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2020.01.04

府中市美術館で「青木野枝 霧と鉄と山と」を見る

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府中市美術館で「青木野枝 霧と鉄と山と」(700円:2019/12/14-2020/3/1)を見た。青木野枝は1958年、東京生まれの彫刻家。鉄を溶接したり溶断したりして作品を制作している。作品は基本的に大きい。そして会場に合わせて制作されるので、作品はタイトルが同じでも大きさは違うように見える。どう大きいかというと、例えば下の写真は《霧と山-Ⅱ》というタイトルの作品で、府中市美術館の1階吹き抜けに立っている。おそらく高さ8mぐらいはあるのだろうか? 鉄の輪2個とその間に鉄の棒が5本、そしておそらくはポリカーボネート製の波板で構成されている。美術館に入ると目の前にこの2つがどーんと並んでいて、割と圧巻なのだけど、細いからすぐに圧力を感じなくなる。

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下の写真は小さい作品。タイトルは《立山/府中》。鉄製のテーブルにカラフルな石鹸がいくつも積み上がっている作品。石鹸は一般募集された使いかけのモノ。一見の色としてキレイなのですが、公式図録に掲載された寺尾紗穂による解説では、作者の青木のイメージは「石鹸の塔について、恐山に積んであるような賽の河原の石積み」と書かれていて、なかなか一筋縄ではいかない感じ。ちなみに石鹸については「ウクライナではナチの犠牲者のお墓に石鹸を供える」といった話もあって、これまた深い感じ。いずれにしても、青木の作品は再生と解体を繰り返す、一瞬のモノ達なのだろうと、それくらいは感じることができた。

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まあ全体的に地味ですが、撮影不可の会場内の作品達は、スペースをゆったりと使って展示されているので、そこそこ迫力がある。今回は上の2点を含めて、8つの立体作品とスケッチやドローイングが公開されています。鉄だけではなく、鉄とガラスを組み合わせた作品や、石膏を使った小山のような作品とか印象深い。

ちなみに一番の疑問はどうやって搬入したのか、そして搬出するのかです。答えはわりと単純で、鉄の輪とか棒とかはそのまま搬入して、その場で溶接するということ。搬出時には溶断して持ち出す、そうです。つまり再生と解体を繰り返す、ということです。

さらにちなみに、公式図録は書店でも購入できる。タイトルは「流れのなかにほかりのかたまり」(左右社:2200円)。残念なことに府中市美術館での展示会場は撮影されてませんが、制作過程をがっちりドキュメントしてたり、インタビューがあったり、寺尾紗穂による解説的レポートもあるので、そこそこお買い得かと思います。

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