カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

2009.06.21

1Q84読了

暇をみながらこつこつと、2週間ほどかけて読了。気がついたら100万部突破。このレベルの小説がこれだけ売れるというのは、日本の出版状況もまだ捨てたもんじゃないと思うわけです。

タイトルと2巻で発売されること、あと本の値段しか読む前の情報がないのも、悪くない。情報のないことが最大の宣伝となるのは、この作家ならでは、という気もする。最後まで読んで、いろんな伏線があったけど、そのうちのいくつかは未回収のまま終わったなと思うわけで、未回収なもののうちのいくつかは、次回作で回収していただきたいと切にお願いしたいところです。まあ、個人的にはネズミの彫り物が心に残って離れません。

ところで、bk1で予約して購入したのだけど、この書店は予約したものはなにがなんでもメール便で配送されるので、発送から到着まで2日はかかる。おかげで書店に並んでいるのになかなか読めない状態でした。だいたいタイトル以外の情報は読む前の読者には届かないようにするのが、今回の売り物の一つだったわけで、読む側としては発売開始と同時に読みたい。それが2日もおあずけをくらい、世間ではだいたいの筋が流れ始めているわけで、なんのための予約なのか訳がわかりません。もうbk1で予約はしないほうが精神にはいいな。

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2009.04.03

山下洋輔が選んだJazzを聞く

Jazz坂本龍一が監修している音楽全集「commmons: schola」の第2巻、Jazzを聞く。この音楽全集は、CD1枚と120ページぐらいの本を合体させたもの。全30巻で、クラシックが16巻、非クラシックが14巻という構成になる、とのこと。おもしろいのは、選曲者がユニークなところ。Jazzはなんと山下洋輔。これは買わずにおれまい。本の方は、坂本龍一と山下洋輔の対談的解説がなかなかよろしい。Jazzとは何かが確認できる選曲と対談で、聞きながら読むのか、読みながら聞くのか分かんないけど、価値ある1枚というか1冊だと思う。

ちなみに、このCD、いろんなレーベルの音源をひっぱてくるので、制作は大変そうだ。まあ、そのためか1冊8,925円(税込み)となる。まあ、しょうがないか。

さらに、ちなみに続刊として、高橋幸宏と細野晴臣選曲の「ドラムとベース」とか萩原健太選曲の「ロックへの道」、ジム・オルークと坂本龍一選曲の「歌謡曲」などなど、が用意されていて、購買意欲をそそります。でも時間がかかるのよね。まあ、5月に出る「ドビュッシー」でも聞いて、クラッシックにも手を染めてみるか、と思う今日この頃です。

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2009.02.19

「ハチはなぜ大量死したのか」を読む

Fruitless_fallハチはなぜ大量死したのか」(文藝春秋、2000円)を読む。原題は「Fruitless Fall」つまり「実りなき秋」。受粉してくれるハチがいなくなると、実りなき秋が訪れる、ということらしい。どうやら、実りなき秋はいつきてもおかしくない状況らしい。

知らなかったのだけど、2007年春までに北半球から四分の一のハチが消えた、という事件が起きたらしい。この現象は蜂群崩壊症候群(CCD:Colony Collapse Disorder)と呼ばれている。女王バチと卵、そして大量のハチミツを残してハチがどこかに行ってしまい、巣が壊滅する現象である。この本は、CCDを徹底的に原因追及したものだ。本当に徹底していて、ハチの生態から、ハチを巡るビジネスについて、分かりやすく解説してくれる。本当にハチってよく出来た生き物なのね、ということが理解できる。そしてハチを巡るビジネスが、今や蜂蜜ではなく、植物の受粉にある、ということも教えてくれる。その典型的な例がカリフォルニア産のアーモンドだ。全世界のアーモンドのうち82%はカリフォルニア産で、この大量のアーモンドの受粉のために150万箱のミツバチの巣箱が必要になるそうだ。

その一方で、CCDの原因はなかなか分からない。ダニやウイルス、携帯電話の電磁波、農薬、遺伝子組み換え植物と、いろいろな犯人が登場するが、実はどれも決定打ではない。結局は複合的な環境変化によるものではないか、という結論にたどりつく。

この本で、ハチについて、多少は知識がついた。ちょっと飼ってみたくもある。ん、養うか。まあ、都内のマンション暮らしではどうにもできないけどね。それよりも、この本に書かれていたことで、ショックだったのは、あまりメジャーではない虫達が、ある地域では絶滅している、という事実だ。その結果、受粉は人間が手仕事でやっていたりする世界もあるらしい。まあ、ホッキョクグマのような大きな動物は話題になるけど、その辺を飛んでいた虫については、あまり気にしないのかもしれない。気がついたらいなくなっている、というなら、ましな方で、一般にはいなくなったことにすら気がつきもしないのだろう。最近、あんまり虫をみないなあ、と思うのだけど、どうなんだろう。実りなき秋は着実に近づいてきているのかしら?

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2009.01.30

山上たつひこ「中春こまわり君」を読む

Komawari2004年からビッグコミックにときどき掲載されてきた「中春こまわり君
」(小学館、1400円)がようやくまとまって本になった。ここで、こまわり君は38歳で12歳の男の子の父、さらに「金冠生生電器」の営業部に勤めるサラリーマンである。なんと「西城君」は同僚だし、ジュンちゃんこと木之内ジュンは別れた男の親の介護をしながら生きていたりする。小学校の恩師「あべ先生」は肝臓を壊して、生活が荒れている。しかし、山上さんの絵は2004年より2006年、2008年と確実にうまくなっているところが素晴らしい。

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2008.12.26

今年のマンガ、ベストは?

Mamga2008気がついたら、ほとんどミステリは読まなくなっていた。そして「このミス」が気にならなくなっていた。なんとなく4年前までは「このミステリーがすごい」を買って、ベスト10で読んでなかったものは、正月休みに読んでいたのだけど、その情熱はどこにいったのか?
まあミステリはあまり読まなくなったが、マンガは相変わらず読む。マンガ読み歴は40年近いので、そこそこ蓄積があるから、読みたい作家についてはあまり困らない。一方でさほど冒険をする気もないから最近の作家は分からない。で、昨年に続いて、フリースタイルの「このマンガを読め!〈2009〉」(840円)を買ってみた。宝島社から「このマンガがすごい!2009」(552円)がでているが、中身の濃さは「このマンガを読め!」が上をいく。なんといっても山上たつひこのインタビューが掲載されているしね。さらには昨年「このマンガを読め!2008」のおかげで吉田秋生の「海街diary 蝉時雨のやむ頃」を読むことができたし、そこそこ収穫はあったのだ。

まあ、結論からいって、今年はイマイチの年であったようだ。1位が子育てマンガ「ママはテンパリスト」、2位がキリストと仏陀が現代日本の安アパートに住んでいるギャグマンガ「聖☆おにいさん」、3位は「深夜食堂」。「聖☆おにいさん」や「深夜食堂」は雑誌で読む分にはいいが、単行本を買うまでにはいたらない感じがする。パワー不足な感じ。まあ、個人的には今年はずっと読んできた作品が3つ終了したので、そっちの方がインパクトがあった。望月峯太郎の「万祝」、遠藤浩輝の「EDEN」、菅原雅雪の「暁星記」の3つなんだけど、なぜかすべて講談社。

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2008.11.26

美術手帖創刊60年、アート・トップ休刊など

Bt■美術手帖2008年12月号は創刊60周年の記念特大号。過去の記事をコラージュした200ページ以上ある特集部分は椹木野衣が“特任編集長”として参加している。 雑誌を60年継続するというのは、なかなか難しいことなんだけど、芸術という世界に特有のことか、いつでも先端感のある編集スタイルがうらやましい。ちなみに60周年特集は読みどころ満載で、三島由紀夫と東山魁夷が見開きで公開文通していたり、白土三平のインタビューがあったり、寺山修司が書評を書いていたりする。まあ、幅の広いこと。■美術手帖と芸術新潮、ART IT、アート・トップの4誌を定期購読しているのだけど、このうちアート・トップが休刊してしまった。アート・トップは、2008年7月号の「町田久美」特集、2008年09月号の「超絶技巧絵画編」となかなかの内容で、つい定期購読してしまったのだけど、2008年11月号で休刊。残念です。特に定期購読をすることを決めた特集「超絶技巧絵画編」では、諏訪敦と山下裕二の対談付きで、若手の細密画家達を紹介している。諏訪敦との対談で山下裕二は、毒気のある、辛辣ないいかたをしていて、絵ではまず技巧ありき、としていて、面白かったのだけど、残念。

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2008.11.13

小林秀雄のCDを聴く

小林秀雄は当然、本居宣長とか、考えるヒント、とかの小林秀雄です。小林秀雄の講演はなかなか、と茂木健一郎氏が絶賛していたので、ずっと気になっていた。でもCDは高価なので、ためらっておった。ところがどっこい、文芸誌の「新潮」の12月号にCDが付録で付いていると聞いて、久しぶりに文芸誌を買ってしまった。拝聴すると、江戸っ子な感じのしゃべりっぷり。声のトーンというか話のリズム、間の取り方が古今亭志ん生的なのがよろしい。志ん生が哲学を語っているような錯覚というか幻聴というか、なんとも不思議な感じ。やはりCDを買ってみようか?

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2008.10.16

岸本佐知子に少しはまる

岸本佐知子の翻訳短編集「変愛小説」(講談社、1900円)をようやく読了。恋愛でも偏愛でもない、変愛(へんあい)。愛はすべて変だ、というならそうかもしれない。私は体を徐々に宇宙服に覆われて、最後には宇宙にむけて飛んでいってしまう、という奇病にかかってしまうカップルの愛を語る「僕らが天王星に着くころ」が気に入ったけど、小泉今日子様は木に恋をしてしまう話「五月」がよかったそうな(腰巻きによる)。まあ、人それぞれか。しかし、まあ、よくまあこれだけ、変な愛を集めたことか、と感心してしまう。

感心したついで、岸本佐知子のエッセイを読む。「気になる部分 (白水uブックス)」と「ねにもつタイプ」の2冊。柴田元幸氏の責任編集による雑誌「モンキー ビジネス 」に連載されている「あかずの日記」で笑わせてもらったけど、この2冊の濃度もなかなか濃い。特に「気になる部分」の濃さは目を見張るものがある。岸本氏がサントリー宣伝部に勤めていたころの体験を語った当たりは、涙なしには読めないとまではいかないが、せつなく笑える。6年半も勤めた岸本氏の根性にもあきれるが、サントリーの懐の深さに感じ入る。一方で、この濃い笑いが、リアルな体験をベースにしている、との本人の発言もあり、かなり恐ろしい気もする。生きている限り笑いはつきないかも。

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2008.05.31

松本清張の「小説日本芸譚」を読む

Japanease_art_short_story松本清張の「小説日本芸譚」(新潮文庫、438円)を読む。昭和32年つまり1957年に芸術新潮に連載された短編小説。テーマは美術家。運慶、古田織部、写楽、雪舟、本阿弥光悦といったビッグネームが登場する。小説自体は、評伝ではなく芸術家の“人”を描いたもの。かなり目からウロコでした。例えば、本阿弥光悦はアクの強い、強烈な個性の人として描かれる。これまでは俵屋宗達に興味があったけど、この小説を読むと、本阿弥光悦が気になってくる、といった感じ。

ただし、ビッグネームであればあるほど、人を描くのは難しいようだ。清張も「芸術家は存在しても、人間の所在が分からないのである」とまで後記で書いている。でも人物より作品が前へ出てくるのは、芸術家としては当たり前。作家は人間性よりも作品で評価されるから、しょうがない。でも松本清張による“人間”の掘り起こしは、かなり面白い。

ちなみにこの本、千駄木と根津の間にある往来堂で購入。最近、本を買うのはネットがほとんどだけど、この本は往来堂じゃない購入できなかったと思える。というわけで、月に2-3回は往来堂にいくようにしている。

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2008.05.03

monkey business創刊

Monkey_business翻訳家の柴田元幸が雑誌を作っているらしい、という記事をどこかの雑誌で読んで、頭の隅にその記憶が残っていた。表紙が派手なイラストで、タイトルは「monkey business」(ヴィレッジブックス、880円)。ようやく千駄木の往来堂で発見し購入。表紙は派手だけど文芸誌。

「2008 Spring vol.1 野球号」とあるように、巻頭から柴田と小川洋子の野球と小説に関わる対談、田口犬男の野球テーマの詩、柴田のポール・オースターのことをからめた野球エッセイと続く。ポール・オースターによる日本人大リーガー評は面白い。ちなみに次号は7月20日発売で「眠り号」とある。次号も買わなくっちゃ、と思うんだどね。

ラインアップはなかなか。川上弘美、岸本佐知子の連載や、西岡兄弟によるカフカの漫画がよろしい。特に岸本の「分数アパート」ってネタはいいなあ。まだ全部、読んでないけど、字が比較的大きくて、老眼にも優しい。眠る前にコツコツと読んでます。ちなみに、小説とイラストは投稿可能。小説は誕生月で投稿資格を制限したシステムで、今回は4月、5月、6月生まれの人が投稿できる。つまり年に1回、投稿可能となる。制限されるとつい、6月生まれの私は投稿してみたくなるけど、さてどうなることやら。

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