カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

2016.03.21

パイ インターナショナルから出版された祖父江デザイン作品集『祖父江慎+コズフィッシュ』を購入する

デザイナーの祖父江慎さんの全仕事をまとめた本が11年前に出版記念パーティもやったのに、実はまだ世に出てない、という噂には聞いていたんですが、本当でした。まあ、それでも、11年遅れて本当に出た。ちょうど、千代田区立日比谷図書文化会館で「祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ」(2016/1/23~3/23日:300円)の開催中に刷り上がったらしく、3月17日に日比谷図書文化会館の1階ショップ&カフェにて先行販売とのTweetが流れたので、もうないかもと思いながら3月19日の午前中によってみたらありました。ちなみにリリースも出てたので、リンクをはっておきます(それから祖父江慎+コズフィッシュ展についても記事を書いたので、興味のある方はご覧ください)。

制作期間11年、幻の本がついに発刊『祖父江慎+コズフィッシュ
祖父江デザインのすべてが詰まった作品集、ついに完成!

http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000139.000012505.html

編集作業が膨大なこういった本は、出版が遅れる傾向にあるけど、なんとか踏ん張って出したという感じです。ただ、全仕事ではなく、2006年以降の作品はリストになっているので、前書きによると「前-仕事」とのこと。遅れれば、遅れるほど、収録しなければならない作品は増えていくわけで、まあ、想像するに切ないモノがあります。この本自体が全リストの一番最後に乗っているでとりあえず矛盾はないんだけど…。

中身は「ブックデザイナー・祖父江慎の主立った仕事を「コミックス」「読み物」「ビジュアル」「コズフィッシュ以前」の4カテゴリーに分けて祖父江自らによる解説とともに一挙掲載。加えて本文フォーマットや造本の設定書なども多数収録、巻末にはコズフィッシュ以前から2016年現在までの全仕事を網羅したブックリストも併録。祖父江慎+コズフィッシュのすべてがわかる408ページです」とのこと。『祖父江慎+コズフィッシュ』のお値段は9504円です。高いのですが、このボリューム感は安いです。表紙は下のようになります。

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表紙はエンボス加工がされていて、そこそこかっこいいです。表紙にあるイラストは、祖父江慎+コズフィッシュ展で使っているものとほぼ同じなので、本来は、この展覧会に合わせて、出版するつもりだったと思われますが、結局、遅れて、ぎりぎり最終日の直前に限定数を先行販売したんでしょう。本は、中面にもいくつかおまけがあるので、一度は書店で確認して見る価値があります。この本をぱらぱらと読んでいると、電子版にはない、リアルな本の面白さが伝わってきます。

先行販売の本には、別におまけが付いてきます。祖父江慎+コズフィッシュ展でも展示していたブラックライト印刷の見本とブラックライトです。下の写真のように、ブラックライト1つとブラックライト印刷見本2枚の組み合わせです。

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ブラックライト印刷とは「紫外線に反応してカラフルに発光する特殊インキで印刷する新しいプリントサービスです。通常の照明下では何も見えませんが、紫外線(ブラックライト)を照射することでRGBカラーが鮮やかに発光します」(サンエーカガク印刷)というものらしい。ちなみにおまけとして配布された携帯用のブラックライトですが「日亜製 紫外線LED(UV-LED) 375nm 携帯小型ブラックライトキーホルダー」という名称で税込864円で売ってました。このライトを点灯して、印刷見本を照らすと、カラーの写真が浮き上がりました。下の写真は枠だけで、何も印刷されていないはずが、ブラックライトで写真が浮き出たところです。

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こちらは、既に印刷してある状態にブラックライトを当てて、色が浮き上がったところ。通常の印刷と混在できるということらしい。

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ちなみに、3/20で日比谷図書文化会館の1階ショップ&カフェでは売り切ったらしく、ブラックライト印刷のおまけが手に入るのは4/2に青山ブックセンターで開催される祖父江さんのトークイベントになる模様。でも、このトークイベントは受け付け終了しているのでした。

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2011.10.30

原発を読む−−政策、技術、展望の3冊 その1

原発事故後、関連本を5〜6冊読んだ。まあ、いかに自分が原発から目をそらして生きてきたか、という感じだ。推進派の論理がいかに破綻しているか、そして原発推進がどうして危険なのかが、よく分かった。

いろいろ読んだけど、基本、3冊読めばよかったな、という気がする。まず、政策的な分析。推進派は原発が経済効率が高く、CO2削減の切り札としてとしているが、本当なのか。そして、技術的な分析。本当に平和利用は可能なのか。最後に展望。政策的な分析と技術的な分析をふまえて、ではどうすればいいか。核廃棄物のことを考えると、現在の技術では完全な脱原発は不可能だ。何らかの方向性を示してくれる展望が必要だ。

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まともな政策的分析を読みたければ「原発と日本の未来――原子力は温暖化対策の切り札か (岩波ブックレット)
」(吉岡 斉著、発行:岩波書店 価格:500円)がよさそうだ。3.11以降、最初に読んだ原発関連本がこれ。この本の発行日は2011年2月8日。3.11の直前に出版されたものだ。脱原発の立場から、原発推進派の矛盾点を淡々と明らかにしていく。原発事故の前に書かれたもだからこそ、淡々とデータを積み上げて明らかにされていく矛盾点は説得力が強い。

まず2001年のアメリカ、ブッシュ政権の原発への積極的政府支援から始まった「原子力ルネッサンス論」の矛盾を明らかにする。特に「原子力ルネッサンス論」が単なる政治的スローガンで、原発が全く復活していないことが数字で示される。結論としては、先進国では停滞&減少傾向だが、インド、中国など、電力需要が増加する途上国で一部導入されることで、原発の数は増減ゼロ、としている。つまり復興はしてないことが明らかになる。

この本で、一番驚かされたのが、「原子力発電が地球温暖化対策として有効か」と小見出しのついた数ページだ。原発は化石燃料を使わないためCO2を排出しない。よって、CO2削減の切り札となる、とうのは単純に正しいように思われるのだが、そうはいかないらしい。筆者によるとデータ上は原発拡大とCO2排出量削減は逆相関関係が認められるという。まあ、いろんな背景があるんだろうけど、原発を金をかけて作ったが設備利用率が低く、いざってときはCO2を大量に排出するけど、安価な火力に頼るしかない、というのが本当のところらしい。


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2010.02.15

羽鳥書店まつりで久しぶりに古本を買い込む

Furuhon
羽鳥書店の社主、羽鳥さんの蔵書を売りさばく「羽鳥書店まつり」に木曜と土曜にいって、こんだけ買ってしまった。金額にして1万1000円。「羽鳥書店まつり」は編集者にして、本好きの羽鳥さんの本を「一旦すべて売ってしまおう」という企画だそうです。経緯はこちらで。全部で1万冊とかあるらしい。しかし「一旦すべて売ってしまおう」ってのはいい考え方かもしれない。自分の蔵書はだいたい1.8mの本棚が20m分だと思われるので、1m当たり150冊として、3000冊程度だから、まだまだ、その境地には辿り着けませんが、1万冊に達したその日には、こういった祭りもやってみたいもんだと思います。

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2009.06.21

1Q84読了

暇をみながらこつこつと、2週間ほどかけて読了。気がついたら100万部突破。このレベルの小説がこれだけ売れるというのは、日本の出版状況もまだ捨てたもんじゃないと思うわけです。

タイトルと2巻で発売されること、あと本の値段しか読む前の情報がないのも、悪くない。情報のないことが最大の宣伝となるのは、この作家ならでは、という気もする。最後まで読んで、いろんな伏線があったけど、そのうちのいくつかは未回収のまま終わったなと思うわけで、未回収なもののうちのいくつかは、次回作で回収していただきたいと切にお願いしたいところです。まあ、個人的にはネズミの彫り物が心に残って離れません。

ところで、bk1で予約して購入したのだけど、この書店は予約したものはなにがなんでもメール便で配送されるので、発送から到着まで2日はかかる。おかげで書店に並んでいるのになかなか読めない状態でした。だいたいタイトル以外の情報は読む前の読者には届かないようにするのが、今回の売り物の一つだったわけで、読む側としては発売開始と同時に読みたい。それが2日もおあずけをくらい、世間ではだいたいの筋が流れ始めているわけで、なんのための予約なのか訳がわかりません。もうbk1で予約はしないほうが精神にはいいな。

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2009.04.03

山下洋輔が選んだJazzを聞く

Jazz坂本龍一が監修している音楽全集「commmons: schola」の第2巻、Jazzを聞く。この音楽全集は、CD1枚と120ページぐらいの本を合体させたもの。全30巻で、クラシックが16巻、非クラシックが14巻という構成になる、とのこと。おもしろいのは、選曲者がユニークなところ。Jazzはなんと山下洋輔。これは買わずにおれまい。本の方は、坂本龍一と山下洋輔の対談的解説がなかなかよろしい。Jazzとは何かが確認できる選曲と対談で、聞きながら読むのか、読みながら聞くのか分かんないけど、価値ある1枚というか1冊だと思う。

ちなみに、このCD、いろんなレーベルの音源をひっぱてくるので、制作は大変そうだ。まあ、そのためか1冊8,925円(税込み)となる。まあ、しょうがないか。

さらに、ちなみに続刊として、高橋幸宏と細野晴臣選曲の「ドラムとベース」とか萩原健太選曲の「ロックへの道」、ジム・オルークと坂本龍一選曲の「歌謡曲」などなど、が用意されていて、購買意欲をそそります。でも時間がかかるのよね。まあ、5月に出る「ドビュッシー」でも聞いて、クラッシックにも手を染めてみるか、と思う今日この頃です。

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2009.02.19

「ハチはなぜ大量死したのか」を読む

Fruitless_fallハチはなぜ大量死したのか」(文藝春秋、2000円)を読む。原題は「Fruitless Fall」つまり「実りなき秋」。受粉してくれるハチがいなくなると、実りなき秋が訪れる、ということらしい。どうやら、実りなき秋はいつきてもおかしくない状況らしい。

知らなかったのだけど、2007年春までに北半球から四分の一のハチが消えた、という事件が起きたらしい。この現象は蜂群崩壊症候群(CCD:Colony Collapse Disorder)と呼ばれている。女王バチと卵、そして大量のハチミツを残してハチがどこかに行ってしまい、巣が壊滅する現象である。この本は、CCDを徹底的に原因追及したものだ。本当に徹底していて、ハチの生態から、ハチを巡るビジネスについて、分かりやすく解説してくれる。本当にハチってよく出来た生き物なのね、ということが理解できる。そしてハチを巡るビジネスが、今や蜂蜜ではなく、植物の受粉にある、ということも教えてくれる。その典型的な例がカリフォルニア産のアーモンドだ。全世界のアーモンドのうち82%はカリフォルニア産で、この大量のアーモンドの受粉のために150万箱のミツバチの巣箱が必要になるそうだ。

その一方で、CCDの原因はなかなか分からない。ダニやウイルス、携帯電話の電磁波、農薬、遺伝子組み換え植物と、いろいろな犯人が登場するが、実はどれも決定打ではない。結局は複合的な環境変化によるものではないか、という結論にたどりつく。

この本で、ハチについて、多少は知識がついた。ちょっと飼ってみたくもある。ん、養うか。まあ、都内のマンション暮らしではどうにもできないけどね。それよりも、この本に書かれていたことで、ショックだったのは、あまりメジャーではない虫達が、ある地域では絶滅している、という事実だ。その結果、受粉は人間が手仕事でやっていたりする世界もあるらしい。まあ、ホッキョクグマのような大きな動物は話題になるけど、その辺を飛んでいた虫については、あまり気にしないのかもしれない。気がついたらいなくなっている、というなら、ましな方で、一般にはいなくなったことにすら気がつきもしないのだろう。最近、あんまり虫をみないなあ、と思うのだけど、どうなんだろう。実りなき秋は着実に近づいてきているのかしら?

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2009.01.30

山上たつひこ「中春こまわり君」を読む

Komawari2004年からビッグコミックにときどき掲載されてきた「中春こまわり君
」(小学館、1400円)がようやくまとまって本になった。ここで、こまわり君は38歳で12歳の男の子の父、さらに「金冠生生電器」の営業部に勤めるサラリーマンである。なんと「西城君」は同僚だし、ジュンちゃんこと木之内ジュンは別れた男の親の介護をしながら生きていたりする。小学校の恩師「あべ先生」は肝臓を壊して、生活が荒れている。しかし、山上さんの絵は2004年より2006年、2008年と確実にうまくなっているところが素晴らしい。

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2008.12.26

今年のマンガ、ベストは?

Mamga2008気がついたら、ほとんどミステリは読まなくなっていた。そして「このミス」が気にならなくなっていた。なんとなく4年前までは「このミステリーがすごい」を買って、ベスト10で読んでなかったものは、正月休みに読んでいたのだけど、その情熱はどこにいったのか?
まあミステリはあまり読まなくなったが、マンガは相変わらず読む。マンガ読み歴は40年近いので、そこそこ蓄積があるから、読みたい作家についてはあまり困らない。一方でさほど冒険をする気もないから最近の作家は分からない。で、昨年に続いて、フリースタイルの「このマンガを読め!〈2009〉」(840円)を買ってみた。宝島社から「このマンガがすごい!2009」(552円)がでているが、中身の濃さは「このマンガを読め!」が上をいく。なんといっても山上たつひこのインタビューが掲載されているしね。さらには昨年「このマンガを読め!2008」のおかげで吉田秋生の「海街diary 蝉時雨のやむ頃」を読むことができたし、そこそこ収穫はあったのだ。

まあ、結論からいって、今年はイマイチの年であったようだ。1位が子育てマンガ「ママはテンパリスト」、2位がキリストと仏陀が現代日本の安アパートに住んでいるギャグマンガ「聖☆おにいさん」、3位は「深夜食堂」。「聖☆おにいさん」や「深夜食堂」は雑誌で読む分にはいいが、単行本を買うまでにはいたらない感じがする。パワー不足な感じ。まあ、個人的には今年はずっと読んできた作品が3つ終了したので、そっちの方がインパクトがあった。望月峯太郎の「万祝」、遠藤浩輝の「EDEN」、菅原雅雪の「暁星記」の3つなんだけど、なぜかすべて講談社。

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2008.11.26

美術手帖創刊60年、アート・トップ休刊など

Bt■美術手帖2008年12月号は創刊60周年の記念特大号。過去の記事をコラージュした200ページ以上ある特集部分は椹木野衣が“特任編集長”として参加している。 雑誌を60年継続するというのは、なかなか難しいことなんだけど、芸術という世界に特有のことか、いつでも先端感のある編集スタイルがうらやましい。ちなみに60周年特集は読みどころ満載で、三島由紀夫と東山魁夷が見開きで公開文通していたり、白土三平のインタビューがあったり、寺山修司が書評を書いていたりする。まあ、幅の広いこと。■美術手帖と芸術新潮、ART IT、アート・トップの4誌を定期購読しているのだけど、このうちアート・トップが休刊してしまった。アート・トップは、2008年7月号の「町田久美」特集、2008年09月号の「超絶技巧絵画編」となかなかの内容で、つい定期購読してしまったのだけど、2008年11月号で休刊。残念です。特に定期購読をすることを決めた特集「超絶技巧絵画編」では、諏訪敦と山下裕二の対談付きで、若手の細密画家達を紹介している。諏訪敦との対談で山下裕二は、毒気のある、辛辣ないいかたをしていて、絵ではまず技巧ありき、としていて、面白かったのだけど、残念。

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2008.11.13

小林秀雄のCDを聴く

小林秀雄は当然、本居宣長とか、考えるヒント、とかの小林秀雄です。小林秀雄の講演はなかなか、と茂木健一郎氏が絶賛していたので、ずっと気になっていた。でもCDは高価なので、ためらっておった。ところがどっこい、文芸誌の「新潮」の12月号にCDが付録で付いていると聞いて、久しぶりに文芸誌を買ってしまった。拝聴すると、江戸っ子な感じのしゃべりっぷり。声のトーンというか話のリズム、間の取り方が古今亭志ん生的なのがよろしい。志ん生が哲学を語っているような錯覚というか幻聴というか、なんとも不思議な感じ。やはりCDを買ってみようか?

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