カテゴリー「art」の記事

2019.01.16

東京オペラシティ アートギャラリーで「石川直樹 この星の光の地図を写す」を見る

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東京オペラシティ アートギャラリーで「石川直樹 この星の光の地図を写す」(1200円:2019/1/12- 3/24)を見た。石川直樹は1977年生まれの写真家。写真家だけど、冒険家であり登山家でもあり、文化人類学者とか民俗学者の視点で写真を撮影しているように思える。

「本展では、北極、南極、ヒマラヤ8000m峰といった極地を撮影した各シリーズ、ニュージーランドの原生林を撮影した『THE VOID』、ポリネシア地域に浮かぶ島々を星に導かれるように巡った『CORONA』、世界各地の洞窟壁画を訪ねた『NEW DIMENSION』、そして日本列島の南北に広がる島々を探索する『ARCHIPELAGO』など、石川の初期から現在までの活動の全貌を総合的に紹介します」とのこと。

写真撮影がOKでしたので、気になったものを以下に掲載します。

下が世界各地の洞窟壁画を訪ねた『NEW DIMENSION』の部屋。手のひらの跡がある洞窟壁画が印象的。

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いくつかの洞窟に向かう、その道行きのスナップらしい。

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ニュージーランドの原生林を撮影した『THE VOID』。プロジェクターで写真を投影してます。その向こう側に見えるのはポリネシア地域に浮かぶ島々を星に導かれるように巡った『CORONA』の写真。

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「Mt. Fuji」のコーナー。空撮の富士山もいいが、富士山のかたちに配置した組み写真もいい。

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この部屋はK2、ヒマラヤ山脈にある世界2位の高さの山へ、挑戦したときの写真。このときは断念したそうです。真ん中にドーム型のテントがあって、その中で登頂のときのビデオを流しておりました。

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この展覧会に合わせて、ほぼカタログに相当する「この星の光の地図を写す」という大型本が出版されます。東京オペラシティ アートギャラリーのミュージアムショップで先行発売されていました。欲しかったのですが、あまり大きかったので、今回は断念しました。お値段は税込5940円です。


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2019.01.12

東京ステーションギャラリーで「吉村芳生 超絶技巧を超えて」を見る

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東京ステーションギャラリーで「吉村芳生 超絶技巧を超えて」(900円:2018/11/23日-2019/1/20)を見た。吉村芳生は1950年生まれの美術家。2013年に亡くなっている。版画とドローイングの作品でデビューして、色鉛筆を使った精密で巨大な花の絵や膨大な数の自画像を描いている。細密に描かれた作品が、膨大で、かつ執拗でなんとなく気が遠くなる。

一見して、粗い写真に見える作品は、写真を鉛筆で模写したものなのだけど、その模写の方法が通常では考えられない方法なのだ。次のような手順を踏む。

1.写真を拡大して紙焼きにして、その紙を鉄筆で格子状のマス目を引く。
2.マス目ごとのグレースケールを10段階に分けて、0~9の数字を記入する。白が0で黒が9。
3.方眼紙にその数字を書き写す。
4.方眼紙を下敷きにして、透明なフィルムを重ね、フィムルに鉛筆で数字に合わせて、斜線を引く。4の場合は5本引くといった具合。

これで写真の濃淡が再現させる。かなり、ぞくっとくる執拗さです。

「ドローイング 金網」という作品は、鉛筆で紙に金網を描いた作品ですが、一見、印刷物に見える。高さ97cmで長さが16m86.7cmと巨大だからだ。この作品の制作方法はケント紙と金網を銅版画のプレス機にかけて、紙に刻まれた金網の跡を鉛筆で描写するというもの。カタログの解説によると網目は1万8000個あり、70日間かけて完成した、とのこと。

このほか、365日間、毎日、自分を撮影して、その紙焼きを模写した「365日の自画像」。新聞の1面を読んだあとに自分の顔写真を撮り、新聞と自分の顔を模写した「新聞と自画像」などがある。「新聞と自画像」は、カラー写真らしきものがあるので、カラーコピーかなと思って、よく見ると肉筆だったりして、驚かされるのだけど、記事と自画像の表情が微妙にリンクしていて、なかなか味わい深い。このシリーズは2009年元旦から1年間、新聞の一面に直接自画像を描く「新聞と自画像 2009年」につながっていく。

そして吉村は晩年にカラーで花を描くようになるが、それも写真の模写をベースにしている。色鉛筆で描くのだけど、かなり濃密な色がでている。そして、これらの作品も大きい。特に満開の藤棚を描いた「無数の輝く生命に捧ぐ」は高さ2mで幅が約7mという大作で、目が釘付けになる。


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2019.01.08

神奈川県民ホールギャラリーで「5RoomsII ― けはいの純度」を見る

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神奈川県民ホールギャラリーで「5RoomsII ― けはいの純度」(700円:2018/12/17-2019/1/19)を見た。神奈川県民ホールギャラリーの5つの部屋を使い、1部屋1作家で計5人の作品を見せるという展示です。IIとあるように「5Rooms」の2回目。1回目は「5Rooms - 感覚を開く5つの個展」として2016年12月から2017年1月まで開催されました(そのときのレビューはこちら)。1回目の企画展が、ほとんど知らない作家の作品ですがなかなか面白かったので、今回も行ってみました。

参加する作家は、髪の毛を材料にして作品を制作する和田裕美子、鹿の角や骨を彫って草花の彫刻をつくる橋本雅也、石や干からびた植物などの自然物や自然現象をモチーフに木彫作品を制作する七搦 綾乃(ななからげ あやの)、像楽家あるいは生像作家のスコット・アレン、紙テープを使った巨大なインスタレーションを展開した大西 康明。今回は2部屋目の橋本雅也の作品が撮影不可でしたが、他の方々は撮影OKでしたので、気になった作品を紹介します。

最初の部屋にあるのが和田裕美子の作品。髪の毛を使ってレースのように編み、立体物を作成してます。下の作品は《garden》。髪の毛ということを知らずに見ても、面白いのですが、髪の毛ということを知ると少しぞっとします。
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こちらは《tree》。大きな作品です。髪の毛だけで作られています。
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2つ目の部屋は橋本雅也の作品で、暗い部屋にスポットライトで作品が照らし出されています。鹿の骨のほか、カゴノキという木材を使った作品が、並んでました。全体的に繊細。モノクロームの世界。

3つ目の部屋は七搦 綾乃の作品が並んでます。木彫で樟とか桂を使ってました。下の作品は樟を使ったものでタイトルは《血のつながった雫 I~IV》。それぞれ1mの長さで、人の足に見える。

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こちらは、《rainbows edge VIII》。うつ伏せになって横になっている人の上に布を掛けた感じ。妙に骨のようで、ミイラのようで、人のようで、という感じです。

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4つ目の部屋がスコット・アレンの《\Z\oom》。ズームと読むらしい。レーザー光を使ったインスタレーションです。24mの長さで幅3.5mの長い廊下、といったスペースを天井に取り付けられた、レーザー光ユニットが移動しながら、いろんなモノにレーザー光を反射させるというもの。12分で一通り拝見できます。

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最後の5つ目の部屋が大西 康明の《tracing orbit》。一番広い部屋で、階段付きです。この部屋にはいったとたん、なんとなく言祝がれている感じ。色つきの紙テープが舞っています。

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2018.12.21

東京オペラシティ アートギャラリーで「田根 剛|未来の記憶 」を見る

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東京オペラシティ アートギャラリーで「田根 剛|未来の記憶 」(1200円:2018/10/19-12/24)を見た。田根剛は1979年生まれの建築家。はサッカー選手になりたくて高校在学中にジェフユナイテッド市原のユースチームに所属していたが、怪我で断念。その後、建築家をめざすという異色の人。北海道東海大学芸術工学部建築学科を卒業後、ヨーロッパに渡っている。代表作はエストニア国立博物館(2016年開館)。私はNHK Eテレで2016年9月に放送された『SWITCHインタビュー 達人達』で知りました。そのときは杉本博司と田根剛との対談で、杉本ファンとして見たわけですが、杉本さんが田根さんにかなり興味を持っていたのが、そのときは印象に残った。まあ、その番組でエストニア国立博物館を知って、びっくりさせられたわけですが…。ちなみに下の写真がエストニア国立博物館を空撮したところ。

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エストニア国立博物館は旧ソビエト連邦の軍用地にある滑走路をそのデザインに活かして、設計されている。滑走路が徐々にせり上がっていくような建物です。ソビエト連邦から独立するまで、占領されていたという負のイメージを消すわけでもなく、むしろ活かして建てた建物で民族の歴史というか記憶を展示する、というものです。

この展覧会では、田根剛の建築に向かう考え方を展示で明らかにしようとする試みでした。まず「記憶の発掘」という展示から始まります。ここでは、田根のプロジェクトで実施する、イメージとテキストを使ったリサーチの手法、Archaeological Reseach(考古学的リサーチ)を具体的に見せるモノです(写真下)。

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次の展示ではエストニア国立博物館の映像を壁一面に投影していました。上の空撮映像もここで拝見できます。

映像の部屋を抜けると「建築の、構築」と題した展示になります。代表的な7つのプロジェクトを紹介するものです。主に建築模型で構成されてます。2012年の新国立競技場国際デザイン・コンクールで選出された「古墳スタジアム」、2020年開館予定の(仮称)弘前市芸術文化施設、京都十条で進行中の複合施設「10 kyoto」などがありました。下の写真が「古墳スタジアム」。中央が空いていて、くぐって首をだすことができます。この案はいいなあと思いました。暑さ対策にもなっている気がするし。

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下が「10 kyoto」。京都十条で建設中の文化複合施設です。

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最後に田根が2004年以降、手がけてきたプロジェクト、実現しなかったものを含めて、展示してます。


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2018.12.14

表参道のスパイラルで「CITIZEN“WeCelebrateTime”100周年展」を見る

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表参道のスパイラルで「CITIZEN“WeCelebrateTime”100周年展」(無料:2018/12/7-12/16)を見た。シチズン時計の創業100周年の記念展示です。曰く「6年に渡り「時とは何か?」を共に問い続けてきた建築家の田根剛氏(AtelierTsuyoshiTaneArchitects)と、シチズンの時計メーカーとしての信念を表現する展示空間を、スパイラルガーデンにて展開します」とのこと。場所は1階のスパラルガーデン。ココの奥に巨大ならせん階段があるのだけど、その内側にキラキラ光るインスタレーションが展開されている。腕時計の部品を吊り下げて、巨大な渦を作っている(写真上:高解像度版はこちら)。

各部品をアップでみると下のようになる(高解像度版はこちら)。ちなみに、この展示に使われている部品、「地板」というらしい、の数は7万2000個とのこと。

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この展示をしばし、陶然と眺めた後、1秒間に起きる出来事、例えば銀河の写真を投影して、字幕として「1秒の間にアンドロメダ銀河が140km近づき」というのが延々と映し出される「Synchronized Time」というビデオインスタレーションとか、人類による時間の計測史、日時計から原子時計、暦などを時系列で展示する「Discovering Time」とかを見てきました。ちなみに写真撮影はOKでした。

ちなみに「寺山修司 時をめぐる幻想」という、寺山修司がシチズン時計の広報誌に寄稿したテキストに絵をつけた本が売られていて、かなり気になりました。買うかどうか考えているところ。

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2018.12.10

アーツ前橋で「岡本太郎と『今日の芸術』 絵はすべての人の作るもの」を見る

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アーツ前橋で「岡本太郎と『今日の芸術』 絵はすべての人の作るもの」(600円:2018/10/5-2019/1/14)を見た。1954年に光文社のカッパブックスから出版された岡本太郎による芸術入門書「今日の芸術」に沿って、岡本太郎の思想を考える展覧会です。「今日の芸術」の章立てをトレースしながら、岡本太郎作品を当てはめていくイメージです。ちなみに「今日の芸術」は今でも入手可能で、光文社知恵の森文庫に収められています。1954年に出版されたものとは、多少違って、横尾忠則が序文を、赤瀬川源平が解説を書いてます。まあ、本文はほぼ同じもんだそうです。

この展覧会で見えてくるのは、「今日の芸術」がかなり分かりやすく、論理的であること。そして「今日の芸術」の章立てで並べられた岡本作品は、時系列で見るよりは分かりやすいこと。そんな感じです。

展示の最後に岡本フォロアーというか、岡本太郎に影響を受けたと見られる方々の作品が展示されてました。まあ、一番目を引くのが関口光太郎の《SUN TOWER 2020/MAKET》。この作品は撮影可でした(写真下)。

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なぜか、この場所だけ、天井をくりぬいて、吹き抜けになってます。おかげで、こういった大きな作品が展示できたわけです。ちなみにアーツ前橋は地下がメインの展示会場になってます。

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2018.12.05

水戸芸術館で「霧の抵抗 中谷芙二子」を見る

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水戸芸術館で「霧の抵抗 中谷芙二子」(900円:2018/10/27-2019/1/20)を見た。中谷芙二子(なかやふじこ)は1933年生まれのアーティスト。“ 霧のアーティスト ”として知られ、世界各地で水を使った人工霧のインスタレーション「霧の彫刻」を実施している。父は雪の結晶を世界で初めて人工的に作った実験物理学者の中谷宇吉郎。

今回の展示では、実際に霧の彫刻が体験できる。それも屋外と屋内。屋外は水戸芸術館の芝生が青い広場。下の写真のようになります。

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これを日没後もやっていて、かなり幻想的な風景がリアルに展開されます。霧は人工のものなのに、水戸芸術館の広場全体に広がっていきます。

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屋内の方は、展示会場の一番奥で、入れ替え制で実施してました。下の写真がその会場で、霧が出る前の状態。さらにその下の写真がインスタレーションを実施したところ。鳥が霧の中を飛んでます。屋外と違って、屋内はしっかりと湿度100%を感じることができます。

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屋内の展示では、過去の作品が展示されてます。主に動画です。最初の作品、1970年の大阪万博で実施したペプシ館での人工霧のインスタレーションに始まり、最近の作品まで展示してました。動画を見ていると、霧の彫刻は、実施した場所の地形や風向きで、様々な形態をとることが分かります。さながら、巨大な波のように動いていたりして、かなり面白い。

霧の彫刻も、その成立にはいろんな方々がからんでいて、特に米国のE.A.T. (Experiments in Art & Technology)というアーティストとエンジニア/科学者のグループの役割は大きい。E.A.T.は「1966年から67年にかけて、当時ベル電話研究所に在籍していたエンジニアのB・クルーヴァーを中心として、R・ラウシェンバーグ、R・ホイットマンらによって結成された」(artscapeのArtwordsから引用)もので、中谷は1969年にE.A.T.のメンバーやほかのエンジニアらと、1970年の大阪万博「ペプシ館」のデザインチームに加わっている。

今回の展示では、E.A.T.が実施したプロジェクトで中谷の関係したものも展示している。1971 年に実施したテレックスを使って世界4都市(ストックホルム、ニューヨーク、アーメダバード(インド)、東京)を結び質問と回答を送り合う「ユートピア Q&A1981」とかいくつかのビデオ作品を拝見した。

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2018.12.02

東京都美術館で「ムンク展 ―共鳴する魂の叫び」を見る

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東京都美術館で「ムンク展 ―共鳴する魂の叫び」(1600円:2018/10/27-2019/1/20)を見た。エドヴァルド・ムンクは1863年12月12日 生まれで、1944年1月23日に亡くなったノルウェーの国民的な画家。ちなみに日本では1863年に岡倉天心が生まれている。岡倉天心は50歳で亡くなったが、ムンクは長生きで80歳まで生きた。日本でいうと幕末に生まれて、明治大正期に活躍し、第2次世界大戦中に亡くなった、という感じ。

今回は「ノルウェーの首都にあるオスロ市立ムンク美術館が誇る世界最大のコレクションを中心に、代表作≪叫び≫など油彩の名品約60点が集結。版画などを加えた約100点を展示します」とのことで、《叫び》が出展されることが強調されてます。ちなみに、今回展示されている「叫び」はオスロ市立ムンク美術館の収蔵品でテンペラと油彩で描かれている。絵画の「叫び」は3点あり、そのほかにリトグラフもある、とのこと。今回の展示でも《叫び》は人が並ぶから、展示も少々特別扱いされてました。

今回の展示では、ムンクは自画像の画家で、色彩の画家であることが、個人的な発見でした。ムンク展はこれまでも何度か日本で開催されていて、私が初めて見たのが、1981年に竹橋の東京国立近代美術館で開かれた展覧会です。当時、高橋葉介さんのマンガで《病める子》をモチーフにした作品があって、そのためかムンクというと《病める子》を思い出すわけです。死や病いを陰鬱な色で表す画家というイメージです。

自画像については、今回、初めて描いた作品、晩年の作品まで展示されていて、そのあたりも面白い。最初の自画像は19歳のときのもので、写実的で晩年のものとはまったく違う。晩年になると、タッチは荒くなり、色彩は青や緑を使って、鮮やかに仕上げている。晩年というか、年を取ってから描いた自画像や風景画はいずれも色彩が鮮やかで、マティスなどのフォービズムに近い感じがする。ちなみに、自画像の展示に合わせて、ムンクが自撮りした写真が展示されていました。写真自体はピントが外れていたり、構図もなにもない作品で、適当に撮った感じがするのですが、それでもムンクも写真の時代の芸術家なんだな、というあたりが気になるところ。

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上の写真は、展示会場の外にあったビデオ作品で、複数のディスプレイを設置して、そこにムンクの作品の部分を表示してます。これを見ても色彩が溢れているのが分かります。


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2018.11.25

金沢21世紀美術館で「邱志杰(チウ・ジージエ) 書くことに生きる」と「変容する家」を見る

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冨山まで来たので、ちょっと足を伸ばして、金沢に行ってみた。まあ金沢21世紀美術館に行ってみようと思ったわけです。冨山から金沢は新幹線で30分程度。料金は3840円。ちなみに10月28日に訪れたのですが、ちょうど金沢マラソンが開催中で、朝の9時半に金沢駅についたとき、バスもタクシーも使えず、金沢21世紀美術館には徒歩で行くしかなかった。まあざっと40分ほど、だらだらと歩いて、金沢21世紀美術館に到着しました。上の写真では建物の上に立っているヤン・ファーブルの《雲を測る男》を撮ってみました。

「邱志杰(チウ・ジージエ) 書くことに生きる」(1000円:2018/9/8-2019/3/3)と「変容する家」(無料:2018/9/15- 2018/11/4)が開催中とのことでしたが、美術館の有料ゾーンでやっているのは邱志杰の展示だけでした。「変容する家」は金沢の街中のあちこちで民家やビルを一時的な会場にして日本、中国、韓国の美術家がインスタレーションを実施する、というものでした。まあ、その一部が金沢21世紀美術館とその周辺にある、ということでした。

邱志杰は1969年中国福建省生まれのアーティスト。水墨画的なモノクロの作品のほか、インスタレーション的な作品もあり、インスタレーションも部屋いっぱいの迷路だったり、書だったりする。書でも紙に描くだけでなく、石に刻んだりと、多種多様な表現を見せてくれる。

下の画像は《印章の迷宮》という作品のものでWebサイトからキャプチャーしました。作品というか部屋いっぱいに展開された迷路です。「道教の護符の形態を借りています」とのこと。解説によると「道教の文字は非常に複雑で、かなり曲がりくねった「九畳」と呼ばれる書体を使用していて、字そのものを迷宮のように、迷わせ見失わせる形にして鬼を阻止するという言い伝えがあります」とのこと。

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文字を石に刻んだ作品とは《一字一石・成敗》です。下の写真のように屋外にも展示されてます。屋外は撮影可です。「何在(どこにある?)」とか「志」とかいう文字がごろんと横たわっているのは、なかなかいい感じです。

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まあ、久しぶりの金沢21世紀美術館でしたが、相変わらず、混んでました。入場券を買うのに、10分程度は行列に並びました。入場券はWebで購入できるようにしてほしいですね。あと、意外と面倒だったのが、会場へ持ち込む荷物への大きさのチェックです。カバンを持っていると、A4サイズの紙をだして、これより大きいと会場には持ち込めず、必ずロッカーに入れるようにと説明を受けます。前に来たときはなかったと思うのだけどね。なにか面倒なことでも起きたんでしょう。

一方の「変容する家」(2018/9/15-11/4)は金沢の街中にある家とかビルの一室とかを会場にして、作品を展示するイベントです。見る側は地図を片手に(あるいはスマホでGoogle Mapを表示して)、街中を散策することになり、作品自体は行って見ないと分からないけど、なかなかワクワクさせるものがありました。出展したのは22組で、広坂、石引、寺町・野町・泉と3つのエリアに分散しているため、全部をみることはできませんでした。金沢21世紀美術館があるのは広坂というエリアで、そこと石引というエリアを見てみました。撮影はOKでしたので、気になった作品を掲載しておきます。

まず、広坂エリアでの川俣正の作品。この方のインスタレーションは遠くからも分かる。建物で木の板が増殖している感じです。

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石引エリアでは、山本 基、呉 夏枝、イ・ハンソルの作品が気になった。山本 基は床に塩で絵を描くアーティスト。砂絵ならぬ塩絵です。塩の白さと床の色だけで構成されているのですが、記憶に残る作品です。普通の家屋の2階を塩の絵で埋めておりました。

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呉 夏枝の作品は編み物やハギレを布に映し出して、その布を展示する、というもの。色からするとサイアノタイプ(青写真)かな。会場は毛糸店の横で、元になったと思われるレース編みが展示されていた。

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イ・ハンソルの作品は、暗くて奥行きのある部屋にごろんとした塊がたくさん並んでいる展示です。会場の奥でビデオ映像が流れているのだけど、説明を見ないとよく分かりませんでしたが、ごろんとしたモノ達は本とか日記帳のなれの果てで、それを洗濯機で回して固めたモノのようです。そしてビデオはその洗濯機のなかを撮ったモノでした。テーマは浄化のようです。

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ほかにも、さわひらき、宮永 愛子、ス・ドホの作品があったようですが、時間の関係で拝見できませんでした。

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2018.11.23

冨山県美術館で常設展示されている三沢作品を見て歩く

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富山県美術館の屋外展示も楽しんでみた。建物の左側にスロープがあって、上がっていくと裏側にある屋外広場にたどり着ける。後から気がついたのですが、屋外広場は2階と同じ高さになっていて、建物の2階への入口がある。ここには三沢作品の白いクマが立ってます(写真上)。こちらはブロンズです。

このブロンズ像に気がついたのは、3階の廊下を歩いて、何があるかを見ていたときでした。3階の奥の窓から下をのぞいたら、下の写真のように、立体物があるのが分かりました。

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実は小さいのもいて、合計3つのクマが、大中小並んでました。

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ちなみに上を見たら屋上に白いタカがいました(写真下)。屋上は雨が降ったりやんだりして、不安定だったため、上がれませんでしたが、佐藤卓がデザインした屋上庭園「オノマトペの屋上」というのがあるそうです。

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ちなみに三沢作品は屋内にも置いてありました。下は3階の廊下の真ん中に立っているウサギです。

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