カテゴリー「東京国立近代美術館」の記事

2017.01.09

東京国立近代美術館で「瑛九1935-1937 闇の中で『レアル』をさがす」を見る

竹橋の近代美術館で「瑛九1935-1937 闇の中で『レアル』をさがす」(2016/11/22-2017/2/12、430円)を見た。瑛九というと、モノクロのコラージュと晩年に描いた点描作品が印象に残っている美術家です。ここではモノクロのコラージュ作品が登場する時期、それが1935~1937年、にスポットを当て、「苦闘するデビュー前後の瑛九の実像を紹介」する展示です。ちなみに企画展の山田正亮展を見た後に、拝見しました。常設展示のなかにある特別展という感じで、料金は企画展を見た場合は無料になります。

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上の画像は、瑛九展のカタログの表紙です。ここにあるモノクロのコラージュが、瑛九の代表作品なんですが、今回の展示では、この作品の前に発表して自ら「フォト・デッサン」と名付けた、フォトグラム作品も展示されていて、そちらもなかなか面白い。マン・レイとかモホイ=ナジによるフォトグラム作品と、技法的には同じモノだけど、かなり複雑な作品になっている。

個人的に謎のママなのが、モノクロのコラージュと晩年に描いた点描作品の間になにがあったのか、というところですが、デビュー当時の3年間にスポットを当てているので、その答えはありませんでした。まあ、この3年の活動で、戦前の前衛美術に足跡を残し、1937年、26歳で、いったん活動停止したあと、次に登場するのは40歳になった戦後で、点描作品を描くのは死の3年前、1957年あたりからのようだ。この辺の謎も説いてほしいものです。

ちなみにカタログは1300円とお買い得でした。

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2017.01.04

東京国立近代美術館で「endless 山田正亮の絵画」を見る

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竹橋の東京国立近代美術館で「endless 山田正亮の絵画」(2016/12/6 - 2017/2/12:1000円)を見た。山田正亮(やまだ・まさあき)という画家について何も知らずに見に行った。展覧会のパンフレットに「画家が、いた」とあり「画家」には「かいぶつ」とルビが振られていたのが気になったからだと思う。

山田正亮は1929年に生まれ、2010年に亡くなった画家。美大出身でもなく、グループには属さず、いわゆる孤高の作家である。5000点に及ぶ大量の作品を描いているが、ほとんどが上の写真にあるような、矩形やストライプなど、直線的な図形をモチーフにした抽象画だ。ちなみに上の写真はアトリエの雰囲気を再現したモノで、ここは撮影可でした。

今回の展示では、静物画を描いた初期の作品から始まり、そこから抽象化と再構成が進んで、ストライプや矩形を描く中期の作品、晩年に描いた単色で塗り込められたように見える作品の3部構成になっている。初期の静物画は、モランディのように壺やコップなどを延々と描いているのだが、それが徐々に画面に並ぶ個数が増え、輪郭が単純化され、パターン化され、ついに抽象画になる、その変化の過程が見えてくるのが面白い。

中期以降の抽象画が見てつまらない絵なら、「デッサンの放棄」とか「塗り絵」とか批判されて、おそらくは世に残らないだろうが、山田の絵は違うように見える。図録に掲載された中林和雄氏による解説「山田正亮と絵画」では「デッサンの放棄」と「塗り絵」によってルールが明確になり、内容が充実していく、としている。「色彩の組み合わせの選択」だけでなく、「キャンバスの目の粗密の選択、画面サイズや形状の選択、下地の作り方…」などなど、細かな組み合わせで絵の印象が変わり、それぞれの作品が個性を持つように見える、としている。確かに飽きない。

というわけで、静物画の壺とかコップとかの形が溶けて、ストライプや矩形の抽象画になったあとも、十分に楽しめるのでした。ちなみに、今回の展示にあわせて、X線撮影などで、作品の分析も実施されている。図録には分析結果を修復家の斉藤敦氏が解説していて、キャンバスや木枠の作りから、下地に塗った絵具までが分かっている。この辺も合わせて見てみると面白い。

京都国立近代美術館に巡回するそうで、会期は2017/3/1-4/9とのこと。

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2016.02.10

東京国立近代美術館で「恩地孝四郎展」を見る

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 竹橋の東京国立近代美術館で「恩地孝四郎展」(2016/1/13-2/28:1000円)を見た。恩地孝四郎は1891年に東京で生まれ、1955年に没した美術家。木版画を中心に抽象美術を極めた作家です。浮世絵などの木版画は分担作業で、原画を名のある美術家が作り、無名の彫り師と摺師がそれを仕上げる、というモノでしたが、恩地は自分で彫り、刷った。それも風景や風俗を作品にするのではなく、抽象的な「詩のような画」を作成したところが画期的でした。そして木版以外に、油彩、水彩・素描や写真も手懸けていて、なかなか多彩で器用な人です。

 その延長線上にあるのが本の装丁で、カタログ(写真上)の解説によると「1000冊をゆうに超えるブックデザインを手懸けた」としている。今回の展示は年代順に、3部に分けて、構成しているのですが、各時代でデザインした書籍を拝見できるのも面白いところ。ちなみに展示を3部に分ける事件となるのは、関東大震災と終戦。関東大震災前には、萩原朔太郎の「月に吠える」と室生犀星の「愛の詩集」をデザインし、関東大震災後は室生犀星の新聞小説の挿絵を描き、北原白秋の全集などの装丁を手懸け、戦後は国際版画展に出展して、海外で作品を発表するようになっている。

 恩地は常に抽象的な作品を作っていて、その方向性は常に変わらず、形と色の組み合わせが楽しい。そして晩年に向けて抽象度が高まっていくのも、面白い。晩年ほど、より純粋に抽象化を楽しんでいる印象がある。

 ちょうど昨年、東京ステーションギャラリーで「『月映(つくはえ)』田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎」展を見て、興味深かったのだけど、月映が関東大震災前の出来事で、その後の恩地孝四郎の展開をこの展示で見ることができたのはうれしいところ。

 ちなみに、2016年4月29日から 6月12日に和歌山県立近代美術館に巡回する予定です。


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2015.12.09

100点の名作から12点選んでカレンダーが作れる「国立美術館オリジナルカレンダー」が届いた

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来年に向けて2016年のカレンダーを物色していたら、「国立美術館オリジナルカレンダー」なるものを見つけた。早速、購入したところ本日、到着した。上の写真のようなもの。「国立美術館5館の所蔵作品等のうち、選りすぐりの100点以上の作品から、月ごとにお気に入りの作品をお選びいただき、オリジナルカレンダーをオーダーメイドできます」とのこと。つまり100点ある作品の画像を12枚選んで、そこからカレンダーが作れるというもの。壁掛けと卓上の2種類がある。お値段は壁掛けが2700円。卓上は2500円。これに送料750円が必要になる。今回は壁掛けカレンダーを購入した。大きさは上の写真でA4横。開くと下のようになってA3縦の大きさになる。

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幅がA4横より少し長い柱があるので、そこに掛けておこうと思う。

さて選んだのは下の写真の作品。

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リストにすると以下のようになる。

1月
ピーテル・ブリューゲル(子) 《鳥罠のある冬景色》
国立西洋美術館

2月
佐伯祐三 《ガス灯と広告》
1927年 東京国立近代美術館

3月
アンリ・ルソー 《第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神》
1905-06年 東京国立近代美術館

4月
岸田劉生 《道路と土手と塀(切通之写生)》
1915年 重要文化財 東京国立近代美術館

5月
ヴィルヘルム・ハンマースホイ 《ピアノを弾く妻イーダのいる室内》
1910年 国立西洋美術館

6月
上村松園 《母子》
1934年 重要文化財 東京国立近代美術館

7月
土田麦僊 《湯女(ゆな)》
1918年 重要文化財 東京国立近代美術館

8月
ピエト・モンドリアン 《コンポジション》
1929年 京都国立近代美術館

9月
小茂田青樹 《虫魚画巻》(部分)
1931年 東京国立近代美術館

10月
瑛九 《泉》
1959年 国立国際美術館

11月
オディロン・ルドン 《若き日の仏陀》
1905年 京都国立近代美術館

12月
アルフレッド・スティーグリッツ 《ターミナル》
1892年 京都国立近代美術館

まあ、選んだ理由は、そこそこあるけど、まずは季節感中心かな。その次が好きなアーティストの好きな絵。季節感が乏しい作品でも好きな作品はなんとなく押し込んでしまった。実際にモノが届いて手にとって感じるのは横位置の作品の方が大きく印刷されていいなあ、ということろ。縦位置の作品は余白が多くて、もったいないです。色の再現性もまあまあかな。わりと彩度の高い色はちゃんと出ている。

販売サイトで、選んでみるとそこそこ楽しいです。わりとお薦めですね。

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2015.11.27

竹橋の近代美術館で「MOMAT コレクション 特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示」を見る

 竹橋の東京国立近代美術館で「MOMAT コレクション 特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示」(2015/9/19-12/13:430円)を見た。MOMATは、東京国立近代美術館の英語表記“ The National Museum of Modern Art, Tokyo”からMuseum of Modern Art, Tokyoの頭文字を並べたもの。ようは東京国立近代美術館の収蔵展ということ。「戦後70年にあたる今年は、 4階、3階の2フロア、約1500㎡を使い、所蔵する藤田嗣治の全作品25点と特別出品の1点、計26点を展示します」とのこと。常設のフロアの1/3は藤田嗣治で埋まっている感じ。ちなみに特別出品は京都国立近代美術館蔵の「タピスリーの裸婦」のことのようだ。

 「特に戦争画14点の一挙展示は初の機会です」というだけあって、戦争画は圧倒的。「アッツ島玉砕」や「サイパン島同胞臣節を全うす」は何度か見てきたが、14点、並ぶと圧倒されます。特にパリで描かれた白を中心とした明るい色彩の作品か、徐々に暗くなり、戦争画の最後の方は人物も背景もすべて暗い茶色で塗り固められているように見える。戦後になると、一転して明るい色調が戻ってきて、見る側も少しほっとする。

 このほかに藤田が監督をつとめた映画や藤田が装丁した書籍も展示していた。書籍などの資料は「2007(平成19)年、藤田夫人、藤田君代氏より、藤田旧蔵の資料約900点の寄贈を受けました」とのこと。


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 常設展としては珍しく有料のカタログもある(写真上)。今回、展示された絵画を収録していて、お値段は800円。まあまあかな。できれば解説はすべての絵について書いてほしかった。ちなみに、東京国立近代美術館は撮影可なんですが「今会期(9月19日~12月13日)は「特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」の開催にともない混雑が予想されるため、所蔵品ギャラリーおよびギャラリー4における撮影はご遠慮願います」とのこと。そんなに混んでなかったけど、まあしょうがないか。

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 このあと、銀座の資生堂ギャラリーで「小沢剛展 帰って来たペインターF」(2015/10/23-12/27:無料)を見た。“F”は藤田嗣治のこと。アーティストの小沢剛による、インスタレーション。「戦争中にインドネシアで従軍した架空の日本人画家『ペインターF』の戦前から戦後の生きざまを物語にして、絵画と映像作品に仕上げます」とのこと。ひょっとして、藤田がパリに行かずに、バリに行ったらという妄想から発展した作品なのかもしれない。リアルで暗い戦争画を見た後にちょうどいい感じです。

 ちなみに、小沢は「帰って来たDr. N」というインスタレーションもやっているそうで、今回の「帰って来たペインターF」は帰って来たシリーズ第2弾とのこと。Dr. Nは野口英世のことらしい。次は誰なのか、ちょっと気になる。

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2015.07.27

竹橋の近美で「No Museum, No Life?―これからの美術館事典」を見る

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 東京国立近代美術館で「No Museum, No Life?―これからの美術館事典 国立美術館コレクションによる展覧会」(9/13まで、1000円、サイトに100円の割引券あり)を見る。早く見に行きたかったのですが、結局、7月後半になってから行きました。賛助会員制度に申し込んで、会員証やら展覧会のチケットが届くのにそこそこ時間がかかったからです。待たずに1000円ぐらい払えばいいではないかとも思ったが、なんかもったいなくて、結局、届くのを待って行きました(関連記事:東京国立近代美術館の賛助会員になってみた)。

 タイトルは、美術館(博物館)がないと生きていけない?、ということですが、まあ、アートがないと生きていくのはつらいだろうけど、生きてはいける。美術館がないとつまらないだろうけど、生きてはいける、とは思います。つまりというか、テーマは美術館です。そして、こちらもタイトルにあるように国立美術館5館(東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館)の合同展です。まあ、いろいろと考えさせられるテーマと展示でした。ちなみに上の写真はチケットなんですが、辞書に使う薄い紙を使ってます。そこそこ凝ってますね。

 展示内容は「美術館の構造や設備、作品の保管や運搬、展示、解説、そしてそれにかかわる多くの人々・・・、そこには様々なストーリーがあります。今回はそれらにスポットを当て、事典に見立てた A から Z までの 36 のキーワードにそって紹介していきます」とのこと。そして「日本のナショナルミュージアムである5館の所蔵作品は、紀元前から現代、西洋から東洋、絵画から写真、彫刻といった実に幅広い種類のコレクションであり、一人でも多くの方に見ていただきたい国の芸術財産です。今回はいつもと違った切り口で、それらの中から厳選したルノワール、ロダン、マルセル・デュシャンや岸田劉生など、約 170 点もの作品をご紹介します。」としてます。ちなみに、5館のうち新国立美術館だけ、コレクションを持たないので4館の収蔵作品のなかから、選択している。4館合計で41882点。そのうち169点を出展しているそうだ。

 展示はその方法が面白く、展示されている作品もよかった。あと、基本撮影可というのもよかった。ところどころに撮影不可の作品がある程度で少し気を付ければOKです。例えば「額縁」のところでは、下のような感じですが、写真がよくないんだけど、一番内側の額縁のなかは壁をくり抜いてあって、壁の向こう側の展示が見えています。

Frame

 下の写真は「収蔵庫」。各美術館の収蔵庫の様子を見せたものです。原寸大のモノクロ写真の上に1点だけ本当の作品を展示してます。意図はよくわかりませんが、4館すべて藤田嗣治の作品です。下の写真は東京国立近代美術館の収蔵庫で、リアルな作品は藤田嗣治の「パリ風景」。あんまり藤田っぽくないね。

Storage

 作品として初めて見たもので、気に入ったのは孫原&彭禹の「I am here」かな。下の写真で、180cmぐらいの身長のイスラム系戦士って感じの方が何かをのぞき込んでます。何をのぞき込んでいるかは、展覧会でご確認ください、ってところかな。

Iamhere

 とまあ、楽しめたし、入場料は1000円で、この1000円には常設展を見る権利も含まれているので、基本、お得です。一方で、カタログに書かれている解説を読むと、なんとも出口のないような現実が見えてくる。曰く「日本の美術館は墓場ではない。いや、墓場ですらない」。美術館が墓場である、というのは否定的な意味も、肯定的な意味も含むのだけど、日本の美術館はその議論以前の状態にある、としている。美術館の収蔵品(コレクション)にしても、海外の有名な美術館、例えばニューヨーク近代美術館は15万点を超えるが、日本の国立美術館は4つ合わせても約4万点で、それこそ束になってもかなわない。まあ、日本の美術館の歴史も浅いものだし、ある意味、これからなんだろうけど…、と諸々、答えのない問いについて考えてしまう、そこそこ奥の深い展示でありました。

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2015.07.20

東京国立近代美術館の賛助会員になってみた

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 美術館の会員制度は、基本的にお得である。特に毎週、週末は美術館に行くような者にとっては、経済的にも情報を得るという点でも効率がよい。東京国立博物館の会員も長いこと続けているが、やはりお得だからだ。そして、2015年1月から東京国立近代美術館(以下、近美)も「賛助会員制度」をリニューアルして、個人会員を募集することになった。しかし、あまりにひっそりと募集開始していたので、最近まで気がつきませんでした。まあいろいろと変なところもあるけど、入会してみました。

 近美の会員制度には、法人向けの賛助会員制度はあったけど、個人向けは「MOMATパスポート」ぐらいで、東京国立博物館に比べると足りない感じ。MOMATパスポートは1000円の会費で、常設展に1年間、何度でも入場できるというもの。まあ、近美の常設は十分に魅力的だけど、物足りないです。どういうわけか2015年1月から、いくつか個人向けのサービスを開始してMOMATパスポートに加えて、「MOMATサポーターズ」と「賛助会員MOMATメンバーズ」が始まった。

 MOMATサポーターズは5000円の年会費。MOMATパスポートの特典に加えて、フィルムセンター、国立西洋、京都近美、国立国際の常設が無料となり、各企画展の観覧券1枚、近美の常設観覧券5枚、ミュージアムショップでの5%割引となる。賛助会員MOMATメンバーズは1万円の年会費(このほか5万円、10万円、30万円のコースがある)で近美(工芸館とフィルムセンターを含む)、国立西洋、京都近美、国立国際の常設が2名まで無料、企画展の招待券が各展で2枚、近美の常設観覧券10枚、ミュージアムショップとレストランが10%割引などの特典がある。

 まあ、この特典ではそんなに魅力的には見えないです。常設の観覧券もらってもあんまりうれしくないし、人にあげても、微妙な感じ。近美の企画展は年4〜5回程度なので、入場料だけで1万円を超えるかどうかは微妙なところ。ミュージアムショップの割引も図録は対象にならない、ということなので、あまり使えない。普通、会員制度の割引の場合は図録が対象になることが多いので、この辺はなにに使ってほしいのかよく分からない。ちなみに近美に併設されているレストラン「ラー・エ・ミクニ」は異常に高いので使いません。ランチが税込みで3500円から、ですから10%割引でも高いね。

 ただし、この1万円はあくまでも寄付なんですね。特典は寄付に対するもので、本来は感謝の言葉さえあればいいのですが、なんとこんなにうれしい特典がある、と考えれば納得できるものです。この寄付は、公の団体に寄付するので、控除の対象になります。このあたりの説明は近美のサイトにはないのですが、東博のサイトにはあったので引用しておきます。「個人が特定公益増進法人等に寄附を行った場合には、一定額を所得税の課税所得から控除することができる「寄附金控除」の制度が設けられています」とのこと。「寄附金(総所得の40%を限度)-2千円」を所得から控除することができるので、税金の行き先を多少はコントロールできるわけですね。まあ1年楽しんでみて、継続するかどうか考えてみたいと思います。

追記
無事、確定申告して寄付控除が戻ってきました。1万円から2000円引いて、8000円が控除額となりました。まあ、戻り方は税率によって違いますが…。医療費の控除もあるので、ついでに確定申告してます。
 

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2015.01.11

「高松次郎ミステリーズ」を見る

 竹橋の東京国立近代美術館で「高松次郎ミステリーズ」を見る(2015/3/1まで、900円)。高松次郎とは何者か?という問いに答える展覧会。1960-1963、1964-1970s、1970s-1998の3つの期間に分けて、解読するというもの。

 私からすると、高松二郎といえば“影”の人、そしてハイレッドセンターの一人、というのが知っている範囲でした。最初に知ったのは影。近代美術館に収蔵されている「No.273(影)」は250×300cmの巨大な赤ん坊の影を描いたモノ。20年以上前、最初に見たときは、絵の前で、自分の影が現れないのが不思議で、光源がどこにあるのか気になって振り返ったりして、ようやく目の前の“影”が描かれたものであることに気が付いたりしていた。しばらく経ってから、大阪の国立国際美術館でさらに大きい300×1245cmの「影」を見てさらに驚くんだけど…。

 ちなみに、ハイレッドセンターでは、ひもの人だったのだけど、時代的には最初にひもで、次に影、そして形を扱った抽象画、という感じ。ひもと影の時代では立体作品も多く扱っているけど、第3期の1970s-1998では平面中心となる。私は第3期の作品をあまり知らなかったので、なかなか勉強になりました。

 さて、展示は工夫があって、楽しかった。下の写真は、近代美術館の企画展としては珍しく、写真撮影OKなもの。「影ラボ」というもの。影ですね。まず乳白色の床に自分の影が現れる。
 
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 大きさもいろいろ楽しめる、複数の人がいると立つ位置で大きさが変わるのが面白いんですが…。

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 天井から椅子がぶら下がって回転するんですが、光源が2つあるので、影が二重に出る。

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 で、この写真に写っているのが、高松次郎。サングラスをかけております。そのサングラスと同じモノが置いてあって、一応、真似ができる。まあ、真似しませんけどね。

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 ちなみに、メインの展示会場は撮影ができないのですが、展示の構造を立体的(?)に把握できるように、展示全体が見渡せる「ステージ」なるもの、まあちょっと高くなっている空間があって、そこに上がって、見晴らすと、なんとなく分かった気になる…かも。

 カタログは320ページで2000円。表紙は、高松次郎のドローイングで3種類あります。力作なので、まだ読み終わってません。読み終わったら、もう一度、展示を見に行こうかと思います。

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2012.12.08

近美で「美術にぶるっ!」を拝見する

竹橋の東京国立近代美術館で「東京国立近代美術館 60周年記念特別展 美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年」(2013年1月14日まで,1300円)を見る。

開館60周年で,収蔵品を展示したものなんだけど,10年ぶりに2階から4階の常設展示ゾーンをリニューアルして,近美が収蔵している重要文化財13点をすべて見せる,という実はそこそこ豪華なラインアップとなっている。ちなみに1階は,近美が開館した1952年にちなんで,50年代の実験的な美術作品で構成した展示である。まあ,1階の展示は社会&政治問題がからんだ,暗めでおどろおどろしい作品が中心で,妙な熱気のようなものがあふれている。2〜4階の作品の持つメジャー感とは対立するようなマイナー感があって,これはこれで,いいんだけどね。しかし,1300円というのは高いけど,まあお布施と思って払っておいた。

2階から4階の常設展示ゾーンのリニューアルは,歓迎すべきものだった。まあ,これまでの常設展示のデザインはわりと大雑把で,大きな部屋というか巨大な廊下がある,という感じだった。リニューアルされて,壁による区切りで,ちょうどいい大きさの展示室がいくつかある,というテーマ分けにちょうどいい感じになった。例えば,3階の日本画の部屋は下のような感じ。

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この部屋は真ん中に黒い壁があって,2つに区切られている。なかの方は,上の写真のように屏風や掛け軸が,ケースの中に入れられて展示されている。ちなみにフルサイズの画像はこちらアップしておいた。一方で壁の入り口側には,いくつか絵が掛けられている。例えば福田平八郎の「雨」は下のような感じだ。

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2つある階段は,両方使えるし,移動も自由度が上がっていい感じだ。まあ,それよりも,写真撮影がかなり自由になって,そちらの方が,私にとってはうれしい。ほとんどの作品が撮影可でした。興味のある方は,フラッシュ撮影は禁止で三脚も使用できないので,明るいレンズのついたカメラを持っていきましょう。ただ撮影した写真の扱いについては,多少,疑問は残る。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを導入してもらったほうが明確でよろしいかと思う。

ところで,一番,疑問なのはレストラン。「ラー・エ・ミクニ」というフレンチがはいったけど,ランチが3500円からってのは高いな。新国立のように,いくつかレストランが入っていて,高いのもあれば,手頃なのもある,というのはいいのだけど…。まあ,長続きしない方に1票いれておきます。


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2007.05.06

「生誕100年 靉光展」を見る

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竹橋の東京国立近代美術館で「生誕100年 靉光展」(5/27まで、1300円)を見る。靉光といえば「目のある風景」。だからシュールリアリストだと思っていたが、かなり勉強が足りませんでした。例えば、上の右側の自画像はよく見るけど、ほぼ最後の作品となるとは知らなかった。1944年の作品で、その2年後、1946年に上海で戦病死している。

靉光は39年の生涯で多彩な作風を実現している。若い頃はルオーの影響を受けた洋画を描いている。その後、クレヨンを溶かして画材として使う「ロウ画」なるユニークなタッチの絵を描いている。さらに日本画的な作品も多数あるし、琳派の意匠も取り込んでいたりする。面相筆で幻想画を描いているあたりは、最近の日本画家が日本画の素材を使って、現代的な題材に取り組んでいるのと、よく似ている。これだけ、いろんなことを試してきたアーティストが戦争に巻き込まれずに、生き延びたらどんな作品を残していたのだろう?とまあ思ってもしょうがないか。それより「ロウ画」を誰か復活させてくれたら面白いんだけどねえ。

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