カテゴリー「art」の記事

2019.08.21

水戸芸術館で「大竹伸朗 ビル景 1978-2019」を見る

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水戸芸術館で「大竹伸朗 ビル景 1978-2019」(900円:2019/7/13~10/6)を見た。大竹伸朗によると「「記憶」を通して意識的、無意識的(夢での光景など)、断続的に現れる「ビルのある風景」、それに付随する風景的イメージによる作品群を「ビル景シリーズ」とした」とのこと。基本的に抽象画だけど、抽象的な立体物もあるし、平面も大きな油絵から小さめのドローイングまである。そして展示点数は膨大で、会場で配布されていたリストを見ると606点になる。ちなみにこのリストは、「壁面・立体」と「机」に分けて作品をリスト化し、ナンバリングしているので、展示番号が同じモノがあり、最初は意味が分からなかった。「壁面・立体」は320点あり「机」は286点ある。

そして、ビル景シリーズを830点、時系列に収録した画集「大竹伸朗 ビル景 1978–2019」(税抜9800円)があって、この展示は画集のサブセットになっている。さらに、ちなみに会場で配布されたリストには「Cat. No」という項目があって、その番号は画集内の作品番号になっている。

ビル景シリーズは立体もあれば、平面もある。あっさりしたドローイングがあるし、ごってりとした油彩もある。ほぼ真っ黒なものから、パステル調の明るい色彩のものもある。そして短冊状の紙を貼った上に何かを描いているモノもある。手法的な共通点はあまりなく、なにかあるとすれば、作品のなかに四角い何か、つまりビルが描かれていることぐらいだろう。まあ、だからビル景シリーズなんだろう。

展示会場ではごく一部を除いて撮影可だったので、ざっと撮影してみた。その結果は以下のようなものだ。

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まあ、これだけバリエーションがあって、ほぼ40年間、断続的に描き続けているというは、驚きを超えて、不思議な感じがする。おそらく、キーワードは「夢での光景」なんだろう。夢なら毎日見ているし、おそらくは眠っている最中に複数の夢を見ているはずだから、それは膨大な数になるはずだ。というわけで、「ビル景シリーズ」は大竹の夢十夜のようなものなんだろうという、適当な結論にたどり着いて、安心しているところです。

 

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2019.08.12

東京都美術館で「伊庭靖子展 まなざしのあわい」を見る

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東京都美術館で「伊庭靖子展 まなざしのあわい」(800円:2019/7/20-10/9)を見た。伊庭靖子は1967年生まれの画家。京都市出身で嵯峨美術短期大学版画科専攻科修了。「自ら撮影した写真をもとに絵画を描いている」(図録の解説「まなざしのあわい―「見る」ことを問う」より、大橋菜都子著)とのことで、レンズを通した画像をキャンバスに移していく描き方で、フォトリアルな絵を描くのだけど、単純なフォトリアルでもなく、光の描き方に独特な味わいがある。

展示会ではクッションとか枕を描いたシリーズのあと、食器とか花瓶を描いたシリーズ、シルクスクリーンによるモノクロの風景画、最後に映像インスタレーションが展示されている。結構、多彩です。少なくとも、油彩の枕の絵と花瓶の絵は一連の流れのなかにあるけど、後半のシルクスクリーンや映像インスタレーションについては、同じ作家のモノとはあまり思えない。

作品的に分かりやすいのは枕の絵かもしれない。ぱっと見は巨大な写真で、見慣れるとフォトリアルな絵画とわかるのだけど、ただのフォトリアルな絵画でもなく、布に光が当たっている感じが写真以上にリアルに表現されている。食器とか花瓶を描いたシリーズは、何となくジョルジュ・モランディを思い出させてくれて、スーパーリアルなモランディという気もしたが、そう単純でもない。というのは、上の写真のような作品がそこそこ点数があるからだ。図録に掲載された作者へのインタビューでは「アクリルボックスのシリーズ」と呼んでいる。どうやらアクリル板を使って映り込みや反射などの光を絵画のなかに反映しているようだ。

ちなみに、図録には、伊庭へのインタビュー、東京都美術館の学芸員、大橋菜都子による解説「まなざしのあわい―「見る」ことを問う」と美術評論家の清水穣による解説「不可視性に触れる―伊庭靖子の絵画」が掲載されている。大橋の解説ではモネを引き合いにだし、清水の解説ではゲルハルト・リヒターを引き合いにだしている。モネとリヒターの比較でみると、ちょっと味わい深いような気がする。

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2019.08.05

千葉県立美術館で「千葉の新進作家vol.1 志村信裕 -残照-」を見る

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千葉県立美術館で「千葉の新進作家vol.1 志村信裕 -残照-」(300円:2019/7/13-9/23)を見た。「千葉県ゆかりの新進気鋭の作家を紹介し、現代の美術に親しむ展覧会シリーズ。初回となる今回は、千葉県在住の美術家・志村信裕の作品を展示します。」とのこと。千葉の美術館というと千葉市美術館の方が有名で、展示会も千葉市の方がメジャーな感じで、千葉県立美術館の展示会はなんとなくマイナーな感じです。2017年に版画家の深澤幸雄の展覧会を見にいきましたが、それ以来、特に気になる展示会もなかったので、訪れることもなかった。今回は2019年開催の「21st DOMANI・明日展」(レビュー記事はこちら)で初めて見た、志村信裕という作家が気になったので行ってみました。ちなみに、志村の作品はDOMANIで展示された羊に関するドキュメンタリー風の映像作品しか見たことがなかったので、まったくテイストの違う映像系のインスタレーションが拝見できるというのも、この炎天下、行ってみる気になった理由です。

会場に入って、最初に展示されているのが《jewel》という作品。照明を落とした会場で横長の大きなスクリーンに映像が投影されてます。きれいな色のボタンが飛んでいくもので、床にも反射して美しい。

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この裏側にあるのが《光の曝書》という作品で、台の上に乗った本の上にプロジェクションしたもの。ちなみに「今回は昭和6年に発行された『日本新名勝俳句』の頁に光をあてた」とのこと。

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その奥にあるのが《bucket garden》。名前のようにバケツのようなものが床に置いてあって、そこをのぞき込むと、いろんな色がきらきらと花火のように輝いている、というもの。

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さらに先に進むと《Dress》という作品が展示されている。半透明のリボンを大量にぶら下げて、そこに映像を投影した作品。ここはリボンをのれんのようにかき分けて、先に進みます。ここに投影されている映像は「隅田川と小名木川が交差する川面に映り込んだ夕日」とのこと。

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最後にあるのが《Nostalgia、Amnesia》という映像作品。羊に関する作品で、フランスのバスク地方、南西仏の小さな村、成田市三里塚でのフィールドワークから制作されている。この映像で、三里塚で牧羊していたことを知りました。牧場は成田空港のためになくなったということも、ですが。

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さて、千葉の新進作家vol.2は誰なのか?少々気になるところです。

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2019.08.01

東京ステーションギャラリーで「メスキータ」を見る

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東京ステーションギャラリーで「メスキータ」(1100円:2019/6/29-8/18)を見た。オランダで活躍した画家で、版画家で、デザイナーで、教育者でもあった「サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ」(1868-1944)の回顧展です。メスキータはユダヤ人であったため、ゲシュタポに1944年に逮捕されアウシュヴィッツで亡くなっている。この展覧会のキャッチコピーは「エッシャーが命懸けで守った男。」となっていて、その意味は教え子であったエッシャーなどの方々が、逮捕されたメスキータの作品を持ち出して、戦争中も守り抜き、戦後に展覧会を開いた、ということを示している、とのこと。作品を命がけで持ち出して守った方々がいなければ、日本でこうやって拝見することはできななかった、ということです。

こういうナチスがらみの悲劇を聞くと、作品は弾圧とか差別とか、負のイメージをまとっているかも、と思っていたのですが、そんなこともなく、斬新でユーモアに満ちている作品を次々と拝見することになる。逆にナチスによる悲劇がなければ、もっと作品が残っていただろうし、より長く生きて、より多くの作品が制作されたんだろうと思うわけです。

人物や動物を扱った作品が印象的でした。特に木版で、力強いタッチで立体的に見せる手法は斬新でした。

展覧会は、これから日本国内を巡回する予定とのこと。巡回先は以下の4館。
佐倉市立美術館(2020/1/25-3/22)
西宮市大谷記念美術館(2020/4/4-6/14)
宇都宮美術館(2020/7/5-8/30)
いわき市美術館(2020/9/12-10/25)

ちなみに図録はA4変形の大判で、かがり綴じになっていて、180度、きれいに開くものです。お値段は税込3080円です。

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2019.07.22

森美術館で「塩田千春展:魂がふるえる」を見る

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森美術館で「塩田千春展:魂がふるえる」(1800円:2019/6/20-10/27)を見た。塩田千春は1972年大阪生まれの美術家、現在はベルリン在住。鍵とか靴とかを大量に集めて、赤いひもで結んで、靴は扇状に並べ、鍵は網状にぶら下げたりしたインスタレーションを見た覚えがある。まあ、圧倒的な感じです。とりあえず、写真撮影がOKでしたので、ざっと並べておきます。

まず、赤い網状の空間、タイトルは《不確かな旅》。

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一方、黒い網状の空間、《静けさのなかで》。黒い空間です。奥の方に見える白いドレスは《時空の反射》という作品。

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大量のトランクが赤いロープでぶら下がっている。そして一部、揺れています。タイトルは《集積:目的地を求めて》。

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ミニチェアの家具、椅子とかピアノとかを赤い糸でつなげた作品。《小さな記憶をつなげて》。

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このほか、過去の作品、映像作品を含めた展示のほか、担当した舞台美術の映像なども展示してました。オペラなどの舞台美術で、網状の空間を使って作品があって、かなり面白い映像になっていました。オペラと現代美術の融合という感じす。

 

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2019.07.17

国立新美術館で「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime」を見る

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国立新美術館で「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime」(1600円:2019/6/12-9/2)を見た。クリスチャン・ボルタンスキーは1944年生まれのフランス人。今回の展覧会のWebサイトでは「現代のフランスを代表する作家 」と紹介してます。ボルタンスキーの父親はユダヤ人で、ナチス・ドイツのフランス侵攻のころは、いろいろと大変だったらしいが、ボルタンスキー自身はパリ開放の1944年8月の翌月に生まれている、とのこと。

これまで、見たことのあるボルタンスキーの作品は、例えば豊田市美術館や原美術館にある「聖遺物箱」とか横浜美術館にある「シャス高校の祭壇」など、何かの常設展とかコレクション展でほかのアーティストの作品と並んで展示されていた。単品で見ると現代アートのなかでもかなり異質なものでした。モノクロで大きく引きのばれた感じの人物の顔写真と電球、何らかの箱の組み合わせた、死の臭いがする作品です。ただし、これらの展示では、その作品の前を通り過ぎれば、別のアーティストの作品世界に入るわけで、すぐにリセットされてしまうわけです。

一方、今回の展示は会場内まるごとボルタンスキー作品です。それも普通の展覧会とは違って、タイトルや制作年がプリントされた作品の紹介パネルもないし、どこまでがその作品なのかも分からない。見ていくと、それはどうでもいいことのように思えてきます。まあ、作品解説のチラシをもらうのですが、会場内が暗くて見てられない、というのもあるのですが…。

白水社の雑誌「ふらんす」の2019年7月号に掲載された特集「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime」の記事で国立新美術館の主任研究員、山田由佳子さんによる「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime展の見どころ」というのがありまして、その記事によると「本展は大阪の国立国際美術館、長崎県美術館と共同で企画された。『空間のアーティスト』と自ら形容する作家は、展覧会全体をインスタレーション作品と考えている」と書かれておりました。まあ、まるごとボルタンスキーという見方でOKのようです。

いずれにしても、ボルタンスキーの回顧展なので、初期の作品から最新作までが展示されてます。

会場の一番奥とそこにつながる、廊下のような場所が撮影可でしたので、以下に写真を貼っておきます。ちなみに一番上の写真が奥に向かう廊下で幽霊とか悪魔とかいった感じの影絵が両側の白いカーテンに投影されてます。タイトルは《幽霊の廊下》です。この廊下の先には黒い巨大なものがあって、これが《ぼた山》という作品です。黒い衣類を積み上げた山です。その山頂を白色のライトが照らしてます。

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ぼた山の上には薄い布地に人物写真を印刷した布が大量にぶら下がっています。《スピリット》という作品で、100枚を超える布がゆらゆらと揺れています。

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奥の左側には巨大なスクリーンがあって、その前に白い紙を丸めたようなものが大量に置かれている。スクリーンには白い空間、おそらくは雪の積もった原野のようなところに風鈴がぶら下がった棒が並んでいる映像が投影されている。作品タイトルは《アニミスト(白)》。カナダで撮影したもので、上映時間は10時間36秒と長い。

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奥の右側にあるのが《ミステリオス》という作品。3つの巨大なスクリーンが配置されている。超広角のレンズがないと撮影できませんので2面のスクリーンを撮影しました。南米のパタゴニアで撮影したモノでテーマはクジラとのコミュニケーション。左側のスクリーンにはクジラの骨が置かれている。

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この展示階は大阪の国立国際美術館で2019年2月9日から5月6日まで開催してから、巡回してきたもので、次は長崎県美術館2019年10月18日から2020年1月5日にかけて開催される。カタログは市販の書籍です。タイトルは「クリスチャン・ボルタンスキー−Lifetime」でお値段は3240円。版元は水声社。杉本博司との対談が見どころかと思います。

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2019.07.05

東京都庭園美術館で「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」を見る

東京都庭園美術館で「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」(1100円:2019/4/20-7/7)を見た。これだけの数のキスリングの作品を見たのは初めてですが、おかげで、キスリングというと人物画という印象でしたが、そうでもないことがよく分かりました。人物画のほかに、花瓶に生けられた花束の絵も数多くあって、こちらもなかなか迫力のある美しさです。

それよりも、キスリングは
1.ポーランド系ユダヤ人で、第二次世界大戦中は米国に亡命していた。
2.エコール・ド・パリ時代は藤田嗣治とも親交があった。
という当たりが当時の写真の展示で示されておりました。なかなか興味深い。

 

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2019.07.02

ワタリウム美術館で「ジョン・ルーリー展 Walk this way」を見る

ワタリウム美術館で「ジョン・ルーリー展 Walk this way」(1000円:2019/4/5-7/7)を見た。ジョン・ルーリーについては、ジム・ジャームッシュ監督の映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」の主役という以外、知りませんでした。解説によると「1990年代後半、ジョン・ルーリーは「ライム病」という難病を患い、映画と音楽の世界から姿を消し、一人で、自由な時間にできる絵画制作に活動の場を移す」とのこと。ライム病はマダニが媒介する感染症です。つまりマダニに刺されたわけね。ライム病は症状がいろいろ出て特定が難しいらしい。

絵の方ですが独特です。あるいは自由でアナーキーというのがいいのかもしれない。例えば下のような絵です(撮影OKとのことでしたので、いくつか撮りました)。

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一時期、バスキアと一緒に絵を描いていた、とのことで、ちょっとバスキア風でもある。

ちなみにタイトルが秀逸で、上の絵で、左が「これこそがメッセージというもの」で右が「梨を崇拝」です。

実は最も気になったのが、絵が飾ってある壁の色です(写真下)。

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絵とマッチしている。PORTER’S PAINTS という塗料メーカーのものらしい。これだけ絵の背景となる壁の色がいろいろある展覧会は初めてですが、かなり興味深いです。家の壁に塗ってみたい気もするのですが今、住んでいるのが賃貸住宅なので無理ですね。

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2019.06.28

ちひろ美術館・東京で「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」を見る

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ちひろ美術館・東京で「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」(800円:2019/5/11-7/28)を見た。ショーン・タンは1974年オーストラリア生まれのイラストレーターで絵本作家、アニメーション作家。「彼が最初に絵と文を手がけた絵本『ロスト・シング』から最新作までの原画と習作のほか、スケッチ、映像作品、変な生き物をかたどった立体作品も含め約130点の作品を展示し、彼がつくる奇妙で懐かしい世界をたっぷり紹介します」とのこと。

ショーン・タンの代表作は「アライバル」だろう。移民の物語で、男が家族と離れ移住先を探して旅をし、移民し、移住先に家族を迎え入れるという流れなんだけど、言葉は一切ない。128ページあるけど、すべて絵だけで構成されている。

アライバルは5年かけて制作しているのだけど、その制作の過程も紹介していて、なかなか興味深い。例えば、絵コンテがあり、ショーン・タン自身がモデルになった写真も展示されている。解説によると「タンは物語をリアルに表現するため、おびただしい数のイメージ・スケッチや絵コンテを描き、自身がモデルとなって主人公を演じて写真を撮り、その写真からデッサンをおこすという気が遠くなるような作業を繰り返した」とのこと。ちなみに「原画はすべて鉛筆で描かれ、デジタル処理でセピア調に調整され、本全体が古い写真アルバムような体裁を取っている」。

興味深かったのは、絵本の原画以外に小さな油絵が展示されていて、いい味わいだったこと。縦横が変わることはあるけど、大きさは20×15cmに統一されている。絵は「タンが訪れた世界各国の都市の情景」とのこと。ありふれた風景のように見えるのだけど、あまりありふれてないというか、タンのフィルターを通してみた風景という感じです。

ちなみに、今回のカタログとなる「ショーン・タンの世界 どこでもないどこかへ」(2500円:求龍堂)は書店でも買えるのですが、展示会場で購入するとショーン・タンの描き降ろしのイラストが印刷されたカードがもらえました。ちょっといいですね。

さらにちなみに、京都に巡回するそうです。場所は美術館「えき」KYOTO、期間は2019/9/21-10/14です。

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2019.06.24

東京都美術館で「都美セレクショングループ展 2019」を見る

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東京都美術館で「都美セレクショングループ展 2019」(無料:2019/6/9-6/30)を見た。「新しい発想によるアートの作り手の支援を目的として、当館の展示空間だからこそ可能となる表現に挑むグループを募り、その企画を実施するもので、2012年の東京都美術館リニューアルオープンを機に新たに開始されました」とのこと。応募のあったグループから審査して3つのグループを選んだらしい。会場は企画展の入口横の地下に降りていく方にあるギャラリーA、B、C。ギャラリーAが地下3階の吹き抜けで、ギャラリーBが地下3階の天井のある方、ギャラリーCが地下2階。面積としてはそこそこあるし、ギャラリーAならそこそこ高さのある作品も展示できる。3つのグループ名と展示のタイトル、開催場所をまとめると以下のようになる。

場所 グループ名 タイトル
ギャラリーA 過去・現在・未来を考える 星座を想像するように―過去、現在、未来
ギャラリーB エゴイメ・コレクティブ 彼女たちは叫ぶ、ささやく―ヴァルネラブルな集合体が世界を変える
ギャラリーC ヘトロピア ヘテロピア

ちなみに、各グループの概要を説明するのは面倒なので、グループ名の所にリンクを貼っておきました。興味のある方はご覧下さい。

まあ、見た印象ですが、ギャラリーAの「過去・現在・未来を考える」は歴史的なモノをモチーフに扱う作品が中心という感じ。ギャラリーBの「エゴイメ・コレクティブ」は、メンバーの名前からすると女性中心でかつ多国籍、テーマはジェンダーとか肉体という感じ。ギャラリーCの「ヘトロピア」が全体がインスタレーションという感じでよく分からない、面白いけど、といったところ。

撮影できたので、とりあえず印象に残ったものをメモとして残しておきます。

最も印象深いのが、下の児童画。戦前に描かれた「日独伊親善図画」というもので、こちらを研究している田中直子による展示。「1938年に日独伊防共協定の親好を築くためのイベントとして、森永製菓株式会社によって企画された児童画コンクール」とのこと。「日本国内だけで応募総数は、約400万点、応募学校は約1万校までに昇りました」というわけで、膨大な数の児童画がドイツやイタリアに送られたらしい。ドイツで発見された作品を展示している、とのこと。

最初に見たとき、子供の描いた絵だけど、描かれているのが和服を着た人々だったり、髪型が女子はおかっぱ中心と妙に古い。古い割にきれいで、その辺も違和感がありました。よく見ていくと、ゲートルを巻いた人、あるいは軍人、戦闘シーンが描かれている絵もあって、いつの時代のものかようやく分かるわけです。80年前の作品なのに保存状態がいいのが面白い。

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優秀作品の賞状が展示されていた。日独伊の国旗が並んでいて、ドイツが鉤十字だったりする。審査員に石井柏亭とか和田三造の名前がある。

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ギャラリーBの「エゴイメ・コレクティブ」では、岸かおるの「心臓」が気になった。

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美しい、細かな刺繍で覆われた作品ですが、見た感じ形は心臓です。心臓かなあと思いながら見ていたら、下の写真があって、心臓です。

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ひらいゆうの作品も目を引いた。人の顔が赤く写っている写真です。
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ヘトロピアでは、とりあえず伊藤誠の作品が目に付いた。何かの道具、解説では機械とあるものとそれを装着した人の写真です。

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解説によると「この機械は上面が鏡面になっており、鏡を通して装着者の目から上に見えるものが目から下に広がり、装着したまま移動することによって目的が達成されます」とある。

まあ、全体的によく分からないけど、面白かった。

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