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2019.12.23

平塚市美術館で「糸賀英恵展 うつろいのかたち」を見る

茅ヶ崎市美術館に行くついでに、一駅先にある平塚市の平塚市美術館にも行ってみた。平塚市美術館では「糸賀英恵展 うつろいのかたち」(無料:2019/12/14-2020/4/5)と「冬の所蔵品展―パフォーマンスする絵画」(200円:2019/12/14-2020/2/24)を開催してました。

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糸賀英恵展は1階と2階のロビーに展示してました。このため無料です。作品は立体物で、銅の板を金槌で叩き、溶接して作るそうです。鍛金というらしい。上の写真のようなたたずまいです。ちなみにタイトルは《朱をたぐる》。クローズアップすると下のようになります。なんとなく諸星大二郎のSFマンガとかに出てきそうな感じです。

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所蔵品展の方は、福田美蘭の《見返り美人 鏡面群像図》にひかれて見に行ったのですが、面白かったのは石井礼子という作家の《私の周囲》シリーズ。ぱっと見、俯瞰したところを細々と描き込んだ絵だけど、よく見ると複数の視点が組み込まれていて面白い。ちなみにモノクロで「日本画の素材である雲肌麻紙に割り箸と墨を使う」という手法で描かれている。残念なことに作家は2019年11月に45歳で亡くなってしまった。かなり残念。

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2019.12.20

茅ヶ崎市美術館で「城田圭介 -写真はもとより PAINT, SEEING PHOTOS-」を見る

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茅ヶ崎市美術館で「城田圭介 -写真はもとより PAINT, SEEING PHOTOS-」(500円:2019/12/14-2020/2/11)を見た。茅ヶ崎市美術館はJR茅ヶ崎駅から海の方に8分ほど歩いたところにある。高砂緑地という小高い丘の上に建ってます(写真上)。

城田圭介は1975年生まれ。写真を使った作品を制作しているのだけど、ちょっと普通の方法ではない。まず、対象となる写真は、よくあるスナップ写真で、割と大量に人物が写っているモノ。今回、この企画展を見に行く気になったきっかけは、美術館のサイトで見た「写真から人物のみを抽出し描いた絵画作品」が妙に印象深かったからだ。背景は無地でそこに大勢の人が並んでいるのだけど、背景が妙に広々としている。下のような絵だった。この絵のタイトルは《August 15,2018(Nijubashi Bridge)》。制作年は2019年。ちなみに会場で作品の撮影はOKでしたので気になった作品を掲載しておきます。

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上の《August 15,2018(Nijubashi Bridge)》はTouristシリーズの一つで、観光地を写した写真の中から人物のみを抽出しキャンバスに油彩で描いたもの。一方、下の写真はその逆になる。人がいなくて風景だけが残っている。

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タイトルは《遺跡と落書きがある風景》。制作年は2019年。一瞬、なんだか分からないのだけど、よく見ると、薄く人のシルエットが見える。下の写真はこの作品の右側を拡大したモノだけど、幽霊のように人のいた跡がある。Landscapeというシリーズで「写真のなかの人物の部分のみ、あたかも消すようにその背景描写で埋めた」ものだ。

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A Sence of Distanceというシリーズも面白い。なんでもない風景をスナップした写真がキャンバスに貼ってあって、その写真の周囲に風景を描きたしていく作品。写真の部分はカラーで追加で描かれた部分はモノクロです。下の作品のタイトルは《A Sence of Distance #12》。制作年は2003年。

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これらの作品を見て、改めて考えたくなるのは、写真と絵画の関係だろう。

作者は「日々の生にリアリティを求めること」と日常にあふれるスナップ写真を見ることは等しい、としている。一方でそういったスナップ写真を見続けるのは退屈で凡庸さを再確認するだけになる。そこで描くことで、あるいは背景で塗りつぶすことで、その写真を鑑賞にたえるものにできる、ということらしい。

このへんの考え方は、カタログ(1800円)にある写真家の鈴木理策との対談で語っているのだけど、それに対する鈴木理策の対応も面白い。

 

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2019.12.15

体調不良中年日記 動脈硬化編 入院して気になったこと

初めて入院しました。まあ大病院に入院したので、大きな問題はなかったのですが、以下の点が気になりました。
・費用
・入院中の着るもの、履き物
・パソコン、スマホやタブレットの持ち込みと使用環境
・暇つぶし

まず入院と治療費用。入院時にクレジットカードの情報を提出しました。この病院では、入院時に保証人を登録するか、クレジットカードの情報を登録するかの二者択一です。保証人として奥様の情報を出したら、家計を同じくする場合はNGとのこと。家計は別ですが、と食い下がったら、住所が同じ場合はNGとのことでした。まあ、どちらにしてもクレジットカードで支払うつもりなので、問題はないのですが。

日曜に退院したのですが、費用は次に通院したときに支払う、ということになりました。だたし、金額が退院時には分からないとのことで、後日、電話で聞くことになりました。翌日、電話したら、請求書をこれから送りますが、金額を今、知りたいですかと言われて、そりゃ知りたいので、聞いたところ、そこそこ高額でした。一応、限度額適用認定証を提示しているので、多少は抑えられているけど…。請求書が届いたので、診療点数をみたところ、85818点でした。つまり85万8180円ということになる。

高額療養費制度という医療費の負担を抑える制度があって、年齢と所得に応じて上限額が決まっています。限度額適用認定証は、その上限を示す区分を示したもので、加入している健康保険組合に交付してもらいます。区分と限度額の算出方法は以下のようになる。

 所得区分  自己負担限度額
①区分ア  252,600円+
(総医療費-842,000円)×1%
標準報酬月額83万円以上
報酬月額81万円以上
②区分イ  167,400円+
(総医療費-558,000円)×1%
標準報酬月額53万~79万円
報酬月額51万5千円以上~81万円未満
③区分ウ 80,100円+
(総医療費-267,000円)×1%
標準報酬月額28万~50万円
報酬月額27万円以上~51万5千円未満
④区分エ  57,600円
標準報酬月額26万円以下
報酬月額27万円未満
⑤区分オ(低所得者)  35,400円
被保険者が市区町村民税の非課税者等

通常は3割負担ですから85万8180円の3割は25万7454円となるのですが
区分アなら
252600+(858180-842000)×1%=252761.8
区分イなら
167400+(858180-558,000円)×1%=17401.8
区分ウなら
80199+(858180-267000)×1%=86110.8
といった金額になる。小数点以下は四捨五入すると思われます。一番上の区分アだと年収1000万円程度でしょう。その場合は、3割負担よりは少し安くなるといったところ。

入院中に着るものは、下着しか持ち込まず、甚平型の患者着をレンタルしました。タオル込みで500円でした。履き物はスリッパとかでいいかなと思ってましたが、スリッパはNGでした。「スリッパはつまずきやすくキケンですので、おやめください」とのこと。履き慣れたかかとの低い靴を奨励しています。ちなみに持ち込んだのは、スニーカー風の靴、洗面道具、ティッシュペーパー1箱、お箸、コップといったところ。あと携帯ラジオとタブレット、スマホ、パソコン、モバイルバッテリーも持って行きました。

パソコンは使えました。といってもWi-Fiもないので、4Gの携帯電話網を使って、通信しておりました。軽めの仕事は問題なし。まあ暇つぶしにはiPad miniを持ち込んで、ニュースを見たり、新聞電子版や電子書籍を読んだりしてました。ラジオも持って行ったので、結局、テレビは見なかった。スマホやiPad mini用のモバイルバッテリーは3本、持って行きました。10000mAhが2本、20000mAhが1本。これで十分でした。

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2019.12.13

体調不良中年日記 動脈硬化編 心臓カテーテルの巻

心室期外収縮が見つかって心臓カテーテル検査を受けることになった。3泊4日の日程で、入院して検査するのだけど、問題があれば、検査してそのまま治療する、というパターンのようです。初日は心エコーと血液検査程度でおしまい。翌日のカテーテル検査を目指して、食事も病院食です。2日目でカテーテル検査、3日目で経過観察、4日目で退院となります。

カテーテルというのは直径約1mmで長さ1m程度の細長い管です。これを足の付け根、手首、ひじなどにある動脈から血管内に入れて、心臓まで挿入して、検査します。巨大なレントゲン装置を使って、その動きを観察しながら作業が進みます。

カテーテル検査の準備として、毛をそります。バリカンみたいなものを渡されて、自分で剃りました。手首からカテーテルを入れるということでしたので、手首のところだけでいいのではないかと思ってましたが、悲しいことに、もしだめだった場合のために、足の付け根からいれることも考慮して、下半身の毛も剃ることになりました。これも自分で剃りました。そして当然、おむつをはきました。足の付け根から入れる場合の準備はそこそこ大変で、固定するために太ももの辺りにテープを巻いたりします。結局、使いませんでしたが、いざというときの準備としては必要なようです。そして検査着を着ます。検査着は簡単に脱いだり着たりできるように、あちこちがボタンで留められています。

それから準備として、点滴をします。今回は左手からカテーテルを入れるので、右手に点滴をしました。

準備が終わったら、ストレッチャーに寝た状態で、検査室へ。検査装置は巨大なCTという感じです。おそらくはレントゲン装置が大小あって、それぞれにアームがついていて、自在に動き回ります。それで確認しながら検査するようです。レントゲン結果はリアルタイムで装置につながっている黒板のような大きさのディスプレイに映し出されます。私の検査に使った装置はサブディスプレイが2台ついていて、そこにもズームアップされた局部のレントゲン画像が表示されていました。

検査装置のベッドに移動して、準備開始。あっという間に尿瓶を装着されてました。左手首に麻酔を打って、その後は特に痛みはないのですが、何かが上腕の脇の下あたりを動いている感じがしました。まあ、それも一寸の間で、特に感じなくなりました。どうやら、心臓にカテーテルが達して、そこから造影剤を注入して冠動脈造影検査を実施したようです。

そして予定通り、風船治療とステント治療を実施しました。動脈の狭くなっているところに風船を付けたカテーテルを入れて、風船を膨らまして、狭くなった動脈を広げる。これが風船治療です。広げた後は風船を抜き取ります。風船で広げるときに、ステントというステンレス製の網目状の筒を入れて膨らますのがステント治療で、より確実に広げることができるそうです。再度、狭くなる率も低くなる、とのことです。今回は2つ、ステントを入れたそうです。

ステント治療の場合「ステントに血栓(血の塊)ができて、急に閉塞する場合がありますので、これを防ぐために、治療後の2~4週間はチクロピジン、アスピリンなどの薬の服用が必要です」とのこと。確かに血液がさらさらになる薬が1つ増えました。

これで、無事終了。手首を圧迫して止血。小型の心電図モニターを付けて常時はかるほか、定期的に心電図をとります。そして、引き続き点滴をします。たぶん生理食塩水でしょう。点滴をして、水分もできるだけとるため、大量に小便がでます。就寝後も4回、トイレに行きました。造影剤を投与したため、これを体外に排出するためです。面白いのは小便をカップにとって、その量をはかること。500mlは入る紙コップに小便を入れて、量をはかる装置に入れて測定します。量と比重が表示されます。手首の止血は夜に終わって、点滴は翌日の昼に終了しました。点滴が終わった段階で小便の量をはかる必要もなくなりました。

点滴が終わったので、病院の1階にあるコンビニに行けるかと思ったら、まだだめ、とのこと。車椅子に乗って行くことになるらしい。しょうが無いので、家内がきたときに飲み物を買ってきてもらいました。まあ心小型の電図モニターを付けているので、まだ経過観察中ということらしい。そのまま暇を潰しながら、1日を過ごし、翌日退院しました。

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体調不良中年日記 動脈硬化編 心室期外収縮の巻

毎年、人間ドックを受診している。特に大きな問題もないだろうと、高をくくっていたが、今年はそうもいかなかった。心電図検査で「医師に相談し、精密検査をお受けください」とコメントされてしまったのだ。安静時心電図で「心室期外収縮」があった、とのこと。とりあえず、循環器内科の専門医に診療してもらった。

「心室期外収縮」とは不整脈の一種で心電図に現れる脈の山型の波形の部分が太くなるらしいのだが、診察のときに見せてもらった心電図では、1カ所だけ乱れている部分があったという感じで、その乱れ方も太くなる、というよりは全体に乱れている、といった感じでした。

医師からまずは、心臓のCTを撮る、そして心エコー、心肺運動負荷試験を受ける、としましょうと指示を受けた。CTで動脈硬化があるかどうかを画像で診断し、負荷試験とエコーで心臓に負担がかかっているかどうかを機能的に確認する、ということらしい。まあ実際に特に痛みもなく、自覚症状がないため、まずは不整脈の原因を探りましょう、ということらしい。たまたま心臓CT、エコー、負荷試験の順に受けることになってましたが、まあ、結果的にはそれがよかったようです。ちなみに9月30日に人間ドックを受けて、結果を受け取ったのが10月末。即再検査を申し込んで、11月5日に診断を受け、11月11日に心臓CTを撮りました。心臓CTを撮影したのは、人間ドックを受診した病院ではなく、心臓画像の専門クリニックです。

CTの前に心電図の検査を受け、それからCTを撮りました。このときは造影剤を点滴して撮影。即結果がでて、5カ所に狭窄があって、そのうち1カ所は有意狭窄がある、ということが分かりました。つまり、少なくとも1カ所は問題があって、冠動脈の一部が塞がりつつあるということらしい。その日は、即、人間ドックを受けた病院に連絡して、再度、診療してもらいました。当初、診察の予定は、エコーとか負荷試験のあと、ざっと2カ月先でしたが、結果を見る限り、とてもノンビリしてられない状態でした。

その日は、別の循環器の専門医師に見てもらって、とりあえず薬を処方してもらいました。いわゆる、血液がさらさらになる薬を飲むことになりました。翌週、11月19日に再度、主治医の診療を受け、翌週の11月25日に心エコーを撮り、CTを撮ることにして、そこで今後の方針を決めることになりました。まあ、心エコーの結果、狭心症があることが明らかになり、12月5日から検査入院ということになりました。

さて、主治医によると、私の血管は石灰化はしてないが、柔らかいプラークがたまっていて、ある意味危険らしい。この辺が進むと、大杉漣さんとか阿藤快さんとか急死したのと同じことになる。まあ死に至る病です。一方で、心臓CTの解像度はそんなに正確ではないらしく、実際に心臓カテーテル検査で見てみないと分からないらしい。まあ、大腸内視鏡検査をしてみないと分からないのと同じような感じでしょうか。

というわけで心電図の異常が見つかって、あっという間に心臓カテーテル検査を受けることになりました。まあ、割と不思議なのは自覚症状がほとんどないこと。そして心電図も異常があったのは人間ドックのときもものだけで、ほかの心電図検査では異常が見つからなかったこと。というわけで、ざっと分かったことをまとめると
・心電図で異常が見つかった場合は躊躇することなく専門医に相談する。
・心疾患の診断には画像診断(心臓CT)と機能診断(負荷検査とか心エコー)がある。
といったところです。

心臓カテーテル検査についてはこちらで

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2019.12.09

ワタリウム美術館で「フィリップ・パレーノ展 オブジェが語りはじめると」を見る

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ワタリウム美術館で「フィリップ・パレーノ展 オブジェが語りはじめると」(1000円:2019/11/2- 2020/3/22)を見た。フィリップ・パレーノは1964年アルジェリア生まれ、パリ在住のアーティスト。 「この展覧会は、1994年から2006年にかけて制作された作品―オブジェのプレゼンテーション、あるいは再構成である。」とのこと。まあ私のお気に入りは、上の写真、「吹き出し(白)」という作品。これを見るために1000円払ったと思うとかえってすがすがしい感じがしなくもない。ちなみに壁は「壁紙 マリリン」という作品。
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というのは、「しゃべる石」(写真上)は沈黙してたし、「リアリティー・パークの雪だるま」(写真下)はほぼ溶けていた。まあ、また別のタイミングで行くと、もうちょっと別の形をしているのかもしれないが…。
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「マーキー」(写真下)もあまりピンとこなかった。ただ光っているだけにしか見えなかった。
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2019.12.01

東京都庭園美術館で「アジアのイメージ―日本美術の『東洋憧憬』」を見る

東京都庭園美術館で「アジアのイメージ―日本美術の『東洋憧憬』」(1000円:2019/10/12-2020/1/13)を見た。「およそ1910~60年頃にかけてのことですが、日本の知識人、美術愛好家、美術作家たちがアジアの古典美術に憧れた時期がありました」とのこと。1910年は明治末期(明治43年)で1960年は昭和の真ん中(昭和35年)あたり。この企画展では、そういったアジアへの回帰現象とその成果を、本館の旧朝香宮邸で見せてくれる。そして、「アジアへの憧れは、1960年頃に表舞台からフェードアウトしますが、その後どのように深化されているのでしょうか。新館ギャラリーでは、3人の現代作家に表現していただきました」として新館で画家の岡村桂三郎、漆芸家の田中信行 、ファッションデザイナーの山縣良和 の作品を展示している。

この企画展で面白かったのは、1910~1960年にかけてアジアの古典美術ブームが日本で起きたことを絵画と工芸の両面で解説していることです。まあ、いろいろと知らなかったことがあって発見はありました。ざっと列記すると以下のようになる。

・「アジアの古美術への憧れ」の背景は日本の財界人の茶の湯ブーム
・チャイナドレスは和製英語
・岸田劉生の静物画に描かれている陶磁器はバーナード・リーチによるもの

あたりかな。

ちなみに、新館に展示された3人の作家の作品は撮影OKでしたので、以下に掲載しておきます。

デザイナーの山縣良和によるインスタレーション《Tug of War 狸の綱引き》。どうやら日本とアジア、あるいは欧米とアジアの関係を表した作品らしい。
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岡村桂三郎の《百眼の白澤》。白澤は中国明代の百科事典「三才図会」にもある霊獣です。

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田中信行の漆芸作品。タイトルは分かりませんでした。

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