カテゴリー「奇想の系譜」の記事

2009.10.20

MIHO MUSEUMで「若冲ワンダーランド」を見る

Miho_m1
MIHO MUSEUMで「若冲ワンダーランド」(12/13まで、1000円)を見る。MIHO MUSEUMは滋賀県でも三重県の境のあたり、信楽町郊外の山中にある。山の中なので、電車と歩きで行けるところではない。車は持ってないので、MIHO MUSEUM行きのバスに乗っていくことにする。新幹線で京都へ行き、JR石山駅へ。ちなみに、滋賀県を訪れたのは初めて。JR石山駅からバスで50分、料金は800円。よくまあ、こんな山の中に建てたな、という感じでMIHO MUSEUMがある。

若冲ワンダーランドの見所は「象と鯨図屏風」。昨年、北陸で発見されたこの屏風は、右隻に砂浜にうずくまって長い鼻を高々と挙げる白象、左隻に潮をふく黒い鯨を配した作品。大きさは各隻、高さ159.4×幅354cm。二つ合わせて、幅7mとなかなかの迫力。まあ、それ以外にもプライスコレクションで、モザイク画として有名な「鳥獣花木図屏風」もある。風景、草木、動物、人物画を網羅して、まあ、若冲大全という感じ。

絵もよかったけど、資料や解説もなかなか。若冲というと、青物問屋「桝屋」の跡取りだったけど、ビジネスよりは絵が好きで、とっと弟に跡目を譲り、若隠居して絵画三昧の人生を送った、まあ元祖オタク的な人物像が語られてきたけど、今回の展示や図録の解説では、町の重鎮「年寄」として、町政に関わっていた、という事実が公表されている。

Miho_m2

ところで、MIHO MUSEUMですが、バスを降りて、まず入るのがレセプション棟という受付と食堂がある建物。受付で入場券を買って、美術館本体に向かう。しだれ桜の並木道を歩いて、トンネルを抜けて、橋を渡って、ようやくたどり着く。

Miho_m3

Miho_m4

Miho_m5

美術館の入り口にたどり着くと、妙に狭いように思えるが、実際に入ってみると、中はとても広い。山を切り開いて、建物を建てて、その後で、土を盛って山の状態を元に戻す、ということをやっているらしい。なんとまあ、金のかかった建物。

MIHO MUSEUMを見ていると熱海のMOA美術館とよく似ている、という気になる。どちらも受付の建物があって、そこから、それなりに移動しないと、美術館の展示ゾーンにたどり着けない。調べてみると、どちらも宗教法人が経営に関わっている。MIHO MUSEUMは神慈秀明会、MOA美術館は世界救世教。ちなみに、世界救世教から分離独立したのが神慈秀明会。

| | コメント (0)

2009.10.05

「伊藤若冲《菜蟲譜》と江戸絵画の魅力」を見る

Saityuufu
朝起きて、日曜美術館を見ていたら、伊藤若冲の「菜蟲譜」が佐野市立吉澤記念美術館で公開中とのレビューが流れる。佐野市立吉澤記念美術館がどこにあるかと調べると、栃木県佐野市。東武佐野線「葛生駅」下車徒歩8分とのこと。何となく行ってみる気になって、いろいろ調べると、2時間程度で行けるらしい。その上、10月4日は無料公開とのこと。500円の入場料も不要だ。まあ、往復に4000円ぐらいかかるけど、天気もいいしと、行ってみる気になる。

北千住まで千代田線で行って、東武線に乗り換え。特急「りょうもう」に乗って、館林へ。そこから東武佐野線に乗り換えて、終着駅の葛生へ向かう。葛生駅は下のような感じ。どうやら石灰岩の採れる鉱山の町のようです。周りは山ばかり。

Kuzuu

この駅から、徒歩8分程度で、佐野市立吉澤記念美術館に到着。

Sano

ん〜、平屋の小さな美術館なんだけど、思ったとおり、狭い。

Sano_2

こういうところに「菜蟲譜」があるのが、少々不思議だけど、どうやら、鉱業でもうけた方々が、うまく散財して、いろいろとコレクションしたらしい。

| | コメント (0)

2008.08.16

「対決-巨匠たちの日本美術」を再び見る

明日で最終日となる「対決-巨匠たちの日本美術」を東京国立博物館へ見にいく。最終週は俵屋宗達と尾形光琳の風神雷神図屏風を並べて展示してくれる。この2作品のために行ってみる。

夏休みでお盆休みだからもう人、人、人という感じ。9時25分に自転車で到着するも、既に会場の平成館の前に行列ができていた。この炎天下のため日傘が配布されてます。でも豪雨がきたときはどうすんだろう?と疑問を抱きながらも、俵屋宗達と尾形光琳の風神雷神図に直行して、粘って拝見。

さて、缶バッジの収集ですが、24人中14人まできました。まあ、ここまでか。一応、奇想の系譜の若冲、芦雪、蕭白は入手できたからいいか。

| | コメント (0)

2008.07.14

「対決-巨匠たちの日本美術」を見る

Dueling_geniues
上野の東京国立博物館で「対決-巨匠たちの日本美術」(8/17まで、1500円)を見る。なんだか凄いことになってます。運慶 vs. 快慶に始まって、雪舟 vs. 雪村、永徳 vs. 等伯とまあ、豪華なこと。国宝と重文がぞろぞろと登場する。対戦の数は全12。並べてみせることで各巨匠の個性を浮き彫りにをしようという試みである。雪村や芦雪、蕭白といったあたりをまとめて拝見できるので、しっかりと見ておきたいところ。若冲 vs. 蕭白、応挙 vs. 芦雪、宗達 vs.光琳が期待通りな感じ。でも意外と鉄斎 vs. 大観が良かったりする。

Can_badge
東博も商売がうまくなってきた。山口 晃が各巨匠の肖像画を描いて、缶バッジにしたものをガチャポンで販売中。1枚200円で24種類ある。ん〜取りあえず、3枚購入したが木喰さんがだぶってしまった。まあ展示替えがあるので、何回かいくでしょう。

| | コメント (0)

2007.10.02

センガイ展を見る

Sengai出光美術館で「仙がい/センガイ/SENGAI」(10/28まで、1000円)を見る。しかし仙がいのがいはネットでは表示できないから、書きにくい。まあ、しょうがないか。センガイは九州・博多聖福寺の第123世の住職、臨済宗の古月派を代表する名僧だそうだ。今年は没後170年とのことだけど、まあ、170年以上前の絵という気があまりしない。禅画というのは、白隠もそうだけど、自由闊達ってんでしょうか、なんでもアリなところが好きだな。おそらくは、この辺の感覚が漫画につながっていくのであろうとか、まあ誰でも思いますよね。

ちなみに出光美術館はリニューアルが終わって、ちょっときれいになった。「陶片室」とルオーとムンクの作品を並べた部屋ができてました。ルオーとムンクって結構好きなので、この部屋はちょっと楽しみ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.10.01

「ぎょっとする江戸の絵画」始まります

Siru_wo_tanosimu久しぶりに書店にいって、なんとなくNHKのテキスト売り場を見ていたら「ぎょっとする江戸の絵画」なるものを発見。NHK教育テレビの「知るを楽しむ」という番組で、10月2日から放送開始とのこと。辻惟雄さんが毎回ひとりの奇想の画家を取り上げて25分間、講演してくれるものらしい。取り上げるのは岩佐又兵衛、狩野山雪、白隠、曾我蕭白、伊藤若冲、長沢蘆雪、葛飾北斎、歌川国芳の8人。当然ですがさっそく録画予約しました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.02

BRUTUSの若冲特集はなかなかお買い得

Brutus1BRUTUSの8月15日号(580円)は若冲特集。東京国立博物館で開催中の「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」にからめてのものだけど、結構な充実ぶり。取り外してポスターにできそうな折り込みが2つ、鳥獣花木図屏風の全体写真(その裏側に鳳凰の部分のアップ)と動植綵絵30幅の一覧、があって、これなら少し高くても、十分に良心的な価格設定です。2冊買おうかと思ってます。ミーハーなところでは美術史家の山下裕二とジョー・プライスの対談でプライス邸にある鳥獣花木図屏風をタイルで再現した風呂の写真が載っていたりする。あとプライス氏の奥様、エツコ夫人の写真もあって、ちょっと興味深い。あと、山口晃が描いた4ページにわたる若冲一代記はなかなか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.07.18

「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」を見る

Kiitsu上野の国立博物館で「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」(8/27まで、1300円)を見る。若冲の収集で有名なプライスコレクションから109点を展示。若冲以外に、長沢蘆雪、曾我蕭白、酒井抱一、鈴木其一の作品もいくつか展示されていて、江戸期の代表的な作家の作品が一覧できるお得な展覧会だ。オールカラーのカタログ(2500円)も立派で、さすが東博といっておこう。

個人的な見所は5つ。まず若冲。タイルをはりこんだようなモザイク画「鳥獣花木図屏風」は実物を見るのは初めてってこともあって穴のあくくらいじっくり見た。ん〜どうしてこういう画法なのか?色の使い方を見ても、江戸時代の日本画とはとても思えない。その上、でかい。幅374.4cmの屏風が2つ。若冲ひとりで作成したのではなく、数人いた弟子との合作といわれているのは、納得がいく。細野不二彦のギャラリーフェイクで、銭湯の壁画に「鳥獣花木図屏風」をタイルで作る話があったけど、そんな粋な銭湯があるんなら、入ってみたいもの。

次は長沢蘆雪。若冲がメインだけど、蘆雪の作品も6点あった。展覧会の入口には蘆雪の「猛虎図」が置いてあるくらいだから、そこそこ重視している気がする。以前、千葉市立美術館で開催されたときも見た「白象黒牛図屏風」が印象的。幅1.5m程度の屏風二つに、それぞれど〜んと牛と象が描かれている。黒牛の手前に座った白犬が可愛いのだけれど、これがまた牛の大きさを引き出しているあたりがうまい。

3つ目は江戸琳派。酒井抱一と鈴木其一をメインに展示。其一の「群鶴図屏風」(上の写真)が印象的。初めて見ました。其一の画力というか表現技術というのは、改めてすごいものがあると思った。カタログに掲載されているプライス氏による「エツコ&ジョー・プライスコレクションについて」には「琳派は其一が亡くなると衰退し、西洋画の技法の影響を大きく受けて変化した「日本画」様式がそれにとって代わったと考えている」とある。確かに其一以降の琳派は魅力が半減している、というか、ないわけで、この辺は美術史的にもう少し掘り下げてほしいところ。

4つ目は、会場の一番最後にある平成館第4室の「 特別展示(光と絵画の表情)」。「舞台に使われるような照明装置を使い、「自然光のように変化し、作品に表情を与える陰影ある光」を実現します。」とのこと。通常、美術館では屏風絵にフラットな照明を当てているけど、ここではサイドから徐々に角度を変えて、照明を当てている。屏風をの山と谷の部分が陰影を作り、金箔や銀箔が輝き沈むさまはなかなかのもの。屏風絵をガラスケースから出しておかれているのもうれしい。

最後が「あなたならどう見る?ジャパニーズアート」。平成館の1階でプライスコレクションから8点を公開している。若冲の方とは違って、東博の入場料だけで拝見できるのだけど、気がつかない方々も多いようで、閑散としてます。体験型の展示で、岩絵具や紙・布など絵の材料に触れたりする。ちなみに若冲展の展示は101点でこちらの8点を足して合計109点となるらしい。

今回は、「はてな」と提携して「若冲と江戸絵画」展コレクションブログなるものも展開しているので、そちらも要チェック。この手の展覧会としては解像度の高い画像データを公開してます。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2006.01.03

「日本美術の歴史」を読む

History_of_Japanese_artこの正月は辻惟雄の「日本美術の歴史」(東京大学出版会、2800円)を読んで過ごす。なんともベタなタイトル。内容はタイトル通り日本美術の通史を綴ったもの。教科書らしい。でも装丁は横尾忠則。その上、オールカラーでこの値段。写真も豊富で360点。そもそも著者が「奇想の系譜」の辻惟雄さん。日本の歴史もそうだけど、日本美術の歴史もかなりあやふやになっているので、勉強のつもりで読み始めた。「「かざり」「あそび」「アニミズム」―この三つの鍵をふところに、日本美術の探訪に向かおう」とのこと。やっと平安美術の項まできたところだが、かなり目鱗である。教科書としても優秀だと思われる。最新の学説や解釈をかなり取り上げているし、工芸から絵画、そして建築までと扱う範囲が広い。まあ、こういった本は十代のうちに読んでみたかったな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.16

東京国立博物館で曽我蕭白の群仙図を見る

syouhaku上野の東京国立博物館で「新たな国民のたから−文化庁購入文化財展」(9/4まで、420円)を見る。文化財展といっても展示されているのは10点だけ。でも5点が重文という豪華な展示。特に曽我蕭白の「群仙図」が拝見できるのがうれしい。何回見ても強烈な絵だ。ほとんど観客もいないので、ゆっくりと観察する。白い蝦蟇のいぼが浮き上がって見えるのは、実際に厚塗りしているからか、とか実物を間近に見ないと分からない発見があって面白い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)