カテゴリー「DOMANI・明日展」の記事

2017.01.22

国立新美術館で「19th DOMANI・明日展」を見る

国立新美術館で「19th DOMANI・明日展」(2016/12/10-2017/2/5;1000円)を見た。主催は文化庁。文化庁が海外に派遣した若手美術家の作品を展示している。以下プレスリリースから引用すると

文化庁は、将来の日本の芸術界を支える人材の育成のため、若手芸術家等が海外の大学や芸術関係機関等で行う研修を支援する「新進芸術家海外研修制度(旧・芸術家在外研修)」を 1967 年度から実施しており、まもなく半世紀を迎えようとしています。また、そうした研修の成果発表の機会として 1998 年から「ドマーニ・明日展」を開始し、今年度で第 19 回目を迎えます。

としている。

若手の美術家の作品をある程度まとめて拝見できるので、5年連続で、見に来てます。作品のタイプも、インスタレーション的なモノから、ビデオ、版画、油絵、日本画、写真、彫刻などなど、多岐にわたるので見ていてあきない。あと、この展示の特徴はほぼ撮影がOKなところ。というわけで、写真をまじえながら、メモっておきます。

今回jのテーマについては、「「reconsidering Japan」をゆるやかなテーマに、「2020」を目前にあらためて日本を考える機会とします」とのこと。全体を見た印象ですが、ゆるやか過ぎてテーマの意味がよく分からない、というか、無理にテーマを付けなくてもいいんじゃないの、という感じもする。

でまあ、印象に残った作品&作家ですが、まず秋吉風人。透明なアクリル板に透明感のある油絵具を塗った作品。色の付いた三角定規を重ねたような作品で色の濃淡とかが美しい。

Akiyoshi1

平川祐樹の作品はビデオインスタレーション。暗い部屋の中で天井を見上げると、木立の先に夜空が見える映像が投影されていて、その下を見ると木の根の切り口が写った映像が映し出されている。しんとした静かな感じ。

Hirakawa1

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松井えり菜の作品は何度か見たことがあるけど、変な自画像の人という印象でした。まあ、そのまま、なんだけど立体も作成していて、そこでも自分をデフォルメしているのは、ちょっと感動した。

Matsui2

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保科晶子の作品は陶器なんだけど、子供の服を粘土で作成している。焼き物なのに、布な感じがする。触ってみたい。

Hoshina1

金子富之の作品は東南アジアの宗教をテーマにしている。ヒンドゥー教だそうだ。荒々しい神々という感じ。、

Kaneko1

池内晶子の作品は絹糸を使っている。絹糸で作られた大きなオブジェ。赤い絹糸を結んでつるしたものが、こういう風に見えるのか、という一種の感動がある。

Ikeuchi


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2015.12.19

新国立美術館で「18th DOMANI・明日展」を見る

 新国立美術館で「18th DOMANI・明日展」(2015/12/12-2016/1/24:1000円)を見た。この展覧会は文化庁が主催するもので、文化庁は海外に派遣した若手美術家の作品を展示している。以下プレスリリースから引用すると

「文化庁は、将来の我が国の芸術界を支える芸術家を育成するため、若手芸術家等が海外の大学や芸術関係機関等で行う研修を支援する「新進芸術家海外研修制度」を1967年度から実施し、「DOMANI・明日展」はその研修の成果発表の場として1998年に始まりました。」

 といったところ。ちなみに「Domani」はイタリア語で「明日」です。

 このところ、4年連続で見に行っている。ほとんど知らない若手美術家の作品が拝見できることもあるんだけど、平面から立体、アニメーション、インスタレーションと分野が多岐にわたっていて、見ていて面白いのが、見続けている理由だと思う。展示の方法も、作家ごとにスペースを区切っていて、各作家の世界観がコンパクトにまとまっているのがよろしい。そして作家によっては写真撮影が許可されているのもうれしい。

 今回は、「表現と素材 物質と行為と情報の交差」というのがテーマ。こちらもプレスリリースによると

「今日のアーティストにとって、表現のための素材は、物質だけではなく、行為や行動そのもの、情報のようにかたちを伴わないものも、その範疇にはいります。素材の対象が大きく変化してきている背景には、現代社会が高度に情報化したことや、発達著しいテクノロジーの影響により、私たちが世界をとらえる感覚がかわってきたことがあげられるでしょう。物質、行為、情報等、あらゆるものが素材となりうる中で、作家は自らの表現に適した素材を選び、創作しています。」

 とのこと。確かに素材の面でもオリジナリティの高い、作家がそろっているように思える。

 で、印象に残った作品と作家をざっとメモっておく。まず最初に木島 孝文(http://takafumi-kijima.com/)。素材はセメントとかタイルとか、建築用のものと金属や鉱物を使ってます。下の作品「A.R. #496 “Citrus” Paraiso」は7900×7900mmという巨大な作品。

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 近くによって拡大写真を撮ると、下のようになる。

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 今回、展示された作品の中で、もっとも気になったのは松岡 圭介(http://www.keisukematsuoka.com/)の「a tree man」。素材は木、磁石、鉄粉、チタンとのこと。フォルムもいいなあと、思うわけです。

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 不思議な表面の感じは小さな磁石に鉄粉を吸い寄せたものらしい。下はその表面を拡大したもの。

Domani_matsuoka2

 これも、なんだか分からなくて、でも立ち止まって、しばし眺めてしまった。線 幸子の作品、「Layer -波動 V」。真綿を使った作品で、塩ビ板で蓋をしている。塩ビ板なので、ぼやけてしまって微妙にピントが合わない感じがもどかしい。

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 こちらはモザイク。西ノ宮 佳代の作品で「猫だるま」というタイトルが付いていた。ざらっとした質感と明るい色彩がいいなあと、思うわけです。

Domani_nisinomiya

 最後は木版画。版画なのに幅4210×高さ1820mmと巨大だ。風間サチコの「風雲13号地」。なんとなくお台場にある建物が巨大な戦艦に乗っかって、荒波のなかを進んでいく、ように見える。作家の解説では「進み出したら止まらない公共事業という巨大な波を、大艦巨砲主義の幻想と重ねた」とある。墨一色で迫力があって(この大きさで多色刷りはやらないほうがいいだろうけど)目が釘付けになる。なんでも、学芸員の解説よると版画なのに1枚しか刷らないらしい。その辺にもこの迫力の秘密があるのかも。

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 あと、修復家2名の紹介があり、その内容は面白かったけど、その場では読み切れなかったのでカタログを購入しました。お値段は1500円で、デザインがいい感じ。

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2014.12.23

「17th DOMANI・明日展」を見る

 新国立美術館で「「17th DOMANI・明日展」(1/25まで、1000円)を見る。文化庁が「将来の我が国の芸術界を支える芸術家を支援するため、若手芸術家を海外に派遣し、その専門とする分野について研修の機会を提供して、 その研修の成果発表」する展覧会。今回は12人の美術家と3人の保存修復家について展示している。前回(昨年)は美術家10人と建築家43人の展示でしたが、今回は建築の展示はやめて、美術家の展示数をもとに戻したようだ。修復家の展示はそんなに場所をとらずに、休憩スペースのような場所に、さりげなく置いてあった。昨年の建築関連の展示は美術作品とはコンセプトが違うものなので、見る側からすると、集中できない感じだった。まあ、戻してもらってよかった。

 この展覧会は、美術家ごとにスペースを区切り、その作家個人の作品空間を見せてくれるので、部屋を移動するたびに、雰囲気ががらりと変わるのが、毎度のことだが、面白い。ジャンルが平面から立体、写真、アニメーションと多種多様なので、飽きることがない。そのうえ、写真撮影がOKなので、インスタレーション風の作品を、こういいったブログで紹介するのに都合がいい。

 12人、どの作家も面白かったけど、特に気になったのが、岩崎 貴宏と入江 明日香の作品。

 岩崎 貴宏の作品は立体物。ここでは2種類の作品を公開していた。まず檜を使った建物の模型を上下対称に作成した「リフレクションモデル」(写真下)。ワイヤーでつっているのだけど、一瞬、空中に浮かんでいるように見える。

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 そして、雑巾の上に工場というかプラントのミニチュアを立てた「アウト・オブ・ディスオーダー」(写真下)。こちらは、ガラスケースの中に入っている。

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 作風が全然違うのがいいのだけど、ギャップが見る側には心地よいです。

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 上が入江 明日香の作品。かわいすぎるけど、色の鮮やかさとか、細密な感じがいいです。銅版画をコラージュしているらしいのだけど、銅版画でこれだけ色鮮やかなのが、驚きです。

 このほか、関根直子の鉛筆画も気になった。抽象的だけど、独特の質感が面白い。

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2014.01.15

「16th DOMANI・明日展」を見る

 新国立美術館で「16th DOMANI・明日展」(1/26まで、1000円)を見た。2007年までは損保ジャパン東郷青児美術館でやっていたのだけど、2008年からは新国立でやっている。この展覧会は「文化庁の支援により海外研修を行った作家を紹介する」もので、比較的、若手の旬の現代作家の作品が拝見できる。昨年も行って、なかなか良かったので、今年もいってみた(昨年の記事はこちら)。今回も印象に残る作品と作家がいたのは、うれしいところ。昨年同様、作家ごとに部屋を区切っていて、作家によっては、撮影可なので、今回も遠慮なく撮影もさせてもらった。

 いずれも、面白い作品でしたが、以下の2人の作品が印象的でした。

 まず、メディアアート。榊原澄人さんの作品。横長の巨大なスクリーンに映ったアニメーション「É IN MOTION No.2」。榊原澄人さんのサイトで拝見できます。ブリューゲルとヒエロニムス・ボスあたりが融合した感じの巨大な作品。映像作品って時間がかかるわりに得られるものが少ない作品が多いのだけど、かなり没頭して見てしまった。

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 一方、こちらは地味だけど、面白い質感だ。吉本直子さんの作品。白いシャツを加工してブロックを作ったりして造形物を構築している。おそらくは数千枚はある白いシャツは、古着などで集めたものらしい。明るさを抑えた照明で、演出もいい雰囲気を醸している。

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 ところで、今回は「初めての試みとして『未来の家』という、ゆるやかなテーマを設け、43名の建築家たちがひとつの作品を創り上げる」ってのがあって、そこそこ広いスペースをとっている。ただ、43名が参加しているので、小さなブースがたくさんあって、その中に模型などが展示されているのだけど、かなり時間をかけて見ないと分からないものが多く、ほとんど印象に残らなかった。美術作品のようにピンとくるものがなく、同列に扱うのは違う気がする。少なくとも、私は美術作品を見に来たのであって、建築のコンセプトを見に来たわけではない。むしろ「未来の家」という建築の展覧会があったら、もう少し別の見方ができたかもしれない。どちらにしても、全くコンセプトの違ったものを、同じ展覧会のなかで展示するのはおかしいし、それに支払う1000円の料金は高い。

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2013.02.02

「第15回 DOMANI・明日展」を見る

新国立美術館で「DOMANI・明日展」(2/3まで、1000円)を見た。2007年までは損保ジャパン東郷青児美術館でやっていたのだけど、2008年からは新国立でやっている。この展覧会は「文化庁の支援により海外研修を行った作家を紹介する」もので、比較的、若手の旬の現代作家の作品が拝見できる。昨年も行ったような気がするんだけど、あんまり覚えてないが、今回はそこそこ印象に残る作品と作家がいたのは、うれしいところだ。作家ごとに部屋を区切っているので、作家によっては、撮影可とのことなので、遠慮なく撮影もさせてもらった。

ちなみに最も印象深かったのは、橋爪 彩(はじづめ さい)という油彩の画家だ。リアルな作風で、一瞬、写真かと思わせる。女性を描いているのだけど、顔の描き方が少々不気味で、髪で目が隠れているように、あるいは目がフレームの外にあるように描く。どの女性も、視線が感じられるのに、瞳がない。

Yukutake

橋爪の作品は、撮影できなかったけど、インスタレーションな作品は撮影がOKなのが多かった。上の写真は行武治美というガラス造形作家の作品。めでたい感じがいい。

Aono

続いて、上の写真は青野千穂という陶芸作家の作品。触る事はできませんので、実感できてませんが、陶器らしい。すごく有機的な造形です。こちらも撮影OKなので撮りました。

Aono2

こちらも青野千穂の作品。なんだか、よく分かんないけど、粘菌とかそういうイメージです。欲しいです。買ったら、触っていいんだよね。というわけで、触りたいので、購入したいという、不思議な作品です。

Shiota

こちらは、美術家の塩田千春の作品。いろんな人の履いた靴に赤いひもが括り付けられて、そのひもは一点にまとめられている。靴には、下の写真のように、紙が括り付けられていて、その靴にまつわる、思い出が書かれているらしい。

Shiota2


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