25分ぐらいかかること。そして、その途中は何もないというか、天気が悪かったら、あまり歩きたくない道だということ、かな。
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