カテゴリー「Shell art award」の記事

2018.02.12

国立新美術館で「シェル美術賞展2017」を見る

国立新美術館で「シェル美術賞展2017」(2017/12/13-12/25:400円)を見た。2014年の受賞作品から見ているので、4年連続、拝見していることになる(2016年の受賞作品についてはこちら)。ちなみに今回が第46回です。シェル美術賞は「次世代を担う若手作家のための美術賞であり、創設当初より完全な公募制で実施しています」というモノです。応募資格は「日本在住、40歳以下の方」。つまり、推薦人がいなくても、日本在住の40歳以下なら、我こそは!と思ったら応募できるわけです。その辺が面白いところ。

そのためか、未知の作家の作品が多い。まあそういった見たことない作品が拝見できる、というのは面白いことです。完全に見たことがない作品から、見たことがあるようで、ちょっと違うモノまで、そこそこいろいろありました。

シェル美術賞展は、写真撮影がOKなので、印象に残った作品は撮影していたので、以下に紹介いたします。

まず、久世なつかの《ひるね (からだ × ハチ 1)》。丸いおなかが印象的ですが、よく見ると変で、虫が飛んでいる。そして耳の辺りでまとまって大量にいる。しばし考えて、タイトルとか作家のコメントを読むと、飛んでいるのは蜂で、それは「大量のミツバチ(働きバチ)は子育てに追われる母親、あるいはその願望として登場します」とのこと。あんまり納得しないけど、まあ、しょうがないか、という感じ。ただ妙に柔らかいタッチに母の優しさを想起してしまう。そう思うのは岩絵具ベースで和紙に描かれているから、かもしれない。

Kuze_natuka_nap_s

次が竹内優文の《浴場》。リアルさがいいんですが、そのモチーフの選び方が面白い。改めて見ると、老人らしき人の頭と背中とか足とかが見えている。作家のコメントで「『ヒト』の営みの産物や痕跡の、早晩失われるその風景を、現代の記録と思って描き留めています」とあって、失われていくのは銭湯なのか、そこに通う老人なのか、とちょっと考えてしまう。

Takeuti_bathhouse_s

3つ目が上野洋嗣の《temple》。コメントに「模型を作って写真に写し、パソコンで加工してキャンバスに描き起こした」とある。そうか写真か、という気がした。こういう描き方もある、というわけで、より強く印象に残りました。

Ueno_temple_s

4つ目で最後です。酒井崇の《伏せ茶碗 (蠢く何か)》。この作品は、不気味な感じにひかれました。ドローイングなので、すべての線を作家がコツコツと描いたわけで、そこもより不気味な感じ。

Salai_fuse_tyawan_s

なんとなく、戯画的な作品が増えている、ように見えました。

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2017.01.25

国立新美術館で「シェル美術賞展2016」を見る

国立新美術館で「シェル美術賞展2016」(2016/12/7-12/19:400円)を見た。2014年の受賞作品から見ている。3年連続ということになる(2015年の受賞作品についてはこちら)。去年もそうだけど、「 DOMANI・明日展」の半券を見せると無料で入場できるので、毎年、見ているんでしょう。

DOMANI・明日展は若手とはいっても、ある程度、実績を積んだ方々の作品が展示されているのに対し、シェル美術賞は40才以下の、ほぼ無名に近い若手なので、実際、初めてみる作品ばかりで新鮮です。そのうえ、現代絵画の傾向みたいなものが見えてくるような気がするのも面白い。そして、作品は撮影可というのもいいですね。印象に残った作品は写真に撮っておけるので、こういう文章を書くときに便利です。

印象に残ったのはなぜか、版画でした。まずチョン ダウンの「フォーエバーマイフォーク」。エッチングです。この続きが見たくなる。

Ph01

もう一つは、所 彰宏の「見えないことで見えること」。青いのが妙に気になって、なんだろうかと思ったら、説明にサイアノタイプとありました。日光写真です。日光写真の場合、感光した部分が青くなる。この作品の場合はガラスとかアクリル板とかに絵を描いて、そこから日光写真にしたのだろうか?

Ph02

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2015.12.15

国立新美術館で「シェル美術賞展2015」を見る

 国立新美術館で「シェル美術賞展2015」(2015/12/9-12/21:400円)を見た。シェル美術賞は「美術界に大きな影響を与えたシェル美術賞(1956年~1981年)、および昭和シェル現代美術賞(1996年~2001年)の合計31回の実績を踏まえ、 2003年より新たに再出発した、現代美術の公募展です。当賞は、時代を担う若手作家を発掘することを目的としており、設立当初より完全な公募制で実施を続けています。現在では「若手作家の登竜門」として美術界より評価を頂いており、2015年は44回目の開催となります」という賞。

 おそらく2014年の展示は見ていて、そこそこ面白かったので、今回も拝見した。ちなみに同じ時期に新国立美術館で開催されている「DOMANI・明日展」とか「ニキ・ド・サンファル展」を見たら、その半券で無料で拝見できます。

 募集作品は現代美術ということですが、2次元のペインティングで立体は扱ってません。募集要項によると「平面作品でワイヤーによる吊り展示が可能なもの。立体や映像、共同制作による作品は不可」となっている。なぜか、作品は撮影OKでしたので、きになった作品は撮影させていただきました。

 そこで気になったのは、準グランプリをとった矢島史織の「モンスター」。下の作品です。日本画の画材、岩絵具を使って雲肌麻紙(くもはだまし)に描いているけど、日本画のモチーフではないというタイプの作品。例えば町田久美とか、そういうタッチなんだけど、独特の味がある。町田久美は恐いところがあったけど、この作品は可愛い。しかし、この作品がグランプリでもいいんでないかと思います。

Shell_1

 拡大してみると、分かるけど、おそらくは面相筆を使って繊細な線を描いている。作品のタグには「つい最近のことですが、新しい人物画を描きたい、そんな思いから模索し始めました。特にこの作品は日本画にとって重要な要素である“線”を多用しております」とのこと。

Shell_2

 気になったのは林田 健の「COMPⅢ」。団地だろうか? この細かさが好きなんですよ。不思議な絵です。


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 こちらは牛嶋直子の「わたしの乗る船」という作品。この方も日本画科出身です。顔料と樹脂膠を使っている。樹脂膠ってのがよく分からないけど…。不思議なタッチで印象に残りました。

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